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連載:中国各省をご案内・旅する中華

いよいよ日本に「蘭州牛肉麺」の黄金期到来!自分流にカスタマイズできる至極の一杯

大家好!相変わらず中華ばっかり食べているアイチーです。

ライター紹介

アイチー(愛吃)
アイチー(愛吃)
「中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう〜」主宰。四半世紀ほど前、中国・山西省へ留学。滞在中、時間を見つけては中国大陸を東奔西走。帰国後現地で食べた味が恋しくなり、日本で懐かしい味を求めて中華を食べ歩く。日本でも楽しめる「地方菜(中国各地の郷土料理)」を紹介しつつ、読者のみなさんとワイワイ食べる会も時折開催中。

今回は、昨年の夏以降、中華好きやラーメン好きのみならず、注目度急上昇中の「蘭州牛肉麺」をクローズアップします!

今回ご紹介するお店はこちらの3店舗。

まずは蘭州牛肉麺が、今日の盛り上がりを見せるまでの道のりを振り返ってみましょう。

中国「蘭州」ってどんなところ?

中国西北部に位置する甘粛省の省都。市内を黄河が横断し、両岸に20キロ余りに街が広がります。

そんな蘭州には、「蘭州牛肉麺」の店がたくさん!その数なんと、3,000件以上と言われます。

甘粛省には漢族に次ぎ、回族、ほか东乡族(ドンシャン)、撒拉族(ラサール)、保安(バオアン/ボーアン)族といったイスラム信仰の少数民族がおり、彼らが食すのはイスラムの規律で許された清真(ハラール)食。

牛肉麺はその食生活に適し、朝食・昼食を中心に彼らの胃袋を支える大きな存在に。数多の牛肉麺店のなかにも、皆それぞれの"行きつけ"があるのだそうです。

蘭州における牛肉麺の存在の大きさは、蘭州を紹介するマストとして「蘭州三大名片」のひとつに挙げられるほど。
(ちなみに…一条河は「黄河」のこと、一本书とは中国の代表的な雑誌「読者」のこと、一碗面は「蘭州牛肉麺」のこと)

蘭州牛肉麺は、まさに蘭州の味の代表格なのですね。

中国全土、そして世界へ飛躍を遂げる蘭州牛肉麺

ササッと食べられて、安くて、旨い!の蘭州牛肉麺は、チェーン店の出現などで中国全土に広まり、各地でも人気の美食に。

中国商務部などの選定による、中国の十大ラーメンを選んだ「中国十大面条(蘭州牛肉麺の他、山西刀削面、四川担担面、北京炸酱面、河南烩面、武汉热干面、吉林延吉冷面、杭州片儿川、昆山奥灶面、镇江锅盖面)」にも選出され、蘭州を代表する味から、中国を代表する味に!

さらに、世界の華人コミュニティでも愛される"故郷の味"に飛躍してゆきます。

そうして広まった蘭州牛肉麺と一人の日本人が、北京で出会い魅了されます。

のちに蘭州へ赴き、本場の技術を修得し、ついに昨夏、日本に"正宗蘭州牛肉麺"が日本上陸。これが、神田神保町の「馬子禄 牛肉面」ですね。

詳しいご経歴などは、開店当時に多くのメディアに取り上げられよく知られており、連日の大行列でも話題にのぼりました。

いよいよ日本に「蘭州牛肉麺」の黄金期到来!

神田神保町の「馬子禄 牛肉面」の登場により、日本でも蘭州牛肉麺は一気に注目の的に。

「蘭州牛肉麺」が、新たなマーケットとして関心が集まったと同時に、訪日外国人客の増加に伴う、ムスリムへの対応需要が増加の一途である現在の情勢も、蘭州牛肉麺急成長の大きな要因のひとつと考えられます。

来たる2020年、東京オリンピックも控え、今後さらに蘭州牛肉麺店をはじめとする中華の清真(ハラール)料理店が増えてゆきそうですね。

カスタマイズが魅力の蘭州牛肉麺を注文してみよう!

蘭州牛肉麺の足跡を辿りました。さて、いよいよお店へGO!

「蘭州牛肉麺ください!」と告げたあとは…なんと麺の形と太さを選べます!

池袋「火焔山 蘭州拉麺店」内のパネル

池袋「火焔山 蘭州拉麺店」内のパネル

西川口にある「蘭州料理 ザムザムの泉」は、6種類の中から、好きな太さを選択OK!
6種それぞれの違いを簡潔にまとめた写真付きシートが用意されています。

本場蘭州では、これらがさらに加わります!

1:円形麺
(細い順に)毛细(直径0.5〜1mm)→细→三细→二细→一细→二柱子(5〜7mm)

2:平麺
(細い順に)韭叶(幅5mm程度;韮の葉くらい)→薄宽→宽→大宽→皮带宽(30mm〜40mm;ベルトくらい)

3:三角形麺
荞麦棱(そばの実の形)

などに細かく分かれます!スゴい種類だなぁ。
形と太さを決めると、手延べ技術を持つ厨師が、その都度麺を作ってくれるのです!

他、牛肉の量や辣油や香菜の要不要を伝えます。
こうして自分用にカスタマイズされた、好みの一杯を作ってゆくのです!

麺を作る過程をご紹介!

・和面・・・生地を作る
・醒(餳)面・・・生地を寝かせる
・吊面(溜条)・・・こねる、引っ張る、台に打つ
・拉面・・・引っ張って麺状にする
・煮面・・・茹でる

特に、引っ張って麺状にする「拉面」は高い技術を要します。

今回登場する3店舗はいずれも麺職人がいて、注文の都度、席からよく見えるところで、あっという間にあらゆる太さの面をシャーっと作り上げます。
その様はまるでマジック!

待っている間に…蘭州牛肉麺を起源を学ぶ

池袋「火焔山 蘭州拉麺店」の壁には、ズバリ蘭州ラーメンの起源を紹介した大きなパネルがかけられています。

もしこちらへ行った時は、パネルを読みつつ、清代の蘭州に思いを馳せながら、麺が運ばれてくるのを待つのもいいですね。

好みの正宗蘭州牛肉麺を見極める、5つのポイント

さぁ麺が運ばれてきました!蘭州牛肉麺には5つのポイントがあり、それが、「一清、二白、三红、四绿、五黄」です。それぞれの意味がこちら。

1.一清(清らかに澄んだ牛骨牛肉スープ)
2.二白(良いスープで煮込まれた大根)
3.三红(スープを引き立てる辣油)
4.四绿(彩りと味のアクセントとなる、香菜やにんにく芽)
5.五黄(高い技術を要する黄味がかった手延べ麺)

これら5つのポイントをじっくりと味わいながら検証しましょう。

各店舗それぞれ、異なる特徴を持ちます。蘭州を旅するように、"マイ行きつけ蘭州牛肉麺店"を見つけてください!

スープの後半、黒酢と辣油で「味変」もまた良し!

牛骨・牛肉・10種前後の豊富な漢方スパイスを煮込んで作られた、スッキリとしながら、味わい深い澄んだスープ。
3店舗とも、辣油を少し掛けた状態で運ばれてきます。

まずは、混ぜる前にピュアなスープを味わいます。
次は混ぜて辣油をなじませて味わい、さらに後半は、卓上の黒酢や辣油を加えてよく混ぜ、味の変化を楽しむのもおすすめ。

黒酢は一度に量を注がず、ちょこっとずつ加えるのがコツ。牛スープのコクを感じつつ、黒酢の効果で後味はスッキリしますよ。

おすすめトッピングは蘭州人のスタンダードである◯◯

牛肉スライスや香菜の追加トッピングのほか、蘭州人が実際によく追加するのは、牛肉スライスと煮卵。

名付けて、「肉蛋双飞(ロウダンシュアンフェイ)」。

西川口「ザムザムの泉」では、蘭州牛肉麺、牛肉スライス&煮卵を「肉蛋双飞ザムザムセット」として、セットメニューを提供。

「ロウダンシュアンフェイ!」で注文を締めくくることができたアナタは、旅人を超え、蘭州の住人ですね!

現在の蘭州牛肉麺の盛り上がりは、今回挙げた3店舗に留まらず、横浜や大阪にも増えるなど、まだまだしばらく続きそう。

すでにに蘭州牛肉麺ファンな人、噂は聞いているもののまだ食べていない人・・・
みなさん、今回ご紹介したこちらをガイドに、蘭州牛肉麺をぜひ食べに行ってみてくださいね!

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