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連載:新たなる挑戦・日本のおにぎりを世界のonigiriへ

鮨屋の派手さはないけれど…おにぎり協会会長おススメ 地元から愛されている全国のおにぎり店

あなたにとって、「おにぎり」とはどんな存在ですか?

日本人にとって最も身近な食である「おにぎり」に着目し、2014年2月に一般社団法人おにぎり協会を立ち上げたのが中村祐介さん。前回はおにぎりの定義など、おにぎり雑学といえるアレコレを伺いました。

▶︎関連記事:具がおにぎりのおにぎり。日本最古のおにぎり。三角おにぎりは最近のもの?実はもっと面白いおにぎり話

さて、今回は…

おにぎり協会会長・中村祐介さん

おにぎり協会会長・中村祐介さん

地元で愛される「おにぎり店」は意外に多い

わざわざ行きたい!と言われる寿司屋はたくさんありますが、おにぎり店が注目されることはなかなかありません。

でも日本中のあちこちに、地元の方が足しげく通うおにぎり店があるんです!

そこで中村さんが注目の「地元で愛されるおにぎり店」を挙げていただき、注目ポイントを教えてもらいました。

創業昭和29年、東京で一番古いおにぎり専門店「おにぎり浅草宿六」(東京・浅草)

東京の下町・浅草で60年以上愛されている「おにぎり浅草宿六」は、まるで江戸前の寿司屋のような雰囲気。ショーケースに並んだ具材を見ながらおにぎりを注文し、白木のカウンター越しにザルに乗せたおにぎりを提供するスタイルです。

昼は気さくな三代目主人、夜は二代目の女将が、注文を受けてから一つひとつにぎりってくれます。浅草という場所柄、海外からの来店も多く、海外の有名誌から取材を受けることもよくあるそうです。

コメはコシヒカリを使用していますが、その年の出来により産地を変えるこだわりよう。海苔は江戸前、筋子は北海道、梅は紀州と、日本各地から厳選した食材を使う職人気質のお店です。(中村)

おにぎり好きの聖地と称される、リピーターの絶えない名店「ぼんご」(東京・大塚)

学生からサラリーマン、主婦から子どもまで、幅広い層に絶大な支持を受ける「ぼんご」。

その特徴は、何と言ってもおにぎりの大きさと種類の豊富さ。おにぎり1個のごはんの量は何と150g!と一般的なおにぎりの約2倍。

「物価が上がってみんなが苦しい時ほど、お腹いっぱい食べさせたい」という先代の想いから、徐々におにぎりが大きくなったそうです。

コメは創業以来、新潟コシヒカリを使用しており、具材は常時50種類以上。具材ダブルや具材同士の組み合わせも自由自在で、いつ何度来ても飽きません。メニュー自体の豊富さももちろん、「お客さんに満足してほしい」という気持ちが詰まったおにぎりが嬉しいお店です。(中村)

おにぎりにチーズをいち早く入れた北の大地の名店「おにぎりのありんこ」(札幌・中央区)

1980年創業、北海道札幌市の中心街に現在6店舗構える「ありんこ」は、道産子のソウルフード。創業時、スタッフが狭い店舗をあちこち動く姿からこの名がついたそう。

Madoka Kikuchiさんの投稿より

Madoka Kikuchiさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE01/ARE164/SUB43802/100000902705/5356458/

おにぎりは注文を受けてからにぎり、お腹がすいているときはジャンボサイズがオススメ。なんとごはんの量が約220gと一般的なおにぎりの倍以上!レギュラーサイズも150gと大ぶりで満足感があります。

18種類の具材のうち、不動の一番人気は「チーズかつお」。ありんこは、おにぎりにチーズをいち早く取り入れたお店としても知られています。たらこやすじこはとても貴重な北海道産を使用。これからの季節、体をあたためてくれる具だくさんとん汁もぜひ飲んでみてください。(中村)

希少な川場産コシヒカリを、思う存分楽しめる「かわばんち」(群馬・川場村)

関東道の駅人気No.1、群馬県川場村にある道の駅「川場田園プラザ」にある「かわばんち」では、食味コンテストで連続金賞を受賞する川場村産コシヒカリ「雪ほたか」でつくったおにぎりが食べられます。

作り置きはせず、注文をしてから握ってくれるスタイルは、できたてを楽しめる優しさ。価格は1コ250円程度で、一番人気は定番の鮭。雪ほたかはふわっとした軽さが特徴的で、口当たりがソフト。軽く3つくらい食べられます。

川場田園プラザにはほかにも楽しめる場所がたくさんあり、おにぎり片手に名物「山賊盛り」を味わうのも良いでしょう。これから秋の行楽、スキーシーズンにもぜひ訪れたいお店です。(中村)

店主とのコミュニケーションも味わってほしい「青おにぎり」(京都・左京区)

京都の銀閣寺近く、白川沿いにあるおにぎり店で、京都出身の店主がひとりで切り盛りしています。オープン当初は、京都市内でリヤカー販売するおにぎり店として話題になっていました。

スズキナナさんの投稿より

スズキナナさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE26/ARE116/SUB11503/100000315724/19044879/

お客さんとの交流を楽しむため客席をカウンタースタイルにし、注文を受けてからにぎります。

コメは福井県産イクヒカリを使用。炊飯には4升も炊ける大型の羽釜を使うのですが、1升ずつ小分けして炊くという繊細な仕事をしています。

高村昌稔さんの投稿より

高村昌稔さんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE26/ARE116/SUB11503/100000315724/8902534/

具材は20種以上で、定番の鮭や昆布から、じゃことピーマンをピリ辛に炒めた「青鬼の爪」や、するめとコチュジャンをあえた「赤鬼の身」など、京都らしいひと手間加えた創作おにぎりが楽しめるお店です。(中村)

出汁の効いた玉子焼きとイリコ味噌おにぎりを堪能「ショップたけざき」(高知・須崎市)

高知市から車で西に30分、鍋焼きラーメンで有名な須崎市にある「ショップたけざき」。オープンは朝4時と早く、早朝の仕事に向かう人も多く立ち寄ります。

店内に入るとすぐ目に飛び込むのは鮮やかな黄色の玉子焼き。玉子焼きのやさしい香りが食欲をそそります。おにぎりと分厚く切られた玉子焼きがセットになっているもの、さらに唐揚げやウインナーが入っているものも売られています。

おにぎり具材でオススメは「イリコ味噌」。香ばしく少し味の濃いイリコ味噌がおにぎりに合います。おにぎり2個と玉子焼き、お新香がパックに入ったセットで350円。出汁がしっかり効いていて優しい味の玉子焼きとおにぎりとの相性もバツグンです。(中村)

「きっとみなさんが住む地域にも、地元で愛されるおにぎり店があるはずです」と語る中村さん。あなたにもお気に入りのおにぎりの店はありますか?

次回は中村さんに「日本のおにぎりが世界のonigiriに。2020年世界に届けたいおにぎりの魅力」について語っていただきます。

ライター紹介

関克紀
関克紀
食と旅、街をテーマに活動する食生活ジャーナリスト。黒ホッピーと焼酎ハイボール片手に大衆酒場を飲み歩く。お米を中心に食のプロデュースを行なうTokyo Onigiri Labo代表。
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