10月に入ると涼しさよりも、身が縮むような寒さを感じることも多くなりました。そんな季節にぴったりの新感覚のかき氷があるとの噂を聞きつけ、「夏が終わったのにかき氷?」と半信半疑でお店へ行ってきました。
今回取材したお店は、渋谷のNHKからほど近くにある「セバスチャン」。人気メニューの中から、今回は「フルーツグラタン」を注文しました。かき氷なのに、熱々のグラタン……!? まずは驚きの調理工程をご覧ください。
芳醇なソースとふわふわ氷の融合がおいしい!
調理中に表面を炙って焦げ目を入れていましたが、まさかこの中にかき氷が入っているとは思えない仕上がりですよね。では、試食してみましょう。
……こ、これは、驚きの感覚です!表面にかかっているサバイヨンソースの香ばしい甘みと、ふわふわな冷たい氷とが、舌の上でスーッととろけていきます。
※サバイヨンソースとは、卵黄や酒類、水などを温めながら泡立てたもの。フランスでは料理にも用いられている。
ほのかに洋酒のような香りもして、とても芳醇な味わい!キウイやブルーベリーなど、フルーツのフレッシュな果汁が、全体の印象をキリッと引き締めます。これはかき氷というよりも、メインディッシュに近いかもしれません。本当に贅沢なおいしさです!
さまざまな味わいのグラデーションが魅力
では、フルーツグラタンについて、店主の川又浩さんに伺ってみます。
−−芳醇なソースと氷との味わいは、初体験の感動でした。
「上にかかっているサバイヨンソースには、さくらんぼのキルシュというお酒を加えています。アルコールは飛ばしているので、お子さんでも大丈夫ですよ。また、その下にはフランボワーズソースが隠れているので、甘さの次にほのかな酸味を楽しめます」
−−フルーツの味わいも口の中に広がりました。
「ブルーベリーやバナナ、オレンジ、キウイなど、旬のフルーツを使っています。季節ごとに違ったおいしさが味わえますよ」
−−ふわふわとした氷の食感も印象的です。
「器の中の氷をナイフでおさえる際に、親指で固さを感じながら、優しく整えることが重要です。非常に繊細な手つきで仕上げることで、ふわふわな食感になります」
フレンチ出身の技術を生かす
−−どうしてこのようなかき氷を始めたんですか?
「2012年頃、友人に京都の祇園にあるお店を紹介されました。そのときにメニューを見て、ビックリしたんです。今まで知らなかったタイプのかき氷の写真が、たくさん並んでいました。自分はフレンチ出身なので、ソース作りなども得意です。それならば自分でもやってみようと思いました」
−−めずらしいタイプのかき氷です。
「当時はまだ、東京のお店にもありませんでしたね。そんなある日、かき氷専門の書籍からインスピレーションが湧き、『まるでケーキのようなかき氷にしよう!』と、テーマを決めたんです。おかげさまで夏には、1日で400個ほど売れるようになりました。これから訪れる秋や冬にも、いつも多くのお客さまに楽しんでいただいております」
秋が深まりつつある季節にこそ、食べたくなるかき氷。フルーツグラタンの醸し出す味わいに、初めての感動を覚えるはず!ぜひ、代々木公園に色づき始める葉を眺めながら、セバスチャンへ足を運び、芳醇なおいしさに癒やされてみませんか?
- セバスチャン
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- 住 所
- 東京都渋谷区神山町7-15 102
- 電 話
- 03-5738-5740
- 営業時間
- 来店前にTwitter(@hk_sebas)をご確認ください
- 定休日
- 不定休
- Sebastian
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東京都 渋谷区 神山町
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