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プロレスへの入り口を作りたかった--"方舟の天才"丸藤正道が生み出した「不知火カレー」

ライター紹介

池田園子
池田園子
フリーの編集者/記者。女性向けメディア「DRESS」編集長。著書に離婚経験後に上梓した『はたらく人の結婚しない生き方』など。プロレスが好きで「DRESSプロレス部」を作りました。

えっ、今何が起きた? 

「不知火(しらぬい)」というプロレス技を初めて目にしたとき、口がぽかんと開きっぱなしになったのを覚えています。

「不知火」を言葉で説明すると……相手の頭を肩に担いで、リングのコーナーを駆け上がり、空中で大きく円を描くようにして、後方へと大きく回転する。遠心力と自分の体重を利用して、相手の後頭部をマットに打ち付けて、ダメージを与える。

って、伝わりづらいですよね。動画を見るのが一番ですね。何度も見て目をパチパチさせると思います。こちらをご覧ください。


 

どうも、プロレス大好き人間兼ライターの池田園子です。

▲ジムでのトレーニングの様子

▲ジムでのトレーニングの様子

この「不知火」の名が付くカレーが都内で食べられるんです。考案者は「不知火」で魅せてくれる、プロレスリング・ノアの丸藤正道(まるふじなおみち)さん。

ずば抜けた身体能力や発想力から、「方舟(はこぶね)の天才」のキャッチコピーで知られ、プロレス界の中心にいる人物です。

▲プロレスリング・ノア所属のプロレスラー・丸藤正道さん

▲プロレスリング・ノア所属のプロレスラー・丸藤正道さん

それでは、第5回目のお店を紹介させていただきます!

不知火カレーを食べて、プロレスに興味を持ってもらえたら

今回訪れたのは、「グリドルズ バー(Griddle's Bar)TOKYO 赤蔵」(赤坂)。丸藤さんはこちらの店のオーナーのひとりとして、ときどき店にも顔を出しています。

「試合が続くときは、なかなか来られませんが、時間を見つけて来るようにはしています。Twitter( @noahmarufuji )で告知すると、ファンの方などが来てくださいますね」(丸藤さん)

丸藤さんがいるときもいないときも、ファンや仲のいいレスラー、芸能人などが来店するといいます。目当ては件の「不知火カレー」。

「昔からカレーが好きでした。プロレスラーという仕事柄、全国を回る(*プロレスラーは全国を巡業している、旅人のような側面もあります)ので各地でいろいろなカレーを食べてきたんです。中でも初めて食べたときに、本当に美味しくて、他の人にも食べてもらいたいな、と思ったのが『淡路島カレー』でした」(丸藤さん)

淡路島カレーに惚れ込んだ丸藤さんは、2014年夏に立ち上げた自身の会社、キュリオシフトの事業第1弾として、淡路島カレーにオリジナルのアレンジを加えた、不知火カレーの提供をスタート。

いちプロレスラーが飲食業に携わることで、プロレスにはなじみのない人にも不知火カレーを食べてもらい、プロレスに興味を持ってもらえたら、という狙いがあったといいます。

確かに何も知らずに食べた後、不知火カレーの成り立ちを知ると、「プロレスラーがカレーをプロデュースしてるの?」となりますし、「どんな人なんだろう? そもそもプロレス観たことないし、1回行ってみようかな」「丸藤さんの不知火を見たい」なんて展開になるかもしれません。

「言葉なんかいらねぇ」シンプルさで勝負する不知火カレー

ということで、不知火カレーを実食します。言葉はいらないくらいにシンプルながら、見た目のインパクトが素晴らしい。「レスラー飯」感がたっぷりです。

まず、ただならぬ存在感を示すのが、つるんと白く輝くチキンレッグ。

鶏肉といえば、レスラーの強靭かつカッコいい肉体を作る材料のひとつです。そのチキンレッグが丸々1本、大胆に乗っかっているのがいいですね。

盛り上がったごはんのてっぺんにはフライドオニオン。香ばしい香りが漂ってきて、これでもかと言わんばかりに食欲を刺激します。

最初に口にするのはチキンレッグ。スプーンでチキンレッグを切り裂こうとすると、するんと驚くほど軽い力で肉が切れるんです。ほろほろになるまで、時間をかけて煮込まれているためか、衝撃的なやわらかさ!

続いて、カリカリに揚げられたフライドオニオンとごはん、カレーをまとめて口に入れると、なんともフルーティです。カレーの脂っこさを感じさせず、さらさらとしていて、果物感があるのがなんとも不思議。

ちなみに淡路島といえば、玉ねぎの名産地のひとつ。温暖な気候で知られる瀬戸内海沿岸で育てられた淡路島の玉ねぎの中でも、糖度の高い玉ねぎを選び抜き、飴色になるまで4時間(!)かけて炒め、1人前に丸ごと1個の玉ねぎを贅沢に使用しているのが淡路島カレー。

玉ねぎの甘みをギュッと濃縮したのが、淡路島カレーの魅力なんですね。さらに、リンゴやバナナ、マンゴー、パパイヤなど、9種類の果物が溶け込んでいるのも、玉ねぎの甘さと掛け合わさって、フルーツ感を堪能できる味わいを作り出しているんでしょう。

その玉ねぎの美味しさをルーとフライドオニオンのWで味わえて、良質な動物性たんぱく質もたっぷり摂取できる不知火カレー。ランチタイムでも夜のバーでもいただけます。

プロレスの話。変わってきたプロレスリング・ノアとこれから

ここからはプロレス的な話を少し。丸藤選手といえば、2000年にプロレスリング・ノアが旗揚げした当初から団体に所属し、ノアの歴史をずっと見てきて、変化の波に乗ってきた選手のひとりです。

団体の創設者であり、トップレスラーとして活躍していた三沢光晴さんが2009年に亡くなった後、丸藤さんが副社長に就任。2016年秋には親会社が変わったこともニュースになりました。当時、「会社が変わるなんて」といったネガティブな声の方が多かったものの、丸藤さんは前向きなコメントを自身のSNSを通じて発表していました。

何かが始まるときは何かが終わるとき。 終わると言っても全て「終わり」では無いんだ。 人として一番大事な部分、偉大な先輩たちの「意思」は俺達は引き継いでいる。 誰が何と言おうとそれは俺たちにしかわからないものもある。 新たなるステージへのステップアップだと思ってほしい。 こういう時に憶測や噂で何かを断言するのが一番良くないしかっこよくない。 数ヵ月前にも言ったが俺たちは「前しか見てない」 「やらぬ後悔よりやる後悔」 まだまだ足りぬところだらけだろう。 でも足りないってことはこれから伸びる「可能性」を秘めてるってこと。 ピンチや逆境など現場やリングにいる人間が一番わかってる。 そして今わかってることは「ノアは進化する」 見ていてくれ。 なんか不安になる人もいると思ったので書かせてもらいました。 #noah_ghc #進化 #楽しみでしかない http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170206-00010000-teikokudb-ind

丸藤 正道 marufujiさん(@marufuji_naomichi_)がシェアした投稿 -

「いろいろなことがありました。一時期は厳しい時代もありました。危機感みたいなものが所属選手にも伝わり、それがお客さまにも伝わり、悪循環が生まれて……。でも、今は団体としてすごくいい雰囲気になっていますよ。

当時から残っている選手は今、僕と小川良成選手、杉浦貴選手の3人だけです。20代の若手選手や30代の中堅選手も増えていることから、昔のノアをそのまま体現することはもうできない。でも、そのぶん、新しいものを見せていけたらと思っています」(丸藤さん)

ノアの生え抜きレスラーである、21歳という若さの清宮海斗選手も、団体に新風を吹かせています。2015年に入門、練習生として9カ月過ごし、12月にデビューしました。最近では半年間の海外武者修行から帰国し、2月2日に団体の顔であり、大先輩にあたる丸藤さんと対戦。

結果は、丸藤さんの圧倒的な勝利に終わりました。当然、リング上では先輩後輩関係なく、手加減や情けがあるわけもありません。キャリア20年の違いを見せつけたのでした。

「気づけば僕も38歳です。清宮は21歳でまだ若い。チャンスときっかけに恵まれたとき、人はスポンジが水を吸い込んでいくように、自分にとって必要なことをものすごいスピードで吸収すると思うんです。ただ、すべての人にそんな時期が巡ってくるとは限りません。

もし、チャンスを手にした瞬間があったら、絶対に逃さずに自分のものにした人間だけが上にいけるんです。年齢やキャリア、状況によって吸収できるものは違うので、今の彼には“今だから吸収できること”を、確実に自分のものにしていってほしいですね」(丸藤さん)

トップに立つ人は皆、「人間力の高さ」がある

レスラーは強いからとか、技がすごいから、という理由だけでトップに立てるわけではない、と丸藤さんは言います。

ひと握りの優れたレスラーに共通するのは「人間力の高さ」だと。リング上も、リングを降りてからも、人として器の大きさを持つことが、トップレスラーに欠かせない要素だと。私個人は丸藤さんにもその要素を感じます。根拠はこの言葉でした。

「お客さんは7000円だとか1万円だとか払って、僕たちのプロレスを観にきてくれているわけです。普通に考えて高いでしょう。料金以上に楽しませないと、当然ダメですよね。僕は子どもの頃、『◯◯選手の技が観たいから試合を観にいく』みたいな考えを持っていたんです。

観る側から観せる側……逆の立場になった今、昔の僕みたいに思うお客さんの願いを叶えたいし、とにかく楽しませたい、という気持ちでこれまで続けてきたし、これからもその気持ちは変わらないですね」(丸藤さん)

丸藤さんは、プロレスにはエンタメ性が含まれている、と言います。日々鍛え上げている、強靭な肉体のレスラーが本気でぶつかり合う戦いである、というアスリートとしての要素がひとつ。リングに上がれるプロは、わずかな選ばれし者だけなんです。

そして丸藤さんの不知火のように、これもまたほんの一握りの人だけが授かった驚異的な身体能力と発想力、イメージを技として具現化する力を持ち合わせることで、観る者を沸かし、驚かせ、感動を与える……というエンタメとしての要素もあります。

丸藤さんはそのふたつの視点を持ち、現実に落とし込んでいるからこそ、自身が出場する試合を印象的な時間に染め上げられるのだと思います。

他団体を含め、年間約130試合もの戦いをし続ける丸藤さんの目には、どんな景色が映っているのか――。

「プロレス、というとすべての団体をひとまとめに捉える方もいますが、自分の好きな団体しか観ないプロレスファンは多いです。だから僕は、他団体や海外からのオファーをできるだけ受けるようにしています。

プロレスラー丸藤正道を知ってもらうチャンスですから。そうすればノアのことも知ってもらえて、まだ観たことがないという方も観にきてくれるかもしれません。

もうひとつメリットがあります。外に出て戦うことで、今のノアにはない何かを持ち込めます。同じ団体の選手同士で戦い続けていると、より精度の高い、良い試合はできます。

でも、それ以上の試合をしたり、新しいものを見せていったり、ということを考えると、外からの刺激を受け、団体に持ち込むことも大事なことなのかなぁと考えています」(丸藤さん)

ノアへの愛、プロレスへの愛にあふれる丸藤さん。一度、ご自身の目で丸藤さんの試合、わかりやすく、伝わりやすいプロレスで魅せてくれる、ノアの試合を観ていただきたいと願います。

■オーナー プロレスリング・ノア 丸藤正道選手の試合情報
【試合】「Navig Of Dash 2018」
【日時】2018年2月22日(木)試合開始:19:00
【会場】後楽園ホール(東京都文京区後楽1-3-61)
【URL】http://www.noah.co.jp/tour_detail.php?tour_id=1875

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