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連載:どこかホッとする心の故郷・おふくろのいる店探訪

83歳のおふくろの味は、ずばりカレー。子ども時代が一瞬で蘇る追憶の味わいとは

贅沢な料理ではなくて、素朴な手料理が恋しくなる夜ってありますよね。そんな心温まる手料理を楽しめる、“おふくろ”がいるお店を尋ねる連載企画がスタートしました。

今回は、東京の九段下にある「カレーと食菜の店 ベル」へ伺いました。

おふくろの味といえば、肉じゃがや煮物が思い浮かびますが、意外に「カレー」ってめずらしいですよね。わかるようでわからない? いったい、どんな味わいなのでしょうか。

店内はカウンター席があり、おばんざいが並んでいます。奥にはゆったりとくつろげそうな座敷がありますよ。カウンターの奥から、笑顔のお母さまが出迎えてくださいました。

では、「1/2カレーライスと煮物盛り合わせ」を注文してみましょう!

お母さんがよそってくれたご飯に、息子さんがルーをかけてくださいます。

おお、これは懐かしい雰囲気を漂わせるカレーですね。たしかに、家で母が作ってくれた、家庭のカレーを思い出します。では、試食してみましょう。……うんうん、玉ねぎの優しい甘みが、口の中に広がります!

野菜とスパイスの深い旨味も相まって、ご飯がどんどん進みます。なるほど、辛すぎない仕上がりの味わいは、まさにおふくろの味です!

「スパイスは6、7種類使っていて、バターも加えています。お店を始めてから47年間、ほとんど変わらない味に仕上げているんですよ」と、お母さまの飯田良子さんが教えてくれます。

なんと今年で83歳だそうで、実にお若い!「ご飯は地元の銚子から取り寄せている新米です」だそうで、米粒が光り輝いていました。

「本当はあんみつ屋を始めたかったんですけど、近くに女学校がないからね。あんこを作るのも大変だし、お店の特徴を出さないといけないから。カレー屋を始めることにしたの」。ビジネスのこともしっかりと考えられて、今の形態になったのですね。

ちなみに、付け合わせの煮物は、しっかりとした味付けが特徴です。野菜の芯まで味が染み込んでいて、ご飯が進みます。柔らかい野菜を噛み締めていると、素材本来の甘みも舌に伝わってきて、まさに手作りの温かみを感じさせてくれますよ。

「花が大好きなんですよ。とってもキレイでしょ?」。窓際の観葉植物を見ると、実に生き生きと輝いています。「今日はこれから美川憲一さんの講演会に行ってくるの。区のイベントなんだけど、バスで行くのよ」と、とっても嬉しそう。

家庭的で癒される店内には、お客さんが命名したというメニューも貼られていました。

ランチ時の取材だったので、サラリーマンの方々も多く来店し、みんなから愛されているお店という印象を受けました。

店を後にすると、店頭にも可愛らしい花が咲き誇ります。地元に根付くステキなお店は、ずっとこれからも咲き続けてほしい。お客さんの笑顔が太陽となって、お店を照らし続けてくれるはず。お母さんの優しいまなざしと温もりに、癒やされてみませんか?

カレーと食菜の店 ベル
住 所
東京都千代田区飯田橋2-4-1 2F
電 話
03-3263-6398
営業時間
[月~金]11:30〜14:00、17:30〜20:30
定休日
土日
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