こんにちは! ライターの山口祐加です。
今年もあっという間にもう2月。バレンタインシーズンですね。いいお相手がいるにしろ、いないにしろ、チョコレートを食べる素晴らしい言い訳を与えてくれるバレンタインデー。
どれにしようか悩んでまだ買っていない…というあなた! 今がベストタイミングですよ。
というのも甘いものにあまり興味のない私が、とことん味とストーリーに惚れてしまったBean to Bar チョコレート「Minimal」を、全力でおすすめする幕が上がります。
※Bean to Bar(ビーントゥーバー)・・・カカオ豆を仕入れるところから、チョコレートになるまでの全ての製造工程を、ひとつの工房でおこなうこと。
今年は一味違ったチョコレートを楽しみたいという方へ、お届けします!
カカオ豆の個性を味わう「新しいチョコレート」
山下貴嗣さん(以下、山下)「まずMinimalのチョコレートをお話する上で、ぜひ味見をしてほしいです。
僕たちは“Minimal=最小限”という名前の通り、チョコレートの最小限の素材=カカオ豆の味を最大限に活かしたチョコレート作りに挑戦しています。
市販のチョコレートは、カカオ豆と砂糖以外にバター・ミルク・香料・乳化剤などが入った“足し算”の考え方で作られています。
一方Minimalは、カカオ豆そのものの個性を表現するために、カカオ豆と甜菜(てんさい)由来の砂糖以外一切入れない“引き算”の考え方で作っています。
それをちょっと頭に入れた上で食べてみてください」
(実食)
山口祐加(以下、山口)「す、すっごいおいしい…! はっきりと味の個性がありますね!
①はザクザクした舌触りがまるでナッツが入っているみたい。
②は食べる前から弾けるようなベリーの香りにそそられます。ワインに合いそう。
③は口の中で溶けていく途中に、ヒノキ風呂に入っているくらいヒノキの香りがしてびっくりしました(笑)。
カカオ豆と砂糖だけしか入っていないなんて、信じられません!」
山下「ありがとうございます!
今食べていただいた①がナッツ感のあるナッティーシリーズ、②が果実味のあるフルーティシリーズ、③が香りの特徴的なセイボリーシリーズというMinimalの板チョコシリーズです」
山下「先ほど説明したように、カカオ豆と砂糖しか入っていないので、原材料だけでみたら3種類全て同じです。何が違うかというと、カカオ豆です。
豆の個性を最大限引き出す『煎り方』『挽き方』『配合のパーセンテージ』を試行錯誤して決めています。原材料と基本的な作り方が同じでも、それらを変えるだけで味が全く変わります。
それからわざとザクザクとしたカカオ豆の食感を残すことで、噛めば噛むほど香りが口の中ではじけていきます」
山下「チョコレートは身近で、嫌いな人も少ないお菓子です。けれど、今までチョコレートといえば日常的に買う大手メーカーのチョコレート菓子か、バレンタインなどで非日常的に買う高級ブランドのチョコレートか、大きくはその2択でした。
Minimalはその2つとは違う「個性の異なるカカオ豆で選ぶ」という新しい選択肢を提示したい。嗜好品としてのチョコレートが文化になる世の中を、少しずつ作っていきたいと思っています」
世界中のチョコレートに触れて気づいたこと
山口「今までカカオ豆に注目したことはありませんでしたが、自分の好みに合わせて選ぶのって、こんなに楽しいんですね。そんなMinimalが生まれたきっかけはなんでしょうか?」
山下「きっかけは、コーヒーとワインのお店をやっていた友人が『コーヒー豆の代わりに、カカオ豆が手に入った』と変なことを言ってきて、そこで自家製のチョコレートを食べた体験です。
カカオ豆と砂糖しか入っていないのに、"オレンジの味"がして、すごく驚いたと同時に、これはおもしろいと思いました。
僕はそのとき会社を辞めようとしていたタイミングで、彼も店を閉じてチョコレートの仕事を始めようとしていたので、それなら一緒にやろうと話が進み、僕の大学の友人を誘って4人のチームができました。
その後すぐに、僕は世界中のBean to Bar チョコレートの製造者のもとを訪ねました。世界のBean to Bar メーカーの創業者の名前をFacebookやLinkedInで検索し、チョコレートについて教えてほしいと連絡したところ、ほとんどがフランクに返事をもらえましたね。
その年の5月から世界中のBean to Bar チョコレートを作る人に話を聞いてインプットし、8月末に帰国しました。チョコレートの世界でBean to Bar がトレンドになっていることを実感し、確実に日本にもこの流れがやってくると予想ができました。
そこで、意地でも次のバレンタインシーズンに間に合わせようと、猛スピードで準備し、帰国して4ヶ月の準備期間を経て12月にこの店をオープンさせました」
山口「4ヶ月で……!? すごいスピードですね。実際にその4ヶ月はどのような時間だったのでしょうか」
チョコレートの素人がわずか3年で世界大会で最高賞
山下「僕らは、何もかも全て素人からのスタートでした。まず、カカオ豆を仕入れようと思っても最初は何をすればいいのか全くわかりません。
そこで、カカオの国際品評会の上位の農園へ片っ端からメールを送り、返事がこなくてもとりあえず現地に行ってみる、つまりカカオの生産地へ“飛び込み営業”みたいなことをしていました。
それでやっと良いカカオ豆が見つかったものの、カカオ生産国の国内物流が海上輸送と同じくらい高かったり、農薬の問題にぶち当たったり、豆の保管倉庫が見つからなかったり……と、とにかくトラブル続きでした。
最初からうまくいったことはひとつもありません。言ってしまえば、全部失敗ですね。ツテも何もないし、潤沢な資金もありません。それでも、自分たちなりに仮説検証を行って、ゼロからのチョコレート作りを仲間と一緒にやっていきました」
山口「それだけ失敗していても、諦めない気持ちは何からきているのでしょうか?」
山下「何より『チョコレートを新しくする』というミッションを持ち、いいチームの仲間たちと食のスタートアップでおもしろいことをしたい気持ちが強かったんだと思います。
僕らのミッション『チョコレートを新しくする』は、次の3つに集約されます。
① 質の良いカカオを農家と共に作り「カカオ農園との関係性を新しくする」
② カカオ豆の個性を最大限活かし「チョコレートの製法と風味を新しくする」
③ 嗜好品としてのチョコレートを提案し「チョコレートの楽しみ方を新しくする」
これが僕たちが数々の試行錯誤の上にたどり着いた、Minimalの目指したい三方良しの関係性です。
失敗だらけの3年間を経て、昨年の10月に『インターナショナル・チョコレート・アワード2017』という世界最高峰の国際品評会で最高賞の金賞を受賞させていただきました。
過去、その部門で日本のブランドは1社も金賞を受賞したことがなかったので、立ち上げ3年で受賞した感動はひとしおでした」
山口「おめでとうございます!! 今日のお話を伺って、チョコレートが今までと全く違うものに見えてきました。最後になりますが、山下さんのお気に入りの食べ方はありますか?」
山下「Minimalのバレンタイン特設ページで、代々木上原の有名ビストロ・Pathの後藤シェフをはじめとしたプロがおすすめする、Minimalチョコレートの楽しみ方をぜひ見てみてください。
僕は、僕自身料理が全然できないので料理ができない男子でもできる簡単アレンジレシピを考えました。
例えば、この『チョコレートクリームチーズサンド』。
作り方は、ものすごく簡単なんですよ。友達が来た時に『チョコレートでオープンサンド作るね』って言えたら、めちゃくちゃオシャレじゃないですか?(笑)」
最後に
いかがでしたか?
何もないところから、失敗の連続を経てたどり着いたMinimalのBean to Bar チョコレート。チョコレートのプロフェッショナルではなかったからこそ、新しい楽しみ方が開かれたのだなと話を聞いていてひしひしと感じました。
そして何よりも、Minimalのチョコレートは選ぶのが楽しいし、個性的でおいしい!
バレンタインを言い訳に、味の食べ比べをして、お気に入りの個性あるチョコレートを見つけてみてくださいね。
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