こんにちは、Retty編集部の坂口です。
みなさんは紅茶、好きですか?
僕は食後に「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」と聞かれたら、紅茶を選ぶタイプです。
そんな中、栃木県の那須に「紅茶の概念が変わる」と言われている紅茶専門店があると聞きつけました。
那須と聞いて「遠いな……」と正直ちょっと躊躇しましたが、「那須は温泉あるから、帰りに温泉入って来て良いよ」と言われたので、大喜びで取材へ向かいました。
というわけで、車で3時間かけて那須に来ました。
ココがそのお店「英国伝統紅茶館 アンティーズ」です。イギリスの国旗まで飾ってあります。イギリス愛が強いですね。
お店の入口には……
「世界で唯一 雑味のない紅茶」
「思い込んでいた紅茶の概念が変わります!」
という張り紙が。
自らハードルを上げてくるあたりに、凄みを感じます。
この方が店主の室井さんです。
名刺を頂いたら、なんか「内閣府認証」「理事長」と書いてあって、ちょっとビビりました。
本日はよろしくお願いします。
お願いします。
早速ですが、概念が変わると言われている紅茶を飲ませて頂けると!
わかりました。少々お待ち下さい。
さっそく運ばれてきました。紅茶のポットに、布の袋が被さっています。
じゃあ、今から8分蒸らすからね。
え、8分!?普通2、3分くらいですよね。それ、めっちゃ苦くなりません?
あー、それは本物を知らないんだね。本物の茶葉は8分蒸らさなきゃいけないの。
し、しらなかった……でも味どうなるんだろう……。
そして8分が経過しました。
じゃあカップにミルク入れるよ。
あれ、特にストレートかレモンかミルクか、とか聞かれてない……。ミルクティー1択なんですか?
あったりまえだよ〜。ミルクティー以外は紅茶じゃないからね、イギリスじゃ。
え、そうなの?
イギリスではそもそも「ミルクティー」って言わないから。「ティー」って言えば、ミルクティーのことになるんだよ。
えええっ!?
衝撃が続きますが、気を取り直して、紅茶を頂きます。
え、メッチャウマイ。なにこれ。
美味しいでしょ?
お湯に茶葉を入れて8分も経ったのに、まったく苦くない。砂糖も入れてないのに。
そうだよ。しかもこれ、茶葉を1日入れっぱなしでも味変わらないからね。
マジ?
1日は待てなかったですが、実際に1杯目を飲んで10分ほど過ぎた頃に、茶葉を入れっぱなしのポットに入った紅茶をもう1杯頂きましたが
我ながら良い顔するなと思うほど美味しい。全く苦くない。温度も熱すぎないので、本当に飲みやすかった。
苦いのが紅茶だと思ってた……マジで紅茶の概念、変わるわ。
この紅茶はどうやってできているの?
最初から衝撃がすごいんですけど、この紅茶ってどうやって作ってるんですか?
まず茶葉が重要で、この茶葉は僕が直接スリランカまで買い付けに行ってるんだよ。
紅茶の国スリランカまで直接!?こだわり方が凄い……。
8分以上蒸らしても、全然苦くならなかったでしょ?あれが本物の茶葉である証拠なんだよね。本物の茶葉は、苦味がなくて、旨味しか入ってないんだよ。
そ、そうなんだ……。
で、それが8分で全部出るから、8分以上お湯の中に茶葉を入れても、苦くならないんだよね。
ちなみに紅茶を少し勉強してきたんですけど、茶葉って有名な産地があるんですよね?インドだと「ダージリン」や「アッサム」、スリランカだと「ウバ」とか。
あー、あるね。
それでいうと、この茶葉はどこが産地なんですか?
どこでも無いよ。僕が自分で見つけた場所だから。
新しい産地を開拓してる……。
でも最近、その場所も外資系の会社が目をつけて、茶葉を全部刈り取っちゃったんだよね。だから茶葉を確保するのに必死だよ。
室井さん、なんか外資系の会社と戦ってる。
ちなみにお茶の入れ方は工夫とかあるんですか?
まず水は軟水を使うこと。カップには最初にミルクをいれること。この2つが大事。硬水を使ったり、ミルクをお茶の後に入れてかき混ぜると、風味などが変わってしまうんだよ。
それは僕が読んだ紅茶の本にも、そう書かれてました。
ちなみにイギリスのティーカップは、先にミルクを入れて、後から紅茶を入れると、勝手によく混ざる構造になってるんだよ。コーヒーカップはそうなってないんだ。
え、ティーカップとコーヒーカップって構造が違うの?
確かに構造が違いますね……(右がコーヒーカップ、左がイギリスのティーカップ)
なんで那須でお店をやっているの?
そもそも、なんで那須でこのお店をやり始めたんですか?
イギリスの伝統的な紅茶を、日本の田舎で広めたかったんだよね。昔、僕はサラリーマンをやってたんだけど、イギリスに出張行く機会があったの。その時に飲んだ紅茶が本当に美味しくて、「作り方を教えてください」って聞いたんだ。
昔から紅茶に関わってたわけじゃないんですね。
そうしたらエドワード・ブラマーさんという方を紹介されて。その人が、昔ながらの伝統的な紅茶の作り方を世に広める活動をしていたんだよね。