ライター紹介
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たけべともこ
- クラウドファンディングで「お見合い相手」を募集したら恋人ができた人。ライター。フリー素材「ぱくたそ」モデル。身長178cm。47都道府県を旅し、離島に移住し、東京へ帰ってきました。寝ているとき以外、いつもお腹が空いています。
お見合いをしたら、お坊さんに会いに行くことになりました
はじめまして、たけべともこと申します。
突然ですが、私はクラウドファンディングでお見合いをしたことがあります。
相手を募集したのは、2016年4月のこと。これは、自身のコンプレックスである178cmの身長を受け入れ、かつ、「クラウドファンディングでお見合い相手を募集するとは面白い!」と感じてくださる方と出会いたいと思い、始めたものです。
結果、72名の方にご支援いただき、ご縁のあったお一人と結婚を前提としたお付き合いをしています。
そして恋人ができた日から、 ノロけ話をTwitterに書き始めました。好きな人ができても「背が高いから無理」と言われ、お付き合いを始めても「自由奔放すぎてついていけない」と言われてきた私にとって、すべてを受け入れてくれる恋人の存在は、もう浮かれるしかありません。
あまりの変貌に、友人からは「本名のTwitterアカウントでこんなにノロけるなんて、常軌を逸している」と言われるほど。
《お付き合いを始めたばかりの頃》
— たけべ ともこ (178cm) (@TA_KE_BE) 2016年10月10日
こんなに理想通りの人がいるわけない。騙されているのでは?
《今》
こんなに幸せなら、もう騙されててもいいや〜〜〜!
「本屋で1冊ずつ本を選ぶ→向かい合って座る→読む→たまにコーヒーを飲む→読む→読み終えたら本を交換する」
— たけべ ともこ (178cm) (@TA_KE_BE) 2017年1月16日
というデートをしました。
私が本に集中している間にコーヒーのお代わりを注いでくれたところも含めて、幸せ過ぎて気絶するかと思った。
「恋人ができてからのたけべさんが面白くない」と言われるけれど、ウケを取ることで自分の居場所を見出してきた人が、微笑むだけで手を繋いでもらえる環境を知ってしまったんだから、仕方なくない?!?!?!!?
— たけべ ともこ (178cm) (@TA_KE_BE) 2017年2月21日
そんなある日、Retty編集部から「試しに、お坊さんにノロけてみてもらえませんか?」という依頼がありました。
Retty編集部:坊主バーというお坊さんがやっているバーがあって、悩み相談をする人が多いようなのですが、そこであえてノロけたら面白いんじゃないかなと思いまして
お坊さんにノロける!?どういうことだろう……。
あ、なるほど。
今めちゃめちゃ浮かれまくってる私がお坊さんにノロけたら「浮かれすぎです!あなた足元すくわれますよ!」と叱られることを想定しているんだな……
でも実際ノロけたらどうなるんだろう?
そう思いつつ、「坊主バー」の扉を叩きました。
お通しは線香?!「坊主バー」へ行ってみた
四谷三丁目駅から歩いて5分ほど。落ち着いた雰囲気のバーや居酒屋が並ぶ一角に、「坊主バー」の看板を見つけました。
蓮の花の描かれた階段を上り、木の扉を開けると、お線香の香りがする店内へ。仏教に関する絵や置物、本が置かれ、仏壇の前ではロウソクの火がゆらゆらと揺れています。
席につくと早速「こちら、お通しの”食べられるお線香”です」 とパスタを揚げたサクサクした塩味のスナックが出てくるなど、ユーモラスな店員さん(お坊さん) も魅力的です。
先客は、女性3人組、男女3人組、カップル1組で、途中女性1名のお客様も訪れるなど、一緒に行くメンバーを選ばずとも楽しめる雰囲気があります。
メニューを開くと、見慣れたお酒の名前と共に「極楽浄土」「無限地獄」「灼熱地獄」といった坊主バーならではのカクテルが並んでいます。
「ノロけ話をしに来たのだから」と、ハブ酒やクランベリージュース、クアントロー、檸檬ジュースを合わせた「愛欲地獄」を注文。フルーティーな甘さとしっかりとお酒の旨みを感じる、思わずクラッとなりそうな美味しさです。
お坊さん相手に、とことんノロけてみた
カウンターの中にいらしたのは、浄土真宗本願寺派僧侶の藤岡善念さん。美しい僧侶を紹介する書籍、『美坊主図鑑』にも登場されている方です。
たけべ:たけべと申します。本日は恋人のノロけ話をしに参りました
藤岡さん:坊主バーは、人生の悩みを抱えている方がご来店されることが多いので、ノロける方は初めてです。どうぞよろしくお願いします
たけべ:自分が浮かれている自覚はあるので、厳しいことを言われるだろうと覚悟しています
藤岡さん:ははは
藤岡さん:今の方とお付き合いをするまでは、あまり恋愛はされてこなかったのですか?
たけべ:コンプレックスもあり、恋愛に対してポジティブな気持ちになることはあまりありませんでした
藤岡さん:今の彼と性格は合いますか?
たけべ:はい。出会って半年だとは思えないほど一緒にいると居心地がいいです
藤岡さん:ほぉ。ご縁があるんですね
たけべ:クラウドファンディングでお見合い相手を募集した当初は、新聞や雑誌に載るなど予想以上に反響が大きくて、知らない方から大量のメッセージが届くなど、泣くことが多かったです
藤岡さん:それは怖くもなりますね
たけべ:でも、今お付き合いしている方と出会った日に『この人と出会うためだったんだ』と思えて、視界がぱっと開けた気がしました
藤岡さん:すごい。素晴らしいじゃないですか
藤岡さん:特に言うことないですね(笑)
たけべ:……あれ?!今日は厳しいお言葉をいただく覚悟で来たんですが…
藤岡さん:たけべさんは、今までずっと浮かれてきた人ではないので。お話を聞いていると、本当にご縁のある方と出会ったんだなと感じます
たけべ:そう言っていただけると嬉しいです。出会いをつかむ為に大きく一歩踏み出した結果、やっと出会えた方なので
たけべ:ただ、結婚を前提にお付き合いしているので、いざ結婚となると、そんなに浮かれたことばかりではないとも思います
藤岡さん:そうですね。全部が全部上手くいくわけじゃないですからね。物事は、最後はプラスマイナスゼロになるような気がしています
たけべ:今あまりにもプラスが大きいので、このあとマイナスが来るのが怖いです
藤岡さん:今後やってくるマイナスは、お二人で乗り越えていけばいいんですよ。今幸せを噛み締めておられると、その先もきっと幸せが運ばれてくる、そんな気がします
恋人が『いるから幸せ』と『いなくても幸せ』という2つの自分
藤岡さん:何が起きるかわからないのが人生ですから、その時のために絆をきつく結んでおくことが大事かと思います
たけべ:感謝の気持ちを忘れないようにします
藤岡さん:そうですね。人間というのは、いい時は相手のいい面しか見えていないし離れませんが、問題が起きたときに本性が出ます。その時にどうするか。それも認めた上で一緒にいられるか
たけべ:浮気や嫉妬などの問題も、今後出てくるかもしれません
藤岡さん:彼がいなくても幸せを感じられるようになるといいかもしれませんね。 私は、この人が『いるから幸せ』と『いなくても幸せ』という2つの自分を持つことを意識しています。一緒にいる自分、独立した自分、そのどちらもいつでも描けるようにしておくと、強く生きていけますよ
藤岡さん:人に依存すると、相手が自分の意思とそわない時に怒ってしまう。人は思うようにはなりません。自分自身の心でさえ思うようにならないんですから。それをきちんとわかっておくと、それを越えた上での幸せというのをまたいただけるのではないでしょうか
たけべ:藤岡さんとお話ししたら、元気になりました。今日はありがとうございました
藤岡さん:お幸せに。なれますよ、きっと
美味しいお酒を飲みながら将来について考えるきっかけをくれる場所、「坊主バー」。厳しいルールは無く、気軽にお坊さんとお話しすることができます。
「浮かれることと、楽しみ感謝することは別ですよ」との藤岡さんの言葉を胸に、今日もTwitterにノロけ話をつづろうと思います。
今度は、恋人と一緒に「坊主バー」へ行こうっと♪
- 坊主バー
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東京都 新宿区 荒木町
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