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プロレスラーが日替わりで店頭に!新宿のパワースポット居酒屋「エビスコ酒場」

ライター紹介

池田園子
池田園子
フリーの編集者/記者。女性向けメディア「DRESS」編集長。著書に離婚経験後に上梓した『はたらく人の結婚しない生き方』など。プロレスが好きで「DRESSプロレス部」を作りました。

かつて、「会いに行けるアイドル」として活動していたAKB48。「会いに行ける◯◯」はファンが対象を身近に感じ、親近感を抱き、ますます好きになる――そんな要素を持っています。

プロレス界にも、「会いに行けるプロレスラー」がいます。厳密には、試合を観に行けば「会える」と言ってもいいのかもしれませんが、もっと近くで会える機会があるんです。

人気プロレスラーたちが日替わりで店に立ち、料理を提供してくれたり、接客してくれたりする、そんな夢のような飲食店が存在します!

オーナーや店長もプロレスラーで、10人以上のプロレスラーが日替わりで店員として店に立っている…どう考えてもファンにとって天国でしょ!

どうも、プロレス大好き人間兼ライターの池田園子です。

▲ジムでのトレーニングの様子

▲ジムでのトレーニングの様子

プロレスに魅せられた筆者が、グルメ×プロレスをテーマに「戦う男メシ」を取り上げる本連載。現役プロレスラーや元プロレスラーが経営する飲食店を訪問し、「プロレスラーらしいがっつりメシ」をご紹介します。オーナー(または店長)であるプロレスラーへのミニ・インタビュー付きです。

さっそく、第3回目のお店を紹介させていただきます!

安くてボリューム感のある料理が揃う「エビスコ酒場」

今回訪れたのは、DDTプロレスリング(以下、DDT)に所属する現役レスラー、KUDOさんが店長を務める店「エビスコ酒場」。

新宿・歌舞伎町のど真ん中、新宿東宝ビルの向かいに佇む店。

地下へ続く階段を降りると、昭和レトロ感たっぷりな、なんとも落ち着く光景が広がります。

今年で8年目を迎えるエビスコ酒場を仕切るKUDOさんは、2001年にDDTでプロレスラーデビューし、今年でプロレスラー歴16年となるベテラン。

エビスコ酒場をはじめとする飲食店を運営するDDTのグループ会社、DDTフーズ代表取締役も務める、まさにプロレスラーと飲食店経営者、二足のわらじを履く人物です。

「2010年頃、前店長がいなくなってしまい、代わりに僕が店長を任されるようになりました(笑)。学生時代に飲食店のバイトをしていたり、2010年以前も、試合がない日はエビスコ酒場で働いていたり、と飲食の経験が長いので、まったく苦ではなかったですね。

店長になったぶん、店の運営にかける時間は増えますが、来店してくれるファンと直接触れ合えるのは幸せなこと。そして嬉しいことに、店長になったことで、パフォーマンスが上がりました。

来店してくれるファンが皆応援してくれて、その後押しのおかげだと思うんですが、2011年に7回目の挑戦でKO-D無差別級王座(※1)を初戴冠できたんですよ」(KUDOさん)

※1:DDTが2000年に創設・管理しているシングル王座。「King Of DDT」の略で、DDTにおける最高峰の王座とされる。

今回の取材以前に、エビスコ酒場を二度訪れたことがある筆者は、当時の店内の様子を思い出して、なるほどなと感じていました。店内はDDTのファン、DDT愛あふれる人たちでいっぱいだったから。

お客様も元気をもらえ、プロレスラーも来店するお客様からパワーをもらえ……なんて良い“気”にあふれた店なんでしょう……。

満足度100%超えてるよ……としか思えない「特製“エビスコ”丼」

そんなエビスコ酒場で、今回オーダーしたのは「特製“エビスコ”丼(以下、エビスコ丼)」(税込980円)。

店名が入っている通り、店としても自信作の一品で、オープン当初から人気を誇ります。

秘伝の「スコダレ」が豚バラ肉とごはんに、ちょうどいい塩梅にかかっています。甘じょっぱい香りが立ち上り、嗅覚をこれでもかと刺激してくるのがたまらない。

丼ぶりにどーんと盛られた、堂々たる姿で佇むエビスコ丼、早く食べたい。食べたいよ。でも、先にスコダレと肉について、説明を聞くことにします。

「“タレ”というと継ぎ足すイメージが強いと思いますが、スコダレは僕たちの研究の結果、『継ぎ足さないほうが美味い』となり、オープン3〜4年目頃から方向転換。継ぎ足さない方式で作っています。

肉は毎日、中央卸売市場食肉市場(芝浦屠場)に直接出向き、鮮度の良いものを買ってるんですよ。市場ではトラックの荷台に生きた豚がたくさん乗っているのを目にすることも。この後食肉になるんだよなぁ、と思いながら見つめてます…(笑)」(KUDOさん)

仕入れまでKUDOさんが直接担当しているとは……! 食材選びへの熱いこだわりが伝わってくる情報です。

ついに口にしたエビスコ丼は、厚いバラ肉がじゅわっとジューシー。脂が程よく乗っていて、口の中に肉本来の甘みが広がります。後で追いついてくる甘じょっぱいスコダレの味は、バラ肉とごはんを仲良しにさせる重要な役目。

女性の場合、3人ほどでシェアするのが推奨されている、見た目のボリューム感、食欲を刺激する香り、日本人が大好きな甘辛ミックスな味つけ……人間の各種感覚や欲を満たしてくれるメニューでした。

プロレスの話

ここからは恒例、プロレスの話。だって、プロレスラーの方と直接、お話する機会があるんですから、いろいろ聞きたい!

子ども時代のあるときまで、「プロレスなんてつまんない」という発想のクールな少年だったKUDOさん。ただ、プロレス好きな友人の影響で、一度テレビでプロレス中継を観たところ、すっかりハマってしまい、毎週欠かさず観るようになります。

「でも、テレビで戦っているメジャー団体に所属するプロレスラーは100kgくらいの大男ばかり。プロレス好きだけど、身長177cmと(プロレスラーとしては)小柄な自分は、プロレスラーにはなれないなと思い、代わりに大学で学生プロレスを始めました。

DDTとつながりができたのもその頃で、学生プロレスで使うリングを借りるなど、ときどき交流があったんです」(KUDOさん)

初めてプロレスを生観戦したのも大学時代。昨今は歌やダンスなどのエンタテインメント、お色気、強さ……あらゆる要素を持ち、イケメンレスラーからゲイレスラー、アスリート系レスラーまで、さまざまなタイプのプロレスラーが所属し、レベルの違うエンターテインメントで魅せるDDTですが、当時は「全然違った」とKUDOさん。

「今ほど洗練されてはいませんでした。ただ、僕がテレビで見ていたような体の大きなプロレスラーではなく、どちらかというと小柄なプロレスラーもたくさんいました。それを見て身近に感じたというか、学生プロレスをしていた僕らに近いなと思えたんです」(KUDOさん)

「王座陥落すると、僕以上に悲しむファンがいる」

プロレスラーなんて絶対になれない――そうどこかで諦めていたKUDOさんが、DDTの選手を生で見たことで、気持ちが変わり始めます。ただ、大学卒業前に、DDT社長・高木三四郎さんからDDT入団の誘いを受けるものの、当時は断ったといいます。

「現実的な話ですが、就職が決まってたので……(苦笑)。昔から、大学進学とか就活とか、皆がしていることは僕もしておきたい、という考えなんです。半年くらい勤めた後、やっぱりプロレスラーになれるならなりたい、と強い思いがあって退職。DDTに入団しました。

そうやって思いきったのは、プロレスと並行してやっていたキックボクシングの影響もあります。キックの仲間たちが格闘雑誌の誌面に出るようになり、自分もその道へ行きたい! 行こう! と気持ちが高まったんです」(KUDOさん)

2011年にKO-D無差別級王座のベルトを初めて巻いた後、何度かベルトを奪われ、防衛し……とハードな戦いを続けてきました。しかし、2015年夏、ベルトは他の選手に渡ってしまい、以来一度もKUDOさんの腰に戻ってきていません。

「ベルトを巻くと僕も当然嬉しいですが、僕以上に喜んでくれるファンがたくさんいるんです。同じようにベルトを逃すと、僕以上に悔しがるファンが大勢います。そういうファンの思いを背負ってがんばりたいし、僕がもう一度あのベルトを巻くところを見たい、と願ってくれるファンに恩返しもしたい。それが個人的な目標です。

同時にDDTという“チーム”としては、団体としてもっと大きくなることが目標。若いプロレスラーが食えるようになって、プロレスラーが子どもたちの憧れの職業になってほしい。そうすればプロレスを観る人、DDTを観る人も増えますからね」(KUDOさん)

KUDOさんのリング上での戦いを観にいこう!

KUDOさんのプロレス話で、最も印象に残ったのは、「プロレスはお客様との勝負でもある」という話。もちろん戦う相手は対戦相手ですが、同時に観客とも戦っている、というのです。

プロレスを観る者として、心を揺さぶってくるプロレスラーの試合は、確かに長く焼き付いて、自分の記憶から離れません。そんなファンの心や思いをプロレスラーはわかっているから、一試合一試合すべてに全力をかけます。改めてプロレスラーの皆さん、そしてKUDO選手へのリスペクトを抱く機会となりました。

とても穏やかな口調で、はにかむような笑みを見せながら、取材に応じてくれた爽やかなKUDOさん。リングの上ではキックボクシングで磨いた破壊力のあるキックをはじめ、観ていてスカッと爽快になる試合、技で魅せてくれます。エビスコ酒場、そしてDDTの試合会場に一度足を運んでみてください!

■エビスコ酒場店長、KUDO選手の試合情報
【試合】「ウチコミ!presents God Bless DDT 2017」
【日時】2017年11月23日(木)試合開始:12:00
【会場】後楽園ホール(東京都文京区後楽1-3-61)
【URL】http://www.ddtpro.com/ddtpro/41593/

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