「保留コーヒー」とは、温かい飲物や食べ物を必要としている誰かのために事前に料金を支払うというシステムです。
カフェでコーヒーを注文するときに、その場で飲まない分を一緒に前払いし、ホームレスなど貧しい人たちに提供する形です。
ある日私と友人は、小さなコーヒーハウスに入り、それぞれコーヒーを注文した。
テーブルにつこうとすると、二人の客がカウンターに向かい
「コーヒー五つ。三つは”保留”で」
と言ってコーヒー五杯分の支払いを済ませていた。
「コーヒーの保留って?」
「まあちょっと見てようか」
二人の女の子がそれぞれ一杯分のコーヒーを買っていった。
次に三人の弁護士が七杯のコーヒーを注文し、四杯を”保留”にしていった。
暖かい日差しの中、私はカフェの前にある広場の眺めを楽しみながら、コーヒーの”保留”について思いを巡らせていた。
すると突然、みすぼらしい服を着た物乞いの男がカフェのドアを抜け、店員に丁寧にこう聞いた。
「すみませんが、”保留”のコーヒーはありますか?」
−−それはとてもシンプルな答えだった−−
人々は、暖かい飲み物を買う余裕のない誰かのために”先払い”をしていたのだ。
英国で初めて「保留コーヒー」を導入したのは、ロンドン東部のカフェ「コーヒー7(セブン)」。価格は1杯2ポンドで、販売開始から4週間ほどで50杯ほどのコーヒーが「保留」された。
英国では消費者が積極的にツイッタ―などを通じて、大手コーヒーチェーンに保留コーヒーの導入を求め、スターバックスUKが2013年から保留コーヒーをスタート。
米国や英国、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、そして日本などで、保留コーヒーのフェイスブック・ページが立ち上がっている。
・イタリア発、コーヒーとピザで善意の連鎖:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130522/248442/
・保留コーヒー Suspended Coffee Japan
https://goo.gl/mJYiYZ
・2014年4月にオープンした「HIBIKI Café(ヒビキ・カフェ)」(埼玉県桶川市)でも、保留コーヒーを出しているそうです。
http://hitosara.com/0006043833/
http://tabelog.com/saitama/A1104/A110401/11036092/
・スタバも導入?できる範囲でできる善意を-「保留コーヒー」川崎サルデの試み | プンタ – PUNTA
http://punta.jp/archives/24317
・Suspended Coffees
http://suspendedcoffees.com
https://www.facebook.com/SuspendedCoffeess
※※当記事は下記より転載。