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えっ、これが野菜!?日本に4軒しかない”台湾素食”を求めて錦糸町「苓々菜館」へ

まずはこちらを見てください!

・酢豚

・ローストチキン

・餃子

実は、3品ともお肉を一切使っていません。酢豚も豚肉を使わず、ローストチキンも鶏肉を使わず、味は本格中華さながら。

そんな不思議中華なお店が錦糸町にあるってご存知でしたか?

錦糸町駅から徒歩3分。

そのお店がこちらの苓々菜館(リンリンサイカン)さん!

 
お店の前のメニュー表には「全素」の文字。

中国語で「素」は野菜を意味するので、つまり「全てが野菜」というベジタリアン料理のお店。
お店に入ると、店長の久保田浩一さんが出迎えてくれました。

▲苓々菜館の店長、久保田浩一さん

▲苓々菜館の店長、久保田浩一さん

日本に4店舗しかない「台湾素食料理」って何?

稲葉和沙(以下、稲葉):本日はよろしくお願いします。

久保田浩一さん(以下、久保田):はい、何でも聞いてください。

稲葉:こちらのお店の特徴を教えてください。

久保田:この苓々菜館は「台湾素食」を提供するお店です。台湾素食というのは、ベジタリアンや宗教上の理由で肉を食べられない人のために野菜やキノコを肉や魚みたいに調理する、いわゆるもどき料理です。日本人に馴染みのある言葉で言えば「精進料理」ですね。

稲葉:台湾素食なんて初めて聞きました。

久保田:そうでしょうね。僕の知る限り、台湾素食を専門にやっているお店は日本で4軒しかありません。

稲葉:4軒!? 少なっ・・・

久保田:日本では少ないですが、台湾では6000軒以上もあるんですよ。これもあまり知られていないですが、台湾人は人口のおよそ20%がベジタリアンなんです。

稲葉:5人に1人も!

台湾素食のおかげで「3ヶ月で20キロ痩せた」

稲葉:そもそも、なぜ台湾素食のお店を日本で?

久保田:僕はもともと高級中華のお店で料理人をやっていたんですが、その当時は朝からステーキやフカヒレを食べたり、深夜の仕事終わりに脂っこい中華料理を食べたりと、それはもう暴飲暴食の繰り返し。で、気づけば体重110キロ。

そんな体重のとき、このお店のオーナーの中山芳苓さんと知り合い、縁あってこちらのお店で働くことになりました。

▲苓々菜館のオーナー、中山芳苓さん

▲苓々菜館のオーナー、中山芳苓さん

久保田:前もって言っておきますけど、今から言うことは嘘じゃないですよ。

久保田:「このお店で働いて3ヶ月で、20キロ痩せたんです」

稲葉:3ヶ月で、20キロも!?

久保田:笑えるでしょ。110キロあった体重が今では75キロまで痩せました(笑)。

久保田:台湾素食が健康に良いというのは僕たちが証拠なわけです。僕の体重が減ったこともそうだし、オーナーの中山芳苓さんの肌ツヤも見てくださいよ。

久保田:彼女はもうすぐ60歳です。

稲葉:えー、ウソ!!肌が超きれい!このお店に興味が湧いてきました(笑)。

スーパーフード「大豆肉」

稲葉:このお店の料理のどこに秘密があるんですか?

久保田:じゃあ、まずこれを食べてみてください。お店で一番人気の「酢豚」ですが、豚肉を一切使っていません。

稲葉:いただきます!

稲葉:完全に酢豚!歯ごたえまで豚肉そっくりなんですが、本当に豚肉じゃないんですか?

久保田:はい、大豆ベースの「グルテン」が材料になっています。「グルテン」は、大豆などの穀物に水を加えて作られたタンパク質で、そのグルテンに加えられるスパイスの加減によって牛肉風、豚肉風、鶏肉風などそれぞれにアレンジさせます。食感は油分(植物油)、水分、繊維質の調整によって限りなく本物に近づけているんですよ。

稲葉:言われなかったら絶対に豚肉だと思いますよ。

久保田:そうでしょ(笑)。大豆をベースに作ったので僕はこれを「大豆肉」と呼んでいます。

久保田:ちなみに、これが冷凍させた大豆肉なんだけど、これを水で戻すと500グラムになります。お肉だったら500グラムでどれくらいのカロリーになるかわかる?

稲葉:私がステーキで食べるのが、150グラムくらいなんですよね。ステーキ150グラムで500kcalとして、500グラムはその3倍以上だから「1500~2000kcal」くらい?

久保田:お肉500グラムだとそんなもんだよね。大豆肉500グラムはね、100kcal以下なんだよね(笑)。
稲葉:ウソー!

稲葉:100kcalってごはん一杯分より少ない…。

久保田:大豆は低カロリーなだけじゃなくて、栄養価もかなり高いです。体の成長や健康の維持に大切な9種の必須アミノ酸をバランスよく摂取するのには大豆が一番と言われています。

もちろん大豆肉だけじゃなく、野菜や調味料にも徹底的にこだわっています。酢豚の味付けも市販のケチャップを使用せずに、本物のトマトから7時間かけて作った特製ソースの新鮮な酸味と、ニンジンやカボチャがもつ天然の甘みを使ったりと健康に気を使った調理法で作っています。

中華の定番メニューをことごとく再現

久保田:次は、ローストチキンをどうぞ。

稲葉:見た目はもう絶対に鶏肉!

稲葉:これは完全にローストチキンです、鶏です鶏!

久保田:大豆肉です(笑)。

稲葉:ウソウソ!このしっとりしていて、適度に淡白な感じは完全に鶏肉ですって。

久保田:大豆肉に入れる油分を少なめにして、スパイスを調整して鶏肉の風味に近づけています。
これはもっと驚きますよ。「カジキのきのこあんかけ」です。

稲葉:(パクリ)甘酢のあんかけとカジキが抜群に合いますね、おいしいです!でも、どうせこれも大豆肉なんですよね?

久保田:これは湯葉です。

稲葉:えっ、湯葉?

久保田:魚の身は台湾製の湯葉、魚の皮は海苔をベースに作っています。台湾の湯葉は、日本のものと比べて肉厚で非常に歯ごたえがあって魚と似た食感になるんです。

稲葉:湯葉と海苔…絶対にわかんないです。

久保田:そうでしょ。湯葉を使ってるから魚が持つ独特の香りやクセもなく、魚が苦手だという人も無理なく食べていただけます。他にも、中華の定番メニューを苓々菜館なら肉・魚を一切使わず低カロリーで食べていただけます。

稲葉:卵チャーハン!

稲葉:これもすごくおいしい!

稲葉:ベジタリアンは卵もダメですよね?

久保田:これは卵じゃなくて、お豆腐を水切りしてからフライパンでから炒りして最後にターメリックで色付けして卵っぽくしています。

ネギ、ニラ、ニンニクを一切使わない理由

久保田:この餃子もお肉は一切使っていません。

これは大豆肉と野菜で作ったヘルシー餃子です。ギョウザを含め、苓々菜館では「ネギ、ニラ、ニンニク」は一切使いません。

稲葉:なぜですか?

久保田:ネギ、ニラ、ニンニクは一種の興奮剤で、疲れを誤魔化す食材なので長い目で見ると体の修復をジャマする食材だと苓々菜館では考えています。食事は心を穏やかにして食べてほしいので、ウチでは入れないポリシーです。

稲葉:なるほど。ネギ、ニラ、ニンニクが入らなくても、この餃子はおいしいです!

あ、良いこと思いついた…!この餃子ってお持ち帰りできますか?

久保田:いいですよ。でも、なんで?

稲葉:秘密です!(笑)
今日は、本当においしかったです!カロリーが低い本格中華なんてホント最高でした!

久保田:うん、ぜひまた来てねー!

数時間後・・・

稲葉:「長束さーん」

長束鉄也(以下、長束):「え、何?」

▲Rettyの**餃子担当**・長束鉄也

▲Rettyの**餃子担当**・長束鉄也

(※注:Rettyの社員は自分がPRしたい料理を「料理担当」として持っており、本当にその料理を愛していない形だけの「料理担当」は厳しく審査され、場合によっては担当から追放されます。)

稲葉:(この餃子が「肉なし餃子」だと見抜けなかったら、餃子担当を辞めてもらおう)

「長束さんのために餃子を作ってきました!食べてください♡」

▲苓々菜館の餃子

▲苓々菜館の餃子

稲葉:はい、あーん♡

長束:恥ずかしいな、コレ。

長束:おお、うまいね!もう一個ほしい。

稲葉:じゃあ、もう一個。

稲葉:では、この餃子の中身を当ててみてください。

長束:え、何?餃子の中身?

長束:正直に言って俺当てちゃうよ。伊達に餃子は食べ歩いてないからね。
まず、ひき肉でしょ。ネギ、ニンニク、キャベツ、たまねぎ、塩コショウ……どう?当たってるでしょ。

稲葉:壊滅的にハズレです…。想像以上にハズしてきましたね。お肉、ネギ、ニンニクも入ってません。

長束:え、マジで?

稲葉:中身は大豆と野菜だけです。これで餃子担当はクビ…。

長束:待って、待って!

稲葉:だって全然当たらないじゃないですかー!

長束:「あーん♡」に気を取られて、正直味どころじゃなかったからさ。「あーん♡」のせい。

稲葉:これは社内稟議にかけますね。

長束:マジか・・・

稲葉:Retty餃子担当も間違う本格餃子…!苓々菜館おそるべし。

本格中華をカロリーを気にせず食べたい人はぜひ苓々菜館へどうぞ!

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