東京都の多摩地区の中のターミナル駅、町田。
商業施設なども充実していて、新宿までも小田急線に乗れば30分程度と近く、ベッドタウンとしても人気の街。
そんな町田に美味しい料理とお酒を楽しめる、言うなれば「イタリア版赤提灯」の様な店があると聞き、出かけてみました。
町田駅から「オステリア デコ」へ
JR横浜線と小田急小田原線が乗り入れる駅、町田。
大きな駅で出口も多くありますが、目的地のオステリア デコは「東口」からのアクセスがいいようなので、まずは東口を目指しましょう。
東口へ向かう地下街は多くのお店があり、賑やか。
階段を上がると、東口に出ました。
東口を出たら右へ進みます。この道は「絹の道中央通り」
まっすぐ進むと「原町田中央通り」の信号が見えてきますので、渡りましょう。
信号を渡ると「109町田」が見えます。109町田を右手に見ながら、そのまままっすぐ進みます。
ここまで駅からひたすらまっすぐ5〜6分です。
左にセブンイレブンが見えたらその角を左へ曲がります。
まもなくして左手に見えました!こちらが目的地「オステリア デコ」になります。
暗い照明に赤い壁が印象的な店内。大きな商店街の通りからひとつ角を曲がっただけで静かで落ち着いた、まさに大人のための空間といった印象です。
オーナーの河内さんです。
河内さんに「オステリア デコ」の自慢の料理をご紹介いただきましょう。
器も食べられる!新感覚の「トスタダスサラダ」
こちらのサラダ。実はテーブルで自分で仕上げてから食べるサラダなんだそう。
一体どうやって仕上げるのでしょう?
よく見ると、木のボウルの内側にもうひとつ器のようなものにサーモンやアボカドが入っています。
「トスタダスサラダ」はメキシコのサラダで、トルティーヤを器に見立て、その中に野菜などの食材を盛り付けるもの。食べる時には、トルティーヤの器を砕きながら混ぜ合わせて食べるのだとか。
少し勇気がいりますが、思い切ってバリッといきましょう!
よーく混ぜた方が美味しいそうなので、しっかり混ぜ合わせて。
「スモークサーモンとアボカドのトスタダスサラダ」の完成です!
大きめに切られていたスモークサーモンやアボカドも程よく食べやすい大きさになってます。
流行のチョップドサラダのような感じですね。
アボカドとタルタルソースが入っているので、まったりと濃厚。直前に和えたトルティーヤはサクサク食感が良いアクセントになってます。スモークサーモンの入った贅沢なワカモレといった感じでしょうか?
これはのっけからビールが欲しくなっちゃうこと間違いなしです。
イカスミのコクが癖になる!「ヤリイカとブロッコリーのイカスミ煮込み」
真っ黒なインパクトのあるビジュアル。イカとブロッコリーをイカスミで煮た一品。
食べてみると、このビジュアルを良い意味で裏切る味わい!
イカは驚くほど柔らかい。そしてイカスミ独特の匂いはさほど感じられず、にんにくの香りと後からピリッとくる唐辛子が印象的。
イカから出る旨味にプラスして、昆布だしが美味しさの秘密なんだそう。料理を頼むと無料で付いてくるバケッドにのせて食べて欲しい。冷えた白ワインが恋しくなる味わいです。
コトコト4時間!「トリッパのトマト煮込み」はとろける旨さ
トリッパとは牛の4つある胃袋の中のひとつ。そのビジュアルから「ハチノス」とも言われています。
そのトリッパを何度も下ゆでした後、白インゲン豆とトマト、ハーブなどと一緒に4時間煮込んだもの。煮込んだ後に更にチーズをかけてオーブンで焼き上げています。
上にはレモンの皮のすりおろしとハーブミックスがのっています。
焼肉で食べるハチノスは弾力があるイメージでしたが、こちらのトマト煮込みは味が染み込んでいて、とろっとろ。濃厚な味わいをレモンの香りが爽やかにしてくれます。これは一度食べたらやみつきになる美味しさです。
大本命!?「ウニとチーズのニョッキ」はコスパ良すぎ!
グラタンのようなビジュアルのこちらの料理。
中央にのっているのは、間違いなくウニではないですか!!
690円でウニの入った料理が食べられるなんて、嬉しいを通り越して若干申し訳ない気持ちさえしてきます。
もちもちのニョッキに、生クリーム、卵黄、チーズの入ったソースをたっぷりかけて、ウニをのせて焼き上げています。
とろーりとろけるチーズに見た目でもうノックアウトしそう。
ニョッキにソースがよく絡んで、口の中はとろとろクリーミー。そして焼き上げられたウニは、生のものより水分が抜けているせいか、ぎゅっと旨味が凝縮されているように感じます。
しつこいようですが、これ690円って心配になってしまうんですが…そのあたりも含め、河内さんにオステリア デコについて色々お話を聞いてみました。
ほとんどのメニューが1,000円以下!ふらりと立ち寄りたくなる「オステリア デコ」の魅力
オステリア デコのメニューを見てみると、ほとんどのものが1,000円以下に設定されています。
それもどの料理をとっても、丁寧に手が加えられて、優しくてどこか懐かしいような美味しさがあるのです。
河内さんは、イタリア料理をはじめテックスメックス(南アメリカやメキシコ料理)など色々な料理の修行をした後、2008年に自身の店「オステリア デコ」をここ町田にオープン。10年目を迎えます。
店名こそイタリア語で居酒屋を意味する「オステリア」とついていますが、様々なジャンルの料理の修行をしてきた河内さんだからできる、イタリアンの枠にとらわれない、本当に美味しいものを提供したい思いが形になったのが、この店なのだそう。
飲食店が多く立ち並ぶ通りから一本曲がっただけで、全く雰囲気が異なる静かな通りにあるので、まさに知る人ぞ知る隠れ家といった感じ。
インテリアも先述の赤い壁やポスターなどおしゃれで、ヨーロッパの路地裏の小洒落た飲み屋に来たような気分になります。
低価格で提供できる訳は、もちろん仕入先など厳選したりといった努力もありますが、
例えば
ワインはこのように、説明しなくてもお客さんがワインを選べる様に、ボトルに値段と特徴が書いてあったり
ワイングラスをワインの種類ごとに新しいものに交換したりといったサービスはしないなどの工夫が。
小さなことの積み重ねが結果的に、低価格でより美味しいものを提供し、お客さんに喜んでもらえることに繋がると、河内さんは語ります。
「狭くてガヤガヤしている店ですが、味に妥協は一切ないんです。だからおすすめ料理はありません。全て心を込めて一生懸命作ってます。」と力強く話してくれました。
今回はディナータイムに提供されるメニューをご紹介しましたが、オステリア デコは500円で味わえるランチも大人気なのだそう。みんなの口コミを見てみましょう!
みんなの口コミをチェック
ボローニャミートソース(500円) 特盛にして600円!コスパ良し。 優しいミートソースで美味い
一度行ってファンになりました。美味しいですよー。雰囲気よし、コスパもよし、気遣いのある料理出し、店員さんも爽やかです。ぜひご予約してから行ってみてください。
平日はランチ、ディナー共に近隣で働く人の利用が多いそうですが、土日でもランチは同じく500円でパスタを提供しているのも嬉しい。
日曜日から木曜日は2時間の飲み放題(1時間半LO)がついて2,980円からのお得なコースがあります。
新宿からも電車で30分ほどの町田駅。わざわざ訪れる価値ありの美味しさですよ!
尾花の取材後記
河内さんの話の中で最も印象的だったのはお客さんとの距離感の話でした。
このタイプのお店はいわゆる常連客が多く、初めて訪れた人がアウェイ感を味わうことありませんか?河内さんは、何度訪れてくれても必要以上に声をかけず、程よい距離感で接することを心がけ、常連さんも初めての人も同じ様に美味しい料理とお酒、空間を楽しめる店作りにこだわっているのだそう。決して口数の多くない「THE 職人」といった雰囲気の河内さんですが、その料理には河内さんの優しい人柄が滲み出ている様に感じました。
- オステリア デコ
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- 住 所
- 東京都町田市原町田4-11-4 1F
- 電 話
- 050-5304-3687
- 営業時間
- [全日]ランチ:11:30〜15:00 LO14:30 ディナー:17:00〜24:00 LO23:00
- 定休日
- 月曜日
- Osteria Deco
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東京都 町田市 原町田
イタリア料理
ライター紹介
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尾花友理
- 給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談など経験したのち、料理研究家のアシスタントとしてレシピ開発、料理講師、テレビや書籍の撮影アシスタントなどとして活動。その後、レシピサイト運営会社において管理栄養士として調理や食の安全に関す業務などに従事後、独立