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100種類のビールには、100の注ぎ方がある--ビール好きの聖地・両国「ポパイ」でクラフトビールを学ぶ

夏のご褒美といえば、キリっと冷えたビール。最初の1杯のなんと美味しいことか。

そしてこの夏、ビール好きなあなたに飲んでほしいのが「クラフトビール」だ。今回、クラフトビールの聖地といわれる両国の「麦酒倶楽部ポパイ」オーナーの青木辰男さんにクラフトビールの魅力について語っていただきました。

青木氏が機械に頼ることなく、手作りのビールにこだわり続ける理由とは? インタビューの最後には、二十年余をクラフトビールに捧げてきた青木さんがおいしいクラフトビールが飲めるお店を紹介します。

カウンターは映画の舞台セットを思わせるような雰囲気のある造り。ウッド調の店内はとても居心地がいい。

クラフトビールの醍醐味は作り手の「感性」

――:まずは、青木さんのクラフトビールとの出会いについてお聞きしてもよろしいですか?

青木辰男氏(以下、青木):22歳のときに飲食店を開業して、そこから10数年たってビールの規制緩和がニュースになりました。そこで、自分でビールを作れるようになるぞということでチャンスだと思ったんです。
当然みんなもクラフトビールを作るだろうと思ったんだけど、他の飲食店はあまり興味がなかったようで……。

――:当時の飲食店はクラフトビールに興味がなかったんですか?
青木:そうなんだよね。逆に言えば、ラッキーだったわけだけれども。たまたまご縁で繋がっていた酒屋さんがクラフトビールに興味を持っていて、独自のルートで仕入れてくれたんですよ。

――:それがクラフトビールの先駆けになったわけですね。近年、小さい会社や工房が独自で良質なクラフトビールや地ビール作っている流れについては、どう思いますか。
青木:言ってしまえば、設備が最新であればクオリティの高いビールっていうのはいくらでもできます。でも、クラフトビールというのはそうではなく、あくまでも機械に頼ることなく手作りにこだわるので作り手の感性が入り込んでいるんです。そういう魂のようなものが、消費者の心を打つんですよ。

――:クラフトビールには、個人個人が自分好みのビールを見つける楽しさがありますよね。
青木:うんうん。クラフトビールっていうのは、飲むところが限られていて、そこでしか飲めないっていうところも魅力なんですよ。どこでも買えるわけではないから、遠くに旅行して飲むとかね。だから、クラフトビールにハマる人っていうのは、鉄っちゃんだったり、旅行好きの方も多いですね。

ビールを飲むよりも、ビールの作り方にハマった

――:ビールが好きな人はこれだけたくさんいる中で、ビールを作る側へいこうと考える人は少ないと思うんですが、青木さんをそこまで動かしたのは何だったんですか?
青木:僕はビールを飲むことにハマるというよりも、ビールの作り方にハマったんです。当時、日本にはクラフトビールのサービングマニュアルがなかったんです。サーバーの部品もなかなか売ってなくて、買えても取り付け方もわからない。そんな中で、試行錯誤しながら自分なりの調整方法を見つけていくのがすごい奥深くて面白かったんですよね。

レギュレーターについては特許もとりましたし、最近は業者が全部綺麗にやってくれるものですが、今でも自分のお店のタップ(ビールサーバーの注ぎ口)は全部自分でつけてますよ。

タップが美しく並ぶ「ポパイ」のカウンター内の様子

タップが美しく並ぶ「ポパイ」のカウンター内の様子

――:それは何か理由があるんですか?
青木:クラフトビールの味を決めるのは炭酸ガスなんですよ。その大切な個性を失いたくないからですね。気の抜けたコーラが美味しくないのと一緒で、炭酸ガスの調整次第で、ビールそれぞれの個性が発揮されるんです。
ビールの種類は100種類以上ありますから、それぞれのビールの味をきちんと知って、保存方法や注ぎ方を変えないと。

クラフトビールをビールの延長で考えてほしくない

――:おすすめクラフトビールを教えていただけますか?

青木:おすすめを言う前にまず前提として、最初に飲むときは大手メーカーのビールの概念を取っ払って、違う飲み物だと思って飲んで欲しいです。

――:(大手の)ビールとクラフトビールは別の飲み物だと。
青木:そうです、そうです。でないと、なかなか入り込めないと思います。

――:ビールの延長で考えてしまうということですか?
青木:そう。日本の(大手の)ビールには「のどごし」と「キレ」と「泡」とっていう言葉があると思うんです。その基準ではクラフトビールのおいしさが語れないことが多いんですよ。

――:なるほど。そういう大手が作るビールの概念をまずは取っ払ってから、飲んでほしいということですね。
青木:そう。だからグビグビ飲むのはやめて、口に含んだら口全体で味わって、ワインを飲むときのような感覚で飲んでほしい。
――:ワインを飲むようにして味わうんですね。では、クラフトビールは何を基準に飲んだらいいんでしょうか?
青木:はい、ではいくつかおすすめを紹介します。

初心者 ―はじめてクラフトビールを飲む人へ―

・スッキリした爽快な味わい「ペールエール(ゴールデンスランバー)」

自社のポパイ工場で独自に生産された、アメリカンペールエール。すっきりとクセがなく、原材料の味わいをそのまま楽しめるビールですね。クラフトビール初心者にはもってこいだと思う。仕込みごとに香り付けのホップが変えられるから、違う仕込みに出会えれば、違う味わいが楽しめるのもポイント。
このビールと相性のいい料理は、トマトソースを使用したピザや煮込み料理、パイを使用した料理との相性は抜群だね。

・フルーティーな香りを楽しむなら「ヴァイツェン(山口地ビール)」

小麦を使用した、ドイツスタイルのビール。サッパリと軽い飲み口が特徴。バナナやクローブを思わせるフルーティーな酵母由来の香りが楽しめます。
このビールと相性のいい料理は、こってりした料理です。ポパイのメニューにもありますが、同じヴァイツェンで煮込んだ豚肉の角煮と合わせれば最高においしいと思います。ビールとビールを使った料理の相性がいいのは当然ですよね。

中級者 ―クラフトビールをもっと知りたい―

・甘み×苦味×香りのバランスが絶妙「IPA(ベアードビール駿河ベイ)」

シトラスのような香りとアメリカ系ホップの香りを楽しめるビールだね。しっかりとした苦みはありますが、甘さ・ボディー・アルコール感もしっかりと感じられて絶妙なバランス。スパイシーな肉料理と食べたら最高だろうね。

上級者 ―こだわり派のあなたへ―

・締めの一杯にゆっくり飲みたい「バーレーワイン(ラブポーション#7 スコッチエール)」

 重厚なボディーとしっかりしたアルコール感がありながら、モルトの優しい甘さを感じるビール。フルーティーな香りとモルトの甘く香ばしい香りが特徴だね。最後の締めの一杯にゆっくりとお楽しみいただきたいビールです。
このビールは、甘いデザートと一緒にどうぞ。ポパイでは、バーレーワインに砂糖を入れてそのまま煮詰めたシロップでいただく、パウンドケーキがあります。意外な組み合わせだと思うかもしれませんが、おすすめですよ。

・チョコレートを思わせる香ばしい香り「ポーター(ブリマーブリューイング)」

このビールは、コーヒーやチョコレートを思わせるモルトの甘く香ばしい香りが特徴。モルトの甘さのなかに、程よくホップの苦みも感じられて、ホッと一息つけるビールです。
香りが強いビールには、同じく香りの強い料理が合いますね。ポパイのメニューにある「シメサバの洋風お造り セサミソース」は、ゴマの香ばしさがモルトの香りを引き立てて、とても相性がいい。あと、アイスやケーキなど甘いデザートにもよく合いますよ。

ポパイおすすめの一皿「牛ホホのビール煮」

70種以上のビールが楽しめる「ポパイ」へ行こう

――:最後に、このお店「ポパイ」の1番の売りを教えてください。
青木:1番の売りは、もちろんクラフトビールがたくさんあることです。あと主力なスタッフがかなりビールに詳しいので、なんでも聞いていただければ。

――:ビールは何種類くらいあるんですか?
青木:大体70〜80種類くらいありますね!

――:すごいですね! 青木さんがすべて厳選されたものということですね。
青木:そうですね。お客様の嗜好に合わせて満足してもらえるように厳選しているので、ビールの種類も毎日変えています。
――:ありがとうございました。

 

青木さんが指南する、東京のクラフトビールが飲めるビアバー3店

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE5/SUB501/100000716279/photos/?kind=&page=5

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