牛丼、カツ丼、親子丼…みんなが大好きな丼。
日本の食文化「丼」は、和食ブームにのって海を渡り、世界中でも食されるようになってきています。
そんな丼の中でも忘れてはならない代表格が、「天丼」。揚げたてのサクサク天ぷらと甘辛いタレ、ご飯の3つが口の中で一つになるその味わい。想像しただけでたまりませんよね。
「美味しい天丼を、より多くの人に食べてもらいたい」。その一心で天丼を作り続けているお店があります。
その店の名は『下町天丼 秋光』。
一体どんなお店なのか、早速訪れてみましょう!
浅草駅から下町情緒を感じながら『下町天丼 秋光』へ
『下町天丼 秋光』は、天ぷらの老舗も多く立ち並ぶ街、浅草にあります。
最寄り駅はつくばエクスプレスの浅草駅。こちらを利用すれば、徒歩1分程度で店に着きます。
ですが、今回は利用者数の多い東京メトロ銀座線、都営浅草線の浅草駅からのルートをご紹介します。
東京メトロ銀座線の浅草駅の改札を出ると「お神輿」がお出迎え。
「浅草にきたーっ!」という気分を味わうため、まずは記念撮影。
一番出口を目指して地上へ上がります。
地上に出ると正面に「雷門入口」と記された商店街が並んでいますので、そのまままっすぐ進みましょう。
するとすぐ右側に「雷門」が見えました!
雷門といえば、まさに「浅草のシンボル」ですよね。この日も寒い中、多くの観光客が写真撮影をしていました。
そのまま雷門の前を通り過ぎ、ひたすらまっすぐ進みます。
先述したとおり、この雷門通りにも天ぷらの老舗感漂うお店がありますが、それ以外にもすき焼き、そば、鶏料理など歴史のありそうなお店が立ち並んでいます。さすが浅草!
5分ほどまっすぐ進んだら、「すしや通り」というアーケードがあります。その角を右へ。
天丼屋の行き方を説明をするのに少々言いにくいのですが、すしや通りの入り口は「天丼 てんや」が目印です。
すしや通りを進み、3個目の角(おせんべい屋さんが目印)を右へ。
左側に見えました、ここが目的地の『下町天丼 秋光』です。
『下町天丼 秋光』が入るのは、ショッピングやグルメを楽しめるお店が入る「ROX・3G」。
雷門のある東京メトロ・都営地下鉄の浅草駅からは少し歩きますが、つくばエクスプレス開通で駅が近くにできたこと、また落語で有名な「浅草演芸ホール」の前にあることもあって、人通りがありとても賑やかです。
店内はテーブル席、お座敷合わせて35席。木を多く使用しており、和風でありつつモダンな雰囲気です。
AKIMITSU TRIBE株式会社の代表を勤めつつ、自らも厨房に立って天ぷらを揚げる料理人でもある谷原秋光さんです。
早速谷原さんに『下町天丼 秋光』自慢の天ぷら・天丼をご紹介いただきましたよ!
想像を超えた!「紅生姜の天ぷら」
焼きそばや牛丼の脇にのせられていることの多い「紅生姜」。そんな脇役の紅生姜を主役にしたのが「紅生姜の天ぷら」です。
生ビール(500円)と一緒にいただきます。
紅生姜は脇役なんてバカにしてごめんなさい。
衣のサクッサク感が半端ない!そして、紅生姜特有のシャキシャキした食感は、天ぷらにしても健在。そしてピリッとした辛さがビールによく合う!紅生姜の味が少し染みている衣が美味しい。
これはクセになる味!それも150円とは嬉しい限り。
おかわりしたくなりましたが、この後もまだまだ天ぷらが控えているので、我慢…
職人の技術が光る!「小海老・貝柱・白魚のかき揚げ」
見るからにサクサク感のあるかき揚げ。
かき揚げって自分で作ろうと思っても、中がべちゃっとしたり、油の中でバラバラになったりとなかなか難しい。やっぱり、こうしてお店で揚げたてを食べるのが一番。
箸を入れて切り分けようとすると、「サクサク」といういい音が!音入りで紹介できないのが残念です。
具材は小海老、貝柱、白魚と海鮮づくしの豪華版。
口に入れた瞬間、衣のサクサク、海老のプリプリ、貝柱のしゃきっと感、白魚の柔らかさが一気に押し寄せてきます。つまりは口の中が「わ〜、なんか幸せ」。
とにかく、このかき揚げが300円とは。お得すぎです!
いよいよ登場!圧巻のボリューム「五代目天丼」
満を辞して、看板メニュー「五代目天丼」が登場。
天ぷらの中身は季節によって変わるそうですが、冬の今の季節は、穴子・海老・牡蠣・タコ・子持ち昆布・野菜の6種。丼の中に所狭しとのせられています。
何から説明したらいいのかわからないほど、様々な魅力が詰まった天丼なのですが、まずはやっぱりそのボリュームから。
「すごい」としか言いようがない。
角度を変えて見てみましょう。
この一本穴子。はみ出しすぎじゃないですか?サクサクに揚がっているからこそ、このまま形を保ってはいますが、見たところ20cmは優に超えています。
色々な角度から一通りボリュームを確認したら、いよいよ個々の具材を見ていきますよ。
サクサク衣の中に包まれた穴子はふわふわに仕上がっています。
こちらは穴子の骨を揚げたもの。ポリポリしていて、スナック感覚で食べられるからビールのお供にぴったり!
続いて海老。やっぱり天ぷらの主役といえば「海老」ではないですか?
穴子に負けないほど大きい海老は箸で持ち上げるのがやっとなくらい、重い!こんなに太くて大きい海老がのってたら、テンションも上がりますよね。
続いて、天ぷらの具材としては珍しい「牡蠣」。牡蠣フライはよく食べますが、天ぷらで味わうのは初めて。
旨味がぎゅーっと詰まった大粒の牡蠣。中の牡蠣はジューシーなのに衣がサクサクなのが不思議。
「たこ」も大きく切られて身も厚い!決して硬すぎず程よい食感です。
こちらも天ぷらの具材としては珍しい「子持ち昆布」。断面からもプチプチが見てとれます。
この子持ち昆布の天ぷらは『下町天丼 秋光』の人気メニューなのだそうですよ。
冬野菜の蓮根。「しゃきしゃき」と「もちもち」の合わさった食感がいい感じ。
最後の一口まで飽きのこない美味しい「丼たれ」とは
さて、ここまで天ぷらの話ばかりしてきましたが、美味しい天丼を決める大事な要素として「丼たれ」と「ご飯」 を忘れるわけにはいきませんよね。
甘辛い丼たれが染み込んだご飯は、それだけで美味しいもの。
丼にあう米を色々試した結果、旨味・甘味・粘り・歯ごたえなどバランスの良い「あきたこまち」 を選んだのだのだそう。
そして『下町天丼 秋光』の丼たれは、口に入った瞬間際立つのが「出汁」の香り。醤油は後から香り、塩分も甘みも強すぎず、まろやかです。最後のひとくちまで飽きずに美味しく食べられるのが大きな特徴。
この『下町天丼 秋光』ができるまでのお話を谷原さんに伺ってみました。
高校生のアルバイトが社長になるまで
「まかないに天丼食べられるからアルバイトしない?」そんな友達の誘いで、気軽に老舗天ぷら店でアルバイトを始めた谷原さん。
はじめは皿洗いやホールを担当していたそうですが、徐々に任せてもらえる仕事の幅が広がり、いつしか厨房の仕事を手伝わせてもらえるようになったのだそう。
負けず嫌いの性格もあって「他の人より上手にできるようになりたい!」そんな風に思いながら働くうちに、なんと100年以上続く老舗天ぷら店の五代目に抜擢されました。
10年以上もの間、行列の絶えない老舗の看板を守り続けた後、2015年に独立しこの地に『下町天丼 秋光』をオープンさせました。
自分の店を出す際に頭にあったのは「老舗には老舗にしかできないことがある。自分の店は自分の店にしかできないことをやるしかない!」そんな想いだったそう。
秋光の天丼を世界の天丼へ!
そこで谷原さんは、世界に「秋光の天丼」を広めることを決意。
『下町天丼 秋光』はオープンして3年足らずにも関わらず、アジアを中心に世界に12店舗展開しています。。しかも世界の12店舗のどこに行っても、ここ本店と同じ味が味わえるというから驚きです。
当然のことながら、全ての店舗で谷原さん自らが天ぷらを揚げることは不可能です。
そして国が違えば、「水」も「熱源(ガスや電気など)」も違う。その上スタッフは現地で雇ったメンバーばかり。そんな環境で、どうしたら自信を持ってお客さんに食べてもらえるのか。
そこで谷原さんは、海外の店舗を開ける際にも自ら厨房に立って試行錯誤した経験を活かし、サクサクの天ぷらを揚げることができる「天ぷら粉」を開発。この天ぷら粉を使えば、少し訓練をすれば、外国人スタッフでも本店と変わらない天ぷらを揚げることができるようになったのだそう。
また、美味しい天丼の要である「丼たれ」もセントラルキッチンで作り真空の状態で海外の店舗に送るという方法で、「秋光クオリティー」を保つことを可能にしました。
それも一心に、「美味しい天丼をより多くの人に食べてもらいたい」から。
2月にはここ『下町天丼 秋光』から歩いてすぐの場所にお酒と天ぷら、その他肉や魚も楽しめる天ぷらバルをオープン予定。今後も海外の店舗も増える予定もあるそうで、谷原さんの活躍の場はまだまだ広がりそうです。
みんなの口コミをチェック
「土手の伊勢屋」で五代目を襲名した谷原 秋光さんが 浅草に進出して暫くなりますが、オープン時はサクッと入れていたけど天麩羅激戦区ならではの行列がやっぱり始まってますよね。 行列が出来る前に頂けて良かった。(笑) カラッと揚げたてに上質なタレ纏った天丼は最高に美味しかったです。油も良いのかモタレる事はありません。 少食女性が完食出来る量の天丼「天丼すみれ」もあるので安心。 私は普通の大きさを完食しましたが。(笑)
前から気になっていたこちらのお店にランチ訪問。午後1時半過ぎだったので店内は三組ほどのお客でした。 今日はかき揚げが食べたくて来たので「かき揚げ天丼」¥2.300を注文、どんぶりから溢れんばかりの直径20cm以上もあるサクサクに揚げられたかき揚げが乗って着丼 、海老・イカ・貝柱・白魚が絶妙な火の入れ方で衣はサクサク天種はふわふわプリプリで最高のかき揚げでした(^-^) 今度は名物「五代目天丼」を食べに伺います。 ごちそうさまでした(^-^)
様々なシーンで楽しんで
単品のメニューにある好みの天ぷらを選んで300円プラスすれば、自分好みのオリジナル天丼を作ってもらうことも可能。それなら子供からお年寄りまでみんなが楽しめそうですね。
浅草という土地柄、観光客をはじめとして、おひとりさま、家族づれ、デート、など様々なシーンに利用できる『下町天丼 秋光』。
ぜひ美味しい天丼を食べに出かけてみてくださいね。
尾花の取材後記
今回、美味しい天丼はもちろんのこと、谷原秋光さんの天ぷらの話をする時の笑顔がとても印象的でした。
「どうしてそんなに嬉しそうに話すんですか?」と質問をしてみると「今まで色んなところで天丼食べてきましたけど、うちの天丼より美味しいところ、他にないんですもん!」と谷原さん。自分の仕事を愛し、誇りを持って取り組む姿勢に感動しました。
これからも谷原さんと「秋光の天丼」の飛躍から目が離せません!
- 下町天丼 秋光
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- 住 所
- 東京都台東区浅草1-26-5 ROX3G 1F
- 電 話
- 050-5304-0955
- 営業時間
- [全日] 10:30〜21:00
- 定休日
- 無休
- 下町天丼 秋光
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東京都 台東区 浅草
天丼