"チョコレート"とかけまして、"わたしの恋"と解く。その心は……?
……というのは、いったん置いといて。女性のみなさんは、バレンタインチョコを男性にあげましたか?
わたしはここ10年くらい、バレンタインに全力投球していました。
ブランド好きな彼にはアルマーニのチョコレートを買いに丸の内まで、
酒好きな彼にはチョコレートビールを買いにデパ地下の酒屋まで、
猫好きな彼にはデメルのチョコレート(パッケージが猫)を買いにヒカリエの特設フロアで人に揉まれ。
わたしのバレンタインはいつだって本気だ。お金も時間も頭も使ってる。
わたしが惹かれるような男性は、
こんな手の込んだ贈り物をもらった時に
「あ、好きでいてくれてるのね。」と察しているはずだ。
でもバレンタインがきっかけでなにかが実ったことは一度もない。なんならホワイトデーに何かしてもらえたこともほとんどない。ギブ&ナッシングである。
なぜなのかはだいたいわかっている、つもりだ。なにげに約30年生きてるからね。ギリギリ昭和生まれだからね。
その男性を好きになりすぎてしまうのだ。もう好き好き好き好きでやばみがある。
ある年、わたしは弁護士の男性にチョコレートをあげた。
はっきり言って本命である。
どストライクにジャンポールエヴァン?ピエールエルメ?などなど考えたが、
なにせ彼の好きな食べ物は「ポルチーニ茸とウニとカヌレ」。
高級ブランドのチョコレートは既に自分で押さえてる、もしくはもらっている可能性がある。ここはやはりアイデア勝負。ヒントはないかと必死に思い出に頭を巡らす……。
ありました。
弁護士には「弁護士番号」という数字が付与されているのですが、
これはもちろんひとりひとり違うもの。
その弁護士番号のチョコレートをあげようと思いついたのです。
登場するのは数字でおなじみの「56Chocolates」。1から56までの数字を振った、56種類のチョコレートです。
最後は弁護士番号の確認方法。これはね、本名さえ知っていればネットで検索できます。
さて、肝心のあげた瞬間のリアクションはというと!
男「……数字?」私「(やばい気が付いてない)」男「なんだろう……。」私「んーとね、わかったらびっくりすると思う!」男「なるほどわからん。」私「えー!いやさ、アレだよアレ!弁護士番号!」男「……!!!!(顔が笑ってない)」
……結局、ドン引きされてました。ドンマイ自分。
話を戻すと、明らかに好かれていることがわかると男性はあんまり興味を示さなくなる。そこに駆け引きは生まれ得ないからだと思う。確かに、駆け引きというか「これって脈アリ!?」みたいに考えるのは楽しい。でもわたしのバレンタインとそれに付随する恋愛めいたものにはその余地がない。「あ~好かれてるな~。」で終わりだと思う。
好意のシャワーと、素敵な贈り物。先に見えるのは愛されるだけの退屈な未来なのかもしれない。
今年はあげたチョコレートは0個だったけど、
来年は「またバレンタインに注力したい!」と思えるような男性と出会っていたいものですね。気を付けることはひとつ、好きになりすぎないこと。
駆け引きを楽しめるようなオトナの女性になれてたらいいな……。
さて、冒頭に戻りまして。チョコレートと掛けまして、わたしの恋と解く。その心は、アツくなるとダメになるでしょう。
お粗末さまでした。
ライター紹介
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中野晃子
- お酒はなんでも好きだけど、ドライシェリーが特に好き。最近はイタリアンに回帰中。牡蠣がむけます。