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本当は…教えたくない!朝採れたての"デイゼロ(Day 0)レバー”が激ウマな恵比寿「ふじ屋」

――本当は教えたくない店。

心から美味しいと思える料理、居心地の良い空間、自慢したいが、人気が出て気軽に行けなくなるのは困る……そんなお店に向けられる、まさに賛美の言葉だ。

グルメ系記事では良く見かけるフレーズだが、数々の飲食店を食べ歩いてきた筆者も、当然ながら“本当は教えたくない店”がある。

東京都渋谷区恵比寿。最近では「恵比寿横丁」が話題で、昔から人気飲食店が軒を連ねるこの街に、筆者にとっての“それ”がある。もつ焼の「恵比寿ふじ屋」だ。

こちらのお店、ジャンル的にはモツ焼きの専門店。「モツ」とは牛や豚・鳥などと食肉用の家畜から採れる内蔵のこと。呼び名の由来は、臓物(ぞうもつ)の「もつ」から来ている。

恵比寿ふじ屋は、2017年5月にオープンしたモツ焼専門の新店。モツ焼屋といえば、串焼きをまずイメージするだろうが、同店は串焼き以外にも多様なメニューを揃える。中でもまず食べてもらいたいのが、数量限定の「レバ刺し」だ。

レバ刺しは、取り扱いの難しさから、今やあまり見かけなくなった料理のひとつ。レバ刺しファンにとってはレバ刺しが食べられるというだけでも垂涎ものだろう。

こちらのお店がレバ刺しを提供できる理由はこだわりの鮮度と、手間ひまかけた調理法にある。

▲店長の小島有史さん

▲店長の小島有史さん

恵比寿ふじ屋では、「デイゼロ」と呼ばれる、その日の朝にしめたもの、つまりしめてから“0日”のモツのみを使用している。一般的な食品流通を使わず、自分たちで自ら市場まで出向き仕入れてくるというこだわりで、鮮度の良いもの以外は一切使わない。

レバ刺しは、中心部の温度を75度に保ちながらじっくり加熱する「低温調理」を施し、外側の固くなった部分を削いで、柔らかい部分のみを刺しとして提供しているのだ。

その味は、全くといっていいほど臭みがなく、レバーの濃厚でクリーミーな旨味が、特性のごま油とともに口の中にブワッと広がる。同店では、他にもハツ刺しとタン刺しの2種類の赤モツの刺身が堪能できる。

レバ刺しのみならず、同店の「レバー」メニューは何を食べても舌を唸らせる。

たっぷりのネギを乗せた「ねぎれば」も、同店の人気メニューのひとつ。本来は串焼きメニューだが、ダイナミックな盛り付けのため、串から外した状態で提供されている。

これでもかと鎮座するネギと、レア状態のトロッとしたレバーは、食べた瞬間、口の中で真夜中のダンスを踊る。旨味、旨味、旨味…ネギを噛む度に鳴り響くシャキシャキ音は、まさにファンクのリズムだ。

そしてもうひとつ、絶対に食べ逃してほしくないものが「名物塩もつ煮込み」だ。

モツ焼屋の煮込みといえば、継ぎ足しの醤油や味噌味の濃いものをイメージするが、こちらの煮込みは全くの別物だ。ベースは塩味の和風だし。そこに大根と新鮮でぷりぷりなモツ、さらに大根おろしと青ネギが味にアクセントを加える。さっぱりでありながら、和の旨味が口いっぱいに広がる逸品なのだ。

この塩もつ煮は、言うならばモツ鍋のいいところだけを抽出した感じ。筆者は友人たちといくと、毎回1人1皿頼んでしまうほど魅了されている。

そして同店は、食べ物だけでなく飲み物にもこだわりをみせる。

▲写真左が「名物シャリキン生レモンサワー」、写真右が「生シャリサワー にんじんとオレンジ」

▲写真左が「名物シャリキン生レモンサワー」、写真右が「生シャリサワー にんじんとオレンジ」

写真右の「生シャリサワー」は、このメニューのためだけに使われる専用機械で、素材を繊維まで粉砕し、急速冷凍させたものを焼酎と合わせたオリジナルサワーだ。

写真は「にんじんとオレンジ」だが、そのほかにも「セロリとグレープフルーツ」や「トマトと紫蘇」といった野菜類が目立つ。これは、店長・小島さんのこだわりで、美味しさだけでなく、お客さんの健康も大切にしたいという思いからとのこと。

写真左の「シャリキン生サワー」も、凍らせたレモンのエキスが、シャキッと口の中を刺激し、これぞ喉越しという旨さで唸らせる。恵比寿ふじ屋は、飲み物にも一切妥協しない。

▲お通しの「生きくらげ」

▲お通しの「生きくらげ」

▲モツ焼のタレをつかった「もつ焼き屋のポテトサラダ」

▲モツ焼のタレをつかった「もつ焼き屋のポテトサラダ」

▲生のピーマンの食感がたまらない「自家製肉味噌マヨのパリパリピーマン」

▲生のピーマンの食感がたまらない「自家製肉味噌マヨのパリパリピーマン」

▲「串焼」左からハラミ・タン・ハツ・金針菜

▲「串焼」左からハラミ・タン・ハツ・金針菜

▲意外な組み合わせに箸が止まらない「アンチョビ豆もやし」

▲意外な組み合わせに箸が止まらない「アンチョビ豆もやし」

「ふじ屋」ブランドは、浜松町、神田に続き3店舗目。全て、店長の小島さんが立ち上げから行い、他の2店舗は、どちらかというと串焼きを中心としたメニュー構成であったが、恵比寿ふじ屋は皿のメニューが目立つ。

さらにモツ焼屋としては珍しく、洋食のテイストを取り入れたメニューが並ぶ。イタリアンでは定番のモツとトマトソースの煮込み「トリッパ」も、鮮度のいいモツを使っているだけに、間違いない納得の味わいだ。

そして、同店ではイマドキ女子のために「インスタ映え」を意識し、盛り付けにもこだわっている。

「アスパラのタルタル添え」は、店名にもなっている「ふじ」のように、アスパラがそびえ立ち、どっさりと降り積もる雪のようなチーズが印象的な一品。崩さず撮影するか、崩してダイナミックな画を撮るか悩むところも、女子の心をくすぐる。自家製のタルタルの味も文句なし。

恵比寿ふじ屋は、その他にも「九条ネギの浅漬け」や「ブロッコリーのペペロンチーノ」といった野菜のメニューが多く揃う。これもやはり、同店の「美味しく健康に」を意識したメニュー構成と言えよう。

そして締めにもこだわる。写真は女性に人気の「もつ焼屋の玉子サンド」だ。

カリッと焼き上げたパンの中に、特製の卵サラダとキャベツにソース。もはや説明不要の組み合わせだが、モツ焼屋でこれが食べられるというのも、またおもしろい。

その他にもドライカレーや、肉そぼろの乗ったTKG(卵かけご飯)など幅広い締めの一品があり、さらにはデザートメニューとして「甘酒のジェラートあずきかけ」も用意している。

ここまで読んだ人でお気づきの方もいるかもしれないが、筆者にとって恵比寿ふじ屋が“本当は教えたくない店”である理由は、ズバリ女性とのデートコースに使っているからだ。

モツ焼屋という、一見敷居が低いようなお店なのに、メニューは低カロリーで野菜も豊富、インスタ映えする盛り付けに、もちろん味は抜群に旨い。恵比寿というオシャレな立地で、ちょっとメイン通りから離れた場所にある。人知れず、女性をデートに誘うにはバッチリだ。

オープンから半年も経たずして、同店は既に大人気となっている。満席になることも多く予約は必須。何事も新鮮なうちに召し上がれ。

ライター紹介

黒宮丈治
黒宮丈治
1978年生まれ、福岡県出身。30種以上の職を渡り歩いた後、フリーライター/プランナーとして活動。取材&インタビュー記事を中心に、エンタメからグルメ、ビジネスまで幅広く執筆。食べ物写真を掲載したTumblrブログ・飯写はフォロワー12万人超のフォロワーを持つ。Yelpエリート。Instagramでの食べ歩きフォトのほか、自ブログでグルメ記事も更新中。 ・Instagramはこちら
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