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銀座通に教わる 「庶民派グルメ発祥の店」で「元祖」を食べ歩き〜銀座はじめてストーリー〜

大人の街・銀座には、その歴史の長さと同じ分だけ、さまざなストーリーがあります。今ではすっかりおなじみとなったグルメの「元祖」が多く誕生しているのも、銀座ならでは。今回は、銀座通で知られる、Retty銀座エリアTOP USERの菅沼和弘さんおすすめの「庶民派グルメ発祥の店」をめぐりました。

TOP USER紹介

Kazuhiro Suganuma
Kazuhiro Suganuma
平日は銀座で実務をし、休日は首都圏各地で講師をしてる弁理士。飲歴20年のワインを、趣味を超え仕事に活かすのが夢。

生パン粉を使ったサクサクころもも、相棒のキャベツもここが発祥

元祖ポークカツレツ〜煉瓦亭〜

▲「元祖ポークカツレツ」1700円

銀座発祥グルメというと、一番に名前が浮かぶのが「煉瓦亭」。創業は明治28年。西洋料理の店として誕生以降、日本人の口に合う「洋食」を次々と生み出した、洋食屋の草分け的な存在です。

中でも代表的なのが「元祖ポークカツレツ」。

「当時は、コートレットといって、肉に細かいパン粉をつけて多めの油でソテーしていました。使う肉は子牛。ころもが脂っこくて日本人にはしつこかった。そこで、天ぷらのようにたっぷりの油で揚げるようにしたのが『元祖ポークカツレツ』。肉も豚肉にし、ころもに生パン粉を使ったのもうちがはじめてです」(社長・木田浩一朗さん)。

当時、生パン粉はなく、注文のたびにパンをひいていたのだとか。それまでの細かいパン粉と違い、ころもはサクサク。豚肉を使ったのもうけて、たちまち大人気メニューになりました。さらに、今や、カツの相棒として欠かせないキャベツのせん切りも「煉瓦亭」生まれだそう。

「もともとは温野菜を添えていましたが、日露戦争のころ、コックが兵隊にとられて人手がたりなくなってしまいまして。そこで手のかかる温野菜のかわりに添えるようになったのが、キャベツのせん切り。当時は生野菜を食べる習慣はありませんでした。ところが、添えてみたらさっぱりして揚げ物によく合うんです」(木田さん)。   
 
今や当たり前のスタイルとなったカツとキャベツの組み合わせが、人手不足解消の知恵から生まれたなんて! 次から次へと出てくるお話に、老舗ならではの歴史を感じます。

「西洋料理では、料理にはパンを添えるんです。でも、やはりご飯が欲しいという声が多くて、それでご飯のメニューを増やそうといろいろな料理を作りました」(木田さん)。

「元祖オムライス」や「ハヤシライス」など、おなじみのメニューも続々と誕生。「西洋料理」から「洋食」へ。日本人の好みに合わせ、新しい食文化が進化していったのだそうです。「元祖ポークカツレツ」のみならず、「洋食」発祥ともいえるお店。古き良き時代に思いを馳せながら、食事を楽しむのもいいですね。

▲「元祖オムライス」1500円 

四代目社長・木田浩一朗さん

豆腐の揚げ物が発想のもと。丸ごと1羽を使ったジューシーな「唐揚げ」

若鶏の唐揚げ〜三笠会館〜

▲「若鶏の唐揚げ」1100円

カリッと香ばしいころもにジューシーな鶏肉。「唐揚げ」は大人も子どもも大好きなおかずです。この唐揚げをレストランではじめて提供したといわれるのが銀座「三笠会館」。創業大正14年。現在では、日本料理、イタリアン、中華料理など、多くの店舗を展開する老舗です。

「『若鶏の唐揚げ』が誕生したのは昭和7年。中華料理の豆腐の揚げ物をヒントに作られました」(総料理長・河原敏彦さん)。

昭和7年といえば、食糧、物資ともに乏しい時代。三笠会館も開店した支店が経営不振となり、初代社長を中心に苦境を乗り越えるメニューを模索していたのだそう。そんな中、提案されたのが、豆腐などに粉をつけて揚げた中国の揚げ物。鶏を丸ごと使い、試行錯誤しながら伝統の味を作り上げたのだそうです。

「鶏肉は漬け込まずに、たれをまとわせてから片栗粉をまぶし、サクッと香ばしく揚げます。中はジューシーで外は香ばしい。マスタードとごま塩を添えるのも伝統です」(河原さん)。

三笠会館の唐揚げが特徴的なのは、すべて骨つきであることと、胸肉、もも肉、手羽の3種類の肉が使われていることです。

「鶏を丸ごとおろして作っているからです。これも昔から変わっていません。昭和初期は関東ではあまり鶏肉が手に入らず、牛肉よりも高価だったとも言われます。そんな高価な鶏肉を揚げるというのは、かなり斬新だったようですね」(河原さん)。

「若鶏の唐揚げ」は人気となり、「銀座といえば、三笠会館の若鶏の唐揚げ」と言われるほどに。やがて銀座の名物となりました。

「若鶏の唐揚げ」は、三笠会館1階の「イタリアンバール ラ ヴィオラ」で食べることができます。伝統の製法はそのまま。また、盛りつけられるお皿も当時のものを再現して作られているそうです。骨付きの唐揚げはぜひ手づかみで。骨付きならではのジューシーなおいしさが味わえます。

総料理長・河原敏彦さん

ヒントは酒まんじゅう。洋のパンと和のあんを融合させた、まさに和洋折衷

あんぱん〜銀座木村家〜

▲手前右から時計回りに「小倉」「桜」「うぐいす」「白」「けし」各162円

車も人も多く行き交う銀座の中心、銀座四丁目交差点。そのすぐそばに建つ「銀座木村家」では、午前中から名物「あんぱん」を求めるお客が絶えることがありません。ズラリと並ぶ数種の「あんぱん」はお客のオーダーに応じて次々と箱に詰められ、早くも空になっているケースも。すぐさま補充され、つやつやと美しい姿で並んでいます。

▲看板の「木村家」は山岡鉄舟の文字。

「実はビルの最上階にはパン工場があるんです。銀座店のパンはすべてここで作られているんですよ」(営業企画室上野仁さん)。

銀座のど真ん中にパン工場があるなんて! 焼きたてのパンから漂うよい香りが店中に充満しています。

「銀座木村家」のあんぱんが誕生したのは明治7年のこと。明治維新により時代が大きく変わってからわずか数年。西洋文化が急速に入ってきたものの、パンの普及はまだまだだったそう。また、イースト自体それほど出回っていなかったといいます。

「日本人が好きなパンを作ろうと試行錯誤しているときに、酒まんじゅうをヒントに酒種でパンを作り、中にあんを入れることを思いついたんです」(上野さん)。

新しい文化であるパンに日本人になじみ深い食品を融合させる。この試みがうけ、あんぱんはじわじわと人気になりました。そして翌明治8年のこと。親交のあった山岡鉄舟を介し、明治天皇に「桜」あんぱんを献上。八重桜の花びらの塩漬けが埋め込まれたあんぱんは明治天皇のお気にめし、それが広まるとあんぱんは爆発的な人気になりました。

「酒種も、他の材料も、配合も、大きさも、当時とほぼ変わっていません。あんぱんは定番の『小倉』『桜』『うぐいす』『白』『けし』に季節商品を合わせ、常時9種販売しています」(上野さん)。

「銀座木村家」のあんぱんは、やや小ぶりながら、手にとるとズシリと重い。また、酒種の香りが特徴です。定番5種類がセットになっている商品もありますが、基本は1個売り。大きなカウンターの前で、好みのあんぱんを好きな数だけ詰めてもらうのもお楽しみです。おやつにも手みやげにもなる銀座名物。銀座散歩に立ち寄りたいお店です。

営業企画室・上野仁さん

アメリカのドラッグストアからヒントを得た日本初のソーダファウンテン

アイスクリームソーダ 〜資生堂パーラー〜

▲アイスクリームソーダ(レモン)1130円

銀座通りでひと際目をひく深紅の東京銀座資生堂ビル。資生堂パーラーは、銀座を象徴するお店として、古くから多くの人々の憧れの場所。さまざまな文学作品にも登場する老舗です。

明治5年、資生堂は薬局として創業。その後、創業者の福原有信氏がアメリカでドラッグストアの店先でソーダ水を楽しむ人々を目にしたのを機に、明治35年に日本初のソーダ水とまだ珍しかったアイスクリームの製造販売を行う「ソーダファウンテン」を開設しました。

「創業者は本物にこだわり、機械一式と、グラス、ストロー、スプーン、シロップまですべてアメリカから直輸入したそうです。当時のフレーバーは20種類。かなりハイカラだったようですね。アイスクリームソーダも同時にこの地で誕生しました」(広報小番千栄さん)。

新橋の芸者さんが当時の一番の顧客。ソーダ水1杯に化粧品「オイデルミン」を1本景品でつけたのが大当たりしたのだそうです。

「アイスクリームソーダは、3階の『サロン・ド・カフェ』でお楽しみいただけます。定番のフレーバーは、レモンとオレンジの2種類。それぞれ、皮を煮出して風味をつけています。アイスクリームは、創業当時のレシピを今でも継承しています」(飲料長橋本和久さん)。

定番のほか、月替わりの「季節のアイスクリームソーダ」も人気だそう。6月は「メロン」。クラウンメロンを贅沢に使った香り高い味わいが魅力です。

▲6月のアイスクリームソーダ(メロン)1130円

「7月はブルーベリー、8月はマンゴー、9月はぶどうを予定しています。定番がやはり人気ですが、季節のアイスクリームソーダを楽しみに通われるお客さまも多いですね」(小番さん)。

客層の幅広さも老舗ならでは。子どものころに資生堂パーラーでアイスクリームソーダを飲んだ思い出を大切に、子や孫を連れて訪れるお客も多いそうです。「銀座に行ったら資生堂パーラーでアイスクリームソーダを飲む」。子どもだけでなく、大人にとっても、憧れの場所なのです。

飲料長・橋本和久さん

 
いかがでしたか? 歴史の重みに溢れる街、銀座。美味しいものを通じて日本の歴史をこんなに実感できるなんて楽しい限り。今度の週末にでもぜひ訪れてみてくださいね。

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