プロレスラー鈴木秀樹「僕の体はエクレアでできてます」 きっかけは祖母の爆買い

はじめまして、この度「エクレアを紹介する連載」を始めることになりました、プロレスラーの鈴木秀樹( @hidekisuzuki55 )と申します。エクレアが好きです。

毎回ある「お題」を決めて、都内を中心とする洋菓子店で買えるエクレアを選んで、レポートしていきます。エクレアが本当に好きです。

僕のエクレア好きがプロレスファンに知られることになったのは、『プロレスラー写真名鑑号』(週刊プロレス増刊)発売後の2013年12月以降ですね。「好きな食べ物」の項目に、初めて「エクレア」って書いたんです。

エクレアは好きだったけど、それまで別に公にはしてなくて。ただ、これをきっかけにいくつかの“事件”が起きることになるとは、まったく予想もしてませんでした。

2度のエクレア襲撃事件

1つめの事件は2014年、新木場1stリングでの試合後、負けた僕がリング上に横たわっていたとき、デーモン植田(現:将火怒<まさかど>)選手が突然、僕の口にエクレアを詰めてきたんです。

え、その瞬間の気持ちですか? 

「あぁ、やっぱり美味しいな」ですね。

にしても、エクレアを準備してる気配もなかったし、そう広くない控室のどこに隠してたのかと不思議でした。見るからに悪い人たちなのに、良心的というか常識人というか、僕の口にエクレアを1個しか詰めてこなかったのも面白かったです。しかも、口に詰めるときも、優しくそっと差し込むみたいな感じでしたね。

この事件は、『週刊プロレス』の記事で「エクレア葬」と書かれたくらい、ショッキングな事件だったと思います。プロレス界において。

2つめの事件は、同じく2014年に初出演した、プロレス・格闘技情報番組『速報!バトル☆メン』(FIGHTING TV サムライ)で起きました。

番組スタッフが銀座コージーコーナーのエクレアを20個くらい盛って運んできたんです。

20個っておかしいでしょ。しかも、コージーコーナーのエクレアはクラシックな、昔ながらのエクレアで、けっこう太めで大きいんです。

放送中に5個くらい食べました。放送後、当時からよく参戦していた団体「ZERO1」の若い選手たちに分けに行きました。さすがにひとりで食べきれませんからね。若い選手たちは嬉しそうにしてましたよ。

え、その瞬間の気持ちですか?

「あぁ、いい仕事したな」ですね。

以後、エクレア襲撃事件は一度もありません。

きっかけは「祖母の爆買い」

僕がエクレアに目覚めたのは、地元・北海道に住んでいたときで、8歳くらいの頃。新さっぽろという街の近くに、祖母が住んでいて、弟とよく遊びにいってたんです。

祖母がとにかく“過剰”な人で、とくに食べ物に関してすごいんですよ。僕と弟が遊びにきただけなのに、シュークリームをデカい箱3つ分買って用意してるとか。

いなり寿司を作ってくれるのは嬉しいけど、いなりの皮からごはんがはみ出てるような巨大いなり寿司を20個とか。作りすぎ、用意しすぎなんですよ。

当時、祖母の家から道路を挟んで正面に不二家がありました。泊まりにいったとき、たまたま一緒に買いにいったんです。シュークリームの横に並ぶエクレアを初めて目にした僕が、じっとそれを見つめていると、祖母から「食べたいの?」と聞かれ、もちろんイエスですよね。

買ってもらえることになったはいいけど、ここでも祖母は過剰でした。僕と弟しかいないのに、エクレアを大量に買うわけです。

当時から乳製品ばかり食べてました。だから体が大きくなったんじゃないか、って思ってます。現在身長191cm、体重110kgです。(※2017年11月時点)

エクレアの「硬さ」が自分に合っている

僕は2008年にIGFという団体からプロレスラーとしてデビューして、2014年からフリーランスとして活動しています。いわゆる新日本プロレスや全日本プロレスといったメジャー団体に行くことはありませんでした。

シュークリームとエクレア、メジャーとインディーで分けるなら、シュークリームがメジャー、エクレアがインディーだと思うんです。

「王道のシュークリームではなく、インディーのエクレアの方を好むようになった、というのも運命じゃないですか(ニヤリ)」、と本連載の構成を担当する池田園子さんから言われましたが、とくに深い意味はなく、単に好みの問題だと思います(笑)。

もともとチョコが好きなんです。あと、シュークリームへの不満もありました。がぶっと齧りつくと、中のクリームがピュッと飛び出しませんか? で、パンツの上にクリームがポトッと落ちたりする。あまりにも落ちちゃうので、一時期はシュークリームに先に穴を空けて、クリームを吸い切った後、皮単体で食べてたくらいです。その食べ方はすぐやめましたけど。

エクレアは生地が硬いんですよ。表面のチョコが固まってるし、カリカリした食感があるし、中のクリームがポトッとなることもない。まぁ、僕がシュークリームをもっと上手に食べられるようになればいいだけのことですね。

エクレアを思う存分、好きなだけ食べるようになったのは、上京して郵便局に勤め始めてからです。地元にいた頃はごちそう、という感覚はないけど、置いてあるお店も限られてますし、頻繁に食べる機会はなくて。

社会人になってはじめに住んだのは中野にある寮で、家賃がNHKの料金なんかも含めて月6000円だったんです。公務員だから初任給はあまり高くなくて、18万円くらいでしたけど、家賃が安すぎるのでお金が余るじゃないですか。そのぶん、エクレアにつぎ込んでました。

近くのコンビニからエクレアを全部買い上げることもよくありました。休日の前なんてゲームしながらひたすらエクレアを食べまくるんです。友人宅で家飲みをするときも、みんながつまみを買っていくなか、僕だけエクレアを5個くらい持っていったり。ひたすらエクレアばかり食べてました。

あと余談だけど、いま「週刊プロレスモバイル」で連載しているコラムのタイトル「じつはエクレアに飽きました」、これはウソです。本当は飽きてないです。この1年ほどずっと、練習後はプロテインの代わりにエクレアを食べてるくらいですから。

■鈴木秀樹選手の試合情報
【試合】大日本プロレス 東京・後楽園ホール大会
【日時】2017年11月21日(火)試合開始:18:30
【会場】後楽園ホール(東京都文京区後楽1-3-61)
【URL】http://www.bjw.co.jp/event_detail.php?id=1408
その他、直近の試合スケジュールは鈴木選手のTwitterからご確認ください!

プロレスラー

鈴木秀樹
鈴木秀樹
1980年2月28日生まれ、北海道北広島市出身。専門学校卒業後、上京。東京・中野北郵便局に勤務。2004年よりU.W.F.スネークピットジャパンに通うようになり、恩師ビル・ロビンソンに出会う。キャッチ アズ キャッチ キャンを学び、2008年11月24日、アントニオ猪木率いるIGF愛知県体育館大会の金原弘光戦でデビュー。2014年よりフリーに転向。ZERO1やWRESTLE‐1、大日本プロレスなどを中心に活躍。著書に『ビル・ロビンソン伝 キャッチ アズ キャッチ キャン入門』がある。

(構成/池田園子、写真提供/鈴木秀樹)

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