芸能人も行きつけのお店が多くある街、麻布十番。
老舗の名店からおしゃれなカフェやダイニングまで、古い店も新しい店も数多くあり、ここに来ればきっと自分好みの店が見つかる、麻布十番はそんな街です。
そんな麻布十番に、旬食材を使った本格和食を味わえると評判の店「麻布春秋」があります。
どんな旬の味に出会えるのか、楽しみに訪れてみました。
麻布十番駅から「麻布春秋」へ
東京メトロ南北線、都営地下鉄大江戸線の麻布十番駅の4番出口からスタートです。
4番出口を地上に上がると、目の前にコーヒー屋さんがあります。
コーヒー屋さんの左の細い道を進みましょう。
とにかく飲食店が多い街。訪れる度に新しいお店がオープンしている気がします。
ここはドラマの撮影などにもよく使われている「パティオ十番」です。
なだらかな坂を上がって
カメラ屋さんが目印の、最初の道の角を左に曲がります。
間もなくして右側に、1階に花屋さんが入るビルがあります。
このビルの地下1階に「麻布春秋」があります。
木をふんだんに使った温かみのあるインテリア。
本が積み上げられた壁はおしゃれなカフェのよう!
料理長の鈴木さんです。
麻布春秋では、春・夏・秋・冬と季節によってメニューが変わるそうですが、今回は冬の旬の食材を活かしたメニュー(2月末まで)をいくつかご紹介いただきました。
ごろっと大きなあん肝が贅沢!「あん肝のグリル 帆立と蕪のすり流し」
素敵な和食器に盛り付けられたあん肝のグリル。
あん肝といえば、冬の味覚「あんこう」の肝臓のこと。その味わいの濃厚さから「海のフォアグラ」とも呼ばれ、高級珍味とされています。
そんな高級なあん肝をこんなに大きく贅沢に!
上には水菜、千切りにした大根や人参などが盛り付けてあり、帆立と蕪のすりおろしの汁がたっぷりとかかっています。
とろ〜っと濃厚なあん肝としゃきしゃきした野菜の食感が口の中で一緒になります。蕪がすりおろされているので、汁があん肝によく絡みます。
鈴木さんによると、あえて「違う食感」を加えることで、主役のあん肝を引き立たせているのだそう。なるほど、奥が深い!
帆立の旨味もしっかりあるのに、あん肝と口の中で合わさっても喧嘩せず、2倍…いや3倍も4倍も美味しくなるのが不思議。
これは良く冷えた日本酒と一緒に味わいたいですね。
皮はパリッと中はジューシー「比内地鶏 炭火焼」
こちらは秋田県のブランド鶏「比内地鶏」をシンプルに焼き上げたもの。
見るからに皮目がパリッとしています。
断面はほんのりピンク。
完全に火を通し切る前に火からおろし、余熱で火を通し、提供する前にもう一度皮目だけパリッと焼き直す一手間を。そうすることで、生ではないけれど、火を通しすぎない絶妙な焼き加減に仕上がるのだとか。
シンプルな調理法こそ腕の違いが出るもの。これぞ熟練のなせる技ですね。
柚子胡椒をつけていただきます。
皮はパリパリ、中はしっとりジューシー。それでいて、肉の食感は柔らかすぎず、噛むと鶏の旨味が感じられます。
周りに添えられた野菜も、味が濃くて本当に美味しい!
こちらは「金美人参」という黄色い人参。人参特有の青くささはなく、甘味が強い人参です。
「安納芋」です。ねっとりしていてとっても甘いのが特徴です。
鶏肉も野菜も、素材の味がストレートに味わえる一品です。
こちらの比内地鶏の炭火焼は年間を通して提供しているメニューだそうなので、いつ訪れても楽しむことができますよ。
旬の美味しさがぎゅーっと詰まった「ずわい蟹の土鍋飯」
目の前にどーんと置かれた土鍋。
蓋を開ける瞬間のワクワク感がたまりませんよね!
蓋を開けた途端に広がる蟹の香り。色鮮やかな蟹の身とツヤツヤに光った米粒!
早速しゃもじで天地を返してみると…
待ってました!期待通りの美味しそうなおこげが!
茶碗によそい、いただきます。
蟹の味が濃い!今まで食べてた蟹飯とは格段に違うのです!!どうしてこんなに濃い味わいに仕上がるのかを鈴木さんに尋ねてみました。
実はご飯を炊く「だし汁」の取り方に秘密があるのだとか。
蟹は焼くことで断然香りが良くなるため、まずは蟹を殻ごと焼き、その後ことこと茹でて旨味の詰まった「だし汁」を取り、その「だし汁」で炊き上げているのだそう。
その上、そのだし汁をとった蟹はもう旨味が出てしまっているため使わずに、別のずわい蟹をのせて炊き上げているというから、なんとも贅沢ですよね。
おこげの香りが香ばしく、食欲をそそります。美味しすぎて、箸が止まらないっ!
冬の時期はずわい蟹の他、牡蠣、金目鯛などの土鍋ご飯も。春にはたけのこ、はまぐりの土鍋ご飯もメニューに加わるそうなので、季節ごとに違う味に出会うことができますよ。
味・空間・サービス全てが満足
接待やデート、家族の集まりなど人目を気にせずゆっくり落ち着いて食事を楽しみたい時は、個室がおすすめ。(個室利用料として別途1人1,100円がかかります)
「ここぞ!」という特別な日には、赤を基調とした高級感漂う個室を予約すれば、さらに贅沢な気分が味わえそうですね。
また、麻布十番という場所柄もあって、外資系企業や大使館で働く外国人のお客様も多く、宗教的な理由やベジタリアンのため食べられない食材がある人などもいるのだとか。そんな場合は、メニューにないものもでもできる限り応えてくれるそう。もちろんアレルギーや好みによる対応も可能なので、予約の際に相談してみてくださいね。
お酒の種類も豊富で、日本酒は10種類、ワインは100種類(4800円〜)常備。グラスワインも赤5種類、白5種類(800円〜)あるので、色々なワイングラスを飲み比べするのも楽しそうですね。
まさにこの空洞は、大人の隠れ家
地下にお店があることもあって、知る人ぞ知る大人の隠れ家といった雰囲気の「麻布春秋」。
1,000円代で楽しめるランチも好評で、ランチはママ会などの利用が多いそう。夜は良いワインと旬の食材を楽しみに来店する40代のお客さんが中心なのだとか。
様々なシーンで活躍してくれそうなお店ですね。
気になるみんなの口コミをチェック
少し暗めの店内にソファ席なども有り、落ち着いてゆっくりお食事がいただけます、料理もとても素材にこだわっていて、どれも美味しく頂きました、中でも牛カツは絶妙な火の入り加減で、とても美味しかったです、5種類の魚のカルパッチョも美味しかったです。色々なシーンに使える良いお店だと思います。
和がメインで、お肉もお魚もお野菜もとても美味しいお店。 素材の味を大切にしているのがとても伝わってくる。 白身魚とアオサのフリットがお気に入り。 季節の料理が多く、栗ご飯が食べれたのも嬉しい。 大人でお洒落なお店だが、緊張することもなく、居心地がとても良い。 今回は個室で利用したが、他の席も良さそう。
和食というと、特に若い世代は、価格やマナーなど敷居が高いイメージがあるかもしれません。ですが、こちらのお店は、スタッフの皆さんも気さくな雰囲気なので、緊張せずに訪れることができるのが嬉しい限り。
「安い」とは一概に言えない価格帯ではないかもしれませんが、味・雰囲気・サービストータルで考えると決してコストパフォーマンスは悪くないと自信をもっておすすめできます。
大事な人を連れて行ったり、記念日や自分へのご褒美。そんなシーンで利用するのにおすすめのお店です。ぜひ訪れてみてくださいね。
尾花の取材後記
「美味しい」には素材の良さはもちろん、目に見えない手間がかかる。
料理長の鈴木さんにお話を伺う中で、そんなことを痛感しました。
昨今、和食離れが進んでいると懸念されていますが、本当の和食の美味しさを知ればきっと和食が好きになるはず。
和食を食べに行く機会があまりない人に「和食の入り口」として選んでもらいたい、そんなお店です。
- 麻布 春秋
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- 住 所
- 東京都港区麻布十番2-9-7 DIONEビルB1F
- 電 話
- 050-5304-2664
- 営業時間
- [月~金・土・祝・祝前] ランチ:12:00〜14:30 LO14:00 ディナー:17:30〜23:30 LO22:30
- 定休日
- 日曜日
- 麻布 春秋
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東京都 港区 麻布十番
和食