人気店の経営レシピ《vol.2》リストランティーノ ルベロ 長澤流氏

目黒通りを1本入った静かな場所に店を構える「リストランティーノ ルベロ」。

およそ築65年の一軒家を改装した隠れ家的なレストランには、ひと月あたり500組を超える客が訪れるそう。日本各地から取り寄せる食材を用いたこだわりの料理、3人のソムリエが厳選する上質なイタリアワイン、そしてどこかアンティークな雰囲気漂う唯一無二の極上空間――。

本企画第1回にご登場いただいたのは、「Gaston&Gasper」(六本木)などを展開する「Fine Fast Foods株式会社」代表取締役の伊藤ミナ子さん。

第2回となる今回、伊藤さんにご紹介いただいたのは自身もソムリエを務める「リストランティーノ ルベロ」オーナー・長澤流さん。

「ものづくり」から「店づくり」へ

Q. お店を立ち上げた経緯について教えてください。

「大学時代に基幹システムやウェブ系の会社を起業して以降、しばらくIT業界にいました。

飲食業に携わることになったのは、立ち上げた会社が軌道に乗り、趣味の“食”に今まで以上に関心を持つようになったためです。元々食べることやものづくりが大好きでしたので、お店を一から作るのは本当に楽しかったですね。4カ月ほどかけて壁を塗ったり石畳を敷いたり、自分たちでも手を入れていきました。

『Gaston&Gasper』の伊藤さん(前回)とは、ここはこうした方がいい、あそこはこう変えた方がいい、とお互いズバズバと意見を出し合っています(笑)。違う方向性だからこそ見える視点もあり、いい関係を築かせてもらっています」

Q. オープン当初はカフェとして営業されていたそうですね。

「ええ。今よりももう少しカジュアルな雰囲気のカフェで、かつイタリアで修行を積んだシェフが作る本格的な料理が売りだったのですが、どうも目黒という土地と相性が良くなかったようです。

1年半ほどで見切りをつけ、今のレストランスタイルに変更しました」

Q. まずやってみて、止めるときにはスパッと止める。これが今のルベロに繋がっているんですね。

「そうかもしれません。ほかにも、平日のビジネスランチを止めて夜に注力したことでディナーの満足度が明らかに向上しましたね。やはりランチが1000円なのに対しディナーが8000円となるとお客さまからすればコスト面でのイメージの乖離が激しくなりますし、お店としても時間に追われてしまう面があります。

そこで現在は土日のみ3900円のプレミアムなランチコース(20名限定)をご用意しているのですが、夜とのバランスを考えるとこれがベスト。お酒を飲まれながらゆっくりとランチを楽しまれる方が多いですよ」

築地だけに頼らない、産地直送で旬の食材を

Q. お店として一番こだわっている部分を教えてください。

「とにかく食材ですね。築地や大手流通業者だけに頼らず、知人のバイヤーや個人業者などあらゆるツテを使って日本全国から厳選された食材を送ってもらっています。

ちなみに、私とシェフの地元・富山から送られる魚介類もメニューによく登場しますよ。高知あか牛の熟成牛やLボーンステーキコースは、お客様からも大好評です。魚、肉、そして野菜……本当に美味しいと思えるものだけ揃えているので絶対にご満足いただけると思います。

全国にはまだまだたくさんの生産者さんがいらっしゃる。これからも僕らはそういう生産者さんの思いを積極的にキャッチアップしていきたいですね」

毎日がチャレンジ

Q. 新メニュー開発についてうかがえますか。

「メニューは基本的にシェフと僕で考案しています。2〜3週間ごとに少しずつ新しいメニューを加えていき、大体3カ月で入れ替えするようなイメージ。

食材でも調理法でも、新しく出てきたものや思いついたことはどんどん試しますね。毎日がチャレンジです」

Q. 人材育成に関してはどのように取り組まれていますか?

「お客さまとのコミュニケーションにおいてはマニュアル化せず、サービスマンの個性を重視していますね。お客さまごとに適度な距離感が必要ですから。

また、スーシェフには土日のランチコースのメニューを考案してもらっているのですが、好評だったものは積極的にディナーに採用するようにしています。若手にとっていい機会だと思います。

あとは週に1度、ミーティング兼反省会の場を設けることでスタッフ間での風通しのよさを保つことも心がけています」

Q. 今後の展望をうかがえますか。

「2軒目をまったく考えてないわけではないのですが、リーダー不在でルベロの調和が乱れては困る。実は、ルベロを作った当初は経営面だけで携わろうと考えていたのですが、やはり自分自身が現場に立った方がスタッフに思いが伝わるんですよね。

それとお客さまの顔が見えるこの状況がすごく楽しい。ITのときにはなかった喜びの実感があります。だから、もうしばらくはここでサービスや料理に専念したいですね」

Q. ありがとうございました。最後に、お客さまへメッセージをお願いいたします。

「『ちょっといいお店見つけたんだ』と人に教えたくなるような、そんなお店でありたいと思います。日本全国の美味しい食材、イタリアの美味しいワインを揃えていますので、ぜひ一度足をお運びください」

執筆・撮影=井上こん

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