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【明日3月20日春分の日】春のお彼岸は「おはぎ」じゃなくて「ぼたもち」って知ってる?

明日3月20日は春分の日。春のお彼岸は、春分の日を中日として、その前後3日間を合わせた期間を指します。そんな春のお彼岸が近づくと和菓子屋さんの店先に並ぶのは、小豆あんで包まれたあのお餅。

「え? おはぎでしょ?」「ぼたもちじゃないの?」。

同じ材料と形なのに「どこが違うの?」という人のために「ぼたもち」 と「おはぎ」の違いについてご紹介。

今年のお彼岸は、そんないわれを考えながら、味わってみると楽しいかもしれません。

棚からぼたもち? 幸運の象徴「ぼたもち」

思いがけない幸運が巡ってくること表す言葉に「棚からぼたもち」というものがあります。すなわち、労せずして手に入るものとして、昔の人が思い描いた幸運こそが「ぼたもち」。確かに、おいしくて甘い「ぼたもち」 が降ってきたら幸せですよね。甘いものが貴重だった昔ならなおさらのこと。

このように「ぼたもち」は日本人の生活に根付き、愛されてきた食べ物。お餅は「五穀豊穣」を表し、小豆は魔除けに通じるとされたため、日本の行事には欠かせないものでした。お祝いでふるまわれたり、法要のお供えにされたり。お彼岸でおなじみなのもそのためです。

では、「おはぎ」とはどう違うのでしょう。

実は基本的には同じ。季節によって呼び名や作り方が変わりますが、通称は「ぼたもち」です。 なぜ、同じお餅に「おはぎ」と「ぼたもち」という名前があるのか。それには、日本人ならではの風流ないわれがありました。

春は「牡丹」秋は「萩」・ 季節を彩る花が由来 「ぼたもち」と「おはぎ」

2つの違いは、その名前に大きなヒントがありました。漢字で書くと、「ぼたもち」は「牡丹餅」、「おはぎ」は「御萩」。春に咲く「牡丹」と秋に咲く「萩」。つまり、春と秋のお彼岸の頃に咲く花の名前をつけたのが由来だといわれています。さらに、牡丹は 大きくて丸い花、萩は小さくてやや細長い花であることから、「ぼたもち」 は大きくて丸い形、「おはぎ」は小ぶりで俵形にするのが本来の形だという説もあります。

現在では、こうした違いにこだわらないものも多くなり、地域によっても さまざまですが、季節の花が由来とは、風情を大切にする日本ならではのエピソード。春のお彼岸には、「牡丹」のあでやかで大輪の花を思い浮かべながら「ぼたもち」をいただくのもいいですね。

名物「ぼたもち」を食べくらべてみた!

春のお彼岸を前に、店頭に並び始める「ぼたもち」。定番の「粒あん」と 「きなこ」でも、お店によって風味や食感もさまざまな違いがあります。 春のお彼岸にむけて、「ぼたもち」の食べくらべをしました! 

仙太郎

全国各地の百貨店でもおなじみの京都の老舗和菓子店「仙太郎」。「仙太郎」の「ぼたもち」は「粒あん」「きなこ」「七穀」の3種が通年販売されています。「仙太郎」の「ぼたもち」の大きな特徴は、もち米にしそが入 っていること。「あんにしそ?」と驚きつつも口に運ぶと、甘さの中にさわやかな風味が広がり、なんとも美味! 新しいおいしさ新発見です!

左から、「粒あん」、「きなこ」各1個 260 円。見た目はオーソドックスなぼたもちです。

粒あんの中身。もち米の中にしそが!このしその爽やかで香り高い風味が、あんの甘さともち米のもちもち・つぶつぶした食感と合わさって、抜群のハーモニーを奏でます。

左は新宿伊勢丹の限定商品「桜ぼた」1 個 281 円(3月中発売)、右は定番の「七穀」1 個 260 円。

中には粒あんがたっぷり。もち米や雑穀の素朴な味わいと上品なあんがどこか郷愁を誘います。

鈴懸

九州を代表する和菓子屋の名店「鈴懸」。春期に登場する「ぼたもち」は 「粒あん」「黒豆黄粉」の2種。通年は「おはぎ」として販売され、春のお彼岸の時期に合わせ、「ぼたもち」と名を変えます。蒸したもち米のなめらかな味わいが魅力でした。

左から「粒あん」、「黒豆黄粉」各1個 227 円。あんももち米も柔らかめ。小豆の風味を残した甘さが、昔ながらのぼたもちの美味しさを伝えます。

やわらかなもち米を粒あんがしっとり包みます。

あなたはどんなぼた餅が好きですか?「暑さ寒さも彼岸まで」。本格的な春を待ちながら、おいしいぼたもちを味わってくださいね。

ライター/田久晶子 監修/三浦康子(和文化研究家) 

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