今年も残りわずか!この1年間で最も話題を集めた外食トレンドを「流行食大賞2016」として発表します!
“グルメ専門家”3名‐‐マッキー牧元さん・カレー細胞Matsuさん、西村愛さん‐‐の審査によって今年の「流行食大賞」に輝いたグルメは一体・・・!?
▲マッキー牧元さん
株式会社味の手帖 取締役編集顧問。現在「味の手帖」「食楽」他、食の専門雑誌7誌で連載をもつ。フレンチから居酒屋まで日々食べ歩き、グルメのトレンドに精通する。芸能界屈指の食通とされるアンジャッシュ・渡部建が「グルメの師匠」と呼ぶことでも有名。
▲カレー細胞・Matsuさん
Retty「TOP USER」に就任する、2000軒カレー屋を食べ歩いた通称「カレー細胞」ことMatsu氏。『Hanako FOR MEN Vol.8 カレー万歳!』や『東京ウォーカー』で記事を執筆。生まれついてのスパイスレーダーでカレーはもちろんのこと、食のトレンドウォッチャーとしての分析力・発信力は折り紙付き。
▲西村愛さん
Retty「TOP USER」に就任する、4000軒を食べ歩いた美人フード・トラベルライターの西村愛さん。食べ歩きのこだわりはテレビ・雑誌をはじめメディアの情報に頼ることなく、自身の嗅覚ひとつで美味しいお店を探し続けること。Rettyでのフォロワー数は10,000人超え。
流行食大賞にノミネートされたグルメの選定基準
今回「流行食大賞」を選ぶにあたり、外食トレンドの候補となるものを以下の選定基準で選びました。
<選定基準>
①2016年に入ってRettyに新店登録されたお店の中で、来店数(行った数)の多いお店を上から順番に100店舗ピックアップ
②その100店舗から特徴的なトレンドを抽出し、上位トップ10のトレンドをリストアップ
この基準から抽出された「今年流行した10の外食トレンド」がこちら!
今年流行した10の外食トレンド
グルメバーガー
日本でも気軽に食べられるファストフードとして愛されているアメリカンフードの代表「ハンバーガー」。そのジャンクなイメージから一転、バンズやパティ、野菜、付け合わせに至るまで素材にこだわった本格志向のグルメバーガーが人気を集めました。
新ダシ系ラーメン
今年ラーメンで注目が集まったのがラーメンの心臓部とも言える「ダシ」。ふぐダシや鯛ダシなど、新しいダシを使ったラーメンが話題を呼びました。
ソース焼きそば
B級グルメの定番だった「焼きそば」が今年に入ってブームに。素材や調理にこだわった「焼きそば専門店」には長蛇の列ができることも。
ローストビーフ丼
熟成肉やシュラスコなど、近年止まることのない「肉ブーム」。その豪華な見た目と肉肉しさから今年人気に火がついたのが「ローストビーフ丼」。
パクチー
「パクチーが好きか、嫌いか」が血液型くらい当たり前に聞かれるようになった今日この頃。パクチー愛好家を指す「パクチスト」やパクチーの増量を注文する「追いパク」など、パクチーに関する新語も誕生しました。
プレミアムサンドイッチ
軽食の代表だったサンドイッチが一転、パンや具材のクオリティをランクアップさせた「プレミアムサンドイッチ」が流行。インスタ映えするその見た目から、女性を中心に人気を集めました。
クラウドファンディング
インターネットを通じて広く資金を集め、「食」にまつわるプロジェクトを立ち上げるクラウドファンディングの人気店が急増。自分がお店を応援することで飲食店を盛り上げていけるという新たな食の楽しみ方を生んだ事例として注目されています。
大阪スパイスカレー
スリランカやインドなど、現地系のカレーを源流に辛さを突出させるのではなく、スパイスの味わいや風味を押し出したワンプレートスタイルのカレーが大阪を中心に流行。東京にも「大阪スパイスカレー」の影響を受けた新店が次々とオープンしています。
輸入系かき氷
夏の風物詩だった「かき氷」が、こだわりのかき氷を提供するお店が増えたことで人気店には冬でも行列ができるように。2015年に台湾発のかき氷「アイスモンスター」が、2016年には韓国発の「ソルビン」が日本へ進出するなど輸入系かき氷がブームとなりました。
名古屋メシ
名古屋圏の独自の食文化が生み出した「名古屋メシ」。味噌カツ、ひつまぶし、きしめんといった有名どころに限らず、今年初めて東京に支店をオープンさせた「味仙」の台湾ラーメンなど、オンリーワンの料理がクセになるとハマる人が続出。
この10の外食トレンドのなかから、マッキー牧元さん・カレー細胞Matsuさん、西村愛さんの3名に大賞を決定していただきます!
それでは発表します!!!
流行食大賞2016は・・・
流行食大賞2016は「ソース焼きそば」!!
B級グルメの定番「焼きそば」。今年に入り、首都圏を中心にこだわりの焼きそばを提供する「焼きそば専門店」が次々とオープン。2016年に新規オープンした焼きそば専門店の数は都内だけでも10店舗以上に。審査員3名が全員一致で「ソース焼きそば」に票を投じました。
なぜ「ソース焼きそば」が大賞?
私が焼きそばを大賞に選んだのは「無添加焼きそば BAR チェローナ」というお店に出会って衝撃を受けたからです。
- 無添加焼きそば BAR チェローナ
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東京都 港区 白金
焼きそば
チェローナは今年流行ったね。
このお店は今の外食トレンドを見事に反映させていて、ヒットするべくしてヒットしています。
どういうこと?
今の外食のトレンドになっているヘルシー、専門店、SNS映え、回転の速さ、夜はきっちりお金を取れる…こういった今の外食トレンドを全部満たしているお店がチェローナなんです。
なるほど。チェローナが店名に「無添加」というキーワードを入れてるのも、ヘルシー(健康志向)をうたってるわけね。
そうなんです。特にこれからの外食はどんどん「ヘルシー」路線へ進むと思っていて、お肉でも赤身肉やラムが最近は流行っていますよね。その流れをくんで、チェローナさんが店名に「無添加」をつけたのはさすがだと思いました。
なぜ流行る?「専門店ブーム」の裏事情
他のトレンドの傾向を見ても「専門店」が多いですよね。ローストビーフ専門店とか、パクチー専門店とか。
明らかに増えましたね。グルメに限らず、「そこに行かなきゃ体験できない特別なもの」が流行るようになっていますね。SNSで何でも情報が入るから、肉体的に行かないと体験できないものにニーズが集まっています。
お客側が求めているのは「この体験を自慢したい」「秘密の体験がしたい」といった体験欲。お店側も確実にそこを狙うようになっていますね。会員制のお店は自分だけの体験が得られるし、クラウドファンディングはお店を応援するという形の新しい体験だからね。
「体験を自慢したい」というのはありますね。同じ『シン・ゴジラ』を見るのでも、「俺は爆音の映画館で見たんだぜ、ただ先週で終わっちゃったけどさ(フッ…)」みたいな自慢がしたいわけです。専門店ならではのエッジの効いた体験は特別感があるので、みんなお金を払うんですよね。
一方で「○○専門店」は東京で成り立つモデルなんですよ。地方ってほとんどが何でも屋ばかりなんです。東京は人も多いし、外食文化が根付いているからこそどんどん尖っていけるわけです。その代表的な例が「焼きそば専門店」で、今後もニッチな専門店がどんどん増えていくでしょうね。
専門店は間違いなく増えていくね。
あと専門店の弱点として「夜の単価の低さ」があるんですが、チェローナはBARの業態を取り入れることで解決しているんです。焼きそばとBARって普通は思いつかないですよ。味はもちろんのこと、お店の組み立て方も含めて感動を覚えました。
「焼きそばブーム」の火付け役
焼きそばで忘れてほしくないのは神保町「焼きそば専門 みかさ」の存在です。焼きそばも素材や調理にこだわることで、従来の焼きそばとここまで差が出るのかと思いましたね。
- 神保町やきそば 威風 みかさ 総本店
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東京都 千代田区 神田神保町
焼きそば
自家製生麺でモチモチっとした食感の焼きそばを初めて食べたときはその美味しさに驚きました。このみかさに1~2時間待ちの行列ができるようになったときに、焼きそばというジャンルへの風向きが一気に変わりました。
「焼きそば屋に並ぶ」という発想自体がありませんでしたからね(笑)。
そうですよね。今年の4月にオープンしたみかさの新店「真打みかさ」も相変わらず人気のようですし。
- 手打ち麺焼きそば専門 真打みかさ
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東京都 新宿区 高田馬場
焼きそば
昔ながらのソース焼きそばのクオリティを高めたものから、今では新しいジャンルの焼きそばも出てきていて今後も焼きそばの進化は続きそうですよね。
(▼過去に焼きそばを取り上げた記事:焼きそば新時代の幕開け! オープン半年以内、今すぐ行くべき絶品焼きそば店5選)
「どうせ焼きそばでしょ?」って思っている人には、まずは「みかさ」に行って実際に食べてみてほしいですね。
#3名が選ぶ流行食特別賞
マッキー牧元さんが選ぶ特別賞は・・・
品質がよくマイルドな国産のパクチーが登場し、香りや味わいに魅了される人が増えました。ただ、このパクチーブームはまだまだ序章で、現在のパクチーって実はほとんど1つの品種のパクチーしか使っていないんです。今後は様々な品種のパクチーが出回るようになってさらなる進化をとげるはずです。
\おすすめの店/
- Mardi Gras
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東京都 中央区 銀座
フランス料理
パクチーを20年前から提供していたグレープガンボ出身の和知シェフがオーナーを務めるフレンチレストラン。ここのパクチー料理は他の追随を許さない逸品です。
Matsuさんが選ぶ特別賞は・・・
カレーの最先端はいま確実に大阪にあります。大阪ではカレーブームが起きていて、その中でもっとも勢いのあるカレーが「スパイスカレー」というジャンル。スリランカやインドなど、現地系のカレーを源流に辛さを突出させるのではなく、スパイスの味わいや風味を押し出したワンプレートスタイルのカレーが東京に続々と進出しています。
\おすすめの店/
- 堕天使かっき~
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大阪府 大阪市阿倍野区 王子町
カレー
東京からは信じられないほどの盛り上がりを見せる、大阪カレーシーン。大阪スパイスカレーの中でも、妥協を許さない攻めを見せるのがこのお店。鯛出汁を用いたオリジナルカレーは、日本カレーの最先端!
西村愛さんが選ぶ特別賞は・・・
流行したきっかけは完全にインスタですね。ポイントはパン屋が出すサンドイッチじゃなく、シェフが作るプレミアムサンドイッチ。極厚サンドイッチをカットした際にできるキレイな断面に萌える「萌え断」という造語もでき、新しいサンドイッチの世界が広がった年になったと思います。
\おすすめの店/
- BAKERY&RESTAURANT SAWAMURA
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長野県 北佐久郡軽井沢町 長倉
パン屋
軽井沢の澄んだ空気のなかで食べる香り高い焼きたてパンは絶品。地方に広がるパンブームやシェフが作るサンドイッチの先駆けとなったお店です。東京にも進出したのでみなさんもぜひ行ってみてください。
- ベーカリー&レストラン 沢村 新宿
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東京都 渋谷区 千駄ヶ谷
パン屋
#2017年のグルメトレンドを大予想!
「究極のふわふわグルメ」がくる!
2017年は「ふわふわ」がきますよ。今年流行ったサンドイッチのひとつに「たまごサンド」があったんですが、ひと口にたまごサンドといっても種類はオムレツサンドや和風の卵焼きサンドなどたくさんあるんですが、共通点は「ふわふわ」なんです。見た目がポップでかわいいのもありますが。
牧元さんは「かわいい」ものもチェックしているんですね。守備範囲広すぎです(笑)。
僕はこの1年、たまごサンドをかなり熱心に研究したからね。この流れをくんで来年はいろんな料理がふわふわ化していくでしょうね。そこにはSNS映えするということもありますし、「ふわふわ」という言葉は女性ウケもいい。2017年は「究極のふわふわグルメ」が流行ると思います。
「和ダシカレー」がくる!
2017年に僕が絶対流行ると思っているのは「和ダシカレー」です。ことカレーに関しては、大阪のカレートレンドが遅れて東京に伝わってくる、という不思議な現象が最近起きています。
そもそも、大阪でカレーが流行った背景はあるんですか?
もともと大阪にはスリランカ人が多く住んでいて、スリランカカレーを出すお店が多かったんです。スリランカカレーはカツオ出汁を使うので日本人の味覚と非常に合うんですよね。
カレーにカツオ出汁を使うんですか!
そうなんです。そこに関西人特有のノリでスパイスの配合の常識を破って、むちゃくちゃなアレンジを加えるわけです。アレンジし、洗練させ、アレンジし、洗練させ…その繰り返しのなかで生まれてきたのが今年流行した「スパイスカレー」というジャンルなわけです。
大阪らしい(笑)。
そして、最近大阪でブームになっているのがカツオや昆布、鯛のダシなど和ダシをベースに作った「和ダシカレー」です。来年は東京に「和ダシカレー」がやってくるでしょうね。
「うどん居酒屋」がくる!
2020年の東京オリンピックを見据えて、地方の人気店の東京進出がブームになっていますね。
2016年は名古屋のご当地グルメ・台湾ラーメンを出す「味仙」が東京進出しましたよね。
- 郭政良 味仙 東京神田店
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東京都 千代田区 神田鍛冶町
ラーメン
僕が驚いたのは、関門海峡を越えないと言われていた「博多うどん」が遂に東京へ進出してきたことです。締めで博多うどんを食べる「うどん居酒屋」という業態が2017年にはくるんじゃないかな。
「クラフトジン」がくる!
クラフトビールはずっと流行っていますけど、次は「クラフトジン」がきますよ。
クラフトジンですか?
はい。アメリカやヨーロッパではすでにいろんなお店が出てきています。ジンは一般的にはジュニパーベリーというスパイスで香り付けをするんですが、このクラフトジンは型にとらわれないスパイスの配合が特徴で、このジンが美味しいんだよ。
それはぜひ飲んでみたい!
ここまで予想してきましたけど、盛大に外したらどうします…?
いや、「和ダシカレー」は絶対くるから!!
カレー愛がすごい(笑)。2017年が楽しみですね!
おわりに
みなさんは2016年、どんなグルメが記憶に残りましたか? 2017年も次々と新しいワクワクするようなグルメが登場するはずです。
ぜひ次のトレンドはみなさんご自身で探してみてください!