こんにちは、釣りアンバサダー中川めぐみです。
この連載では、ビギナーさんにこそオススメしたい「手ぶらで最高に美味い魚を釣って食べる」情報を全国の港からお届けします。
ライター紹介
冬の高級魚の代表といえば…そう、フグですよね!
寒い冬にはあのお皿の模様が透き通ってしまうほど美しい白身の刺身(テッサ)や、淡白なのにぷりっぷりで上品な甘みのあるふぐちりを、お腹おっぱいにいただきたい。
でも、普通にふぐ屋さんでいただこうとすると、とにっかく高いから二の足を踏んでしまいます。
そんななか、これまでも何度かお邪魔していた釣り船屋さんのHPを見ていたところ、『釣りもののご案内「フグ」』の文字が!
最近のお客さん(釣り人)の記録を見てみると、釣れている人はなんと1人で10匹以上釣っている。
しかも、釣ったフグは免許を持ったスタッフさんがきちんと下処理をして持ち帰られるようにしてくれるサービス付き。
男性は乗船料9,800円ですが、女性はなんと半額!!!
もちろん貸し竿などサービスも充実。初めてでもレクチャーするからご安心下さいとのこと。
これはもう、行かない理由がありません!
羽田近くの「えさ政釣船店」へ!
えさ政釣船店は羽田空港近くの天空橋駅から歩いて10分弱。こんな近場からフグ釣りに行けるなんてびっくりです。
船が数隻並ぶ小さな漁港にプレハブの小屋がたっていて、こちらで受け付け。
何も持って来ていないことを伝えたら、竿と仕掛け(ターゲットの魚に適した針や糸などの部品がセットされたもの)、そしてエサとして立派なエビの入ったパックを渡してくれました。
エビで鯛を釣る…ならぬエビでフグを釣る。高級魚は魚自体もグルメなのか・・。そんなことを考えていたら、船のスタッフさんが私の元へ。
竿の使い方から釣り方まで丁寧にレクチャー
フグは「引っ掛けて釣る」というのが基本で、魚がえさをパクッと食べたときに口に針をかけて釣るのでなく、エサに気付いたフグが集まって来たときに、エイヤッと竿を立てることでフグの体のどこかに針を引っ掛けて釣るらしい。
なんて原始的?というか斬新な釣り方!
集まって来たな〜というのは慣れるとわかるらしいのですが、慣れないうちは気付けないのが普通らしく、竿から糸を出してエサが底についたら(仕掛け・エサが底に着くと重みを感じなくなり、かつ糸が出なくなる)、数十秒数えてエイヤッと竿を立てるのを繰り返せばOKとのこと。
はじめてなので感覚がわかりませんが、まずはやってみましょう。
釣りスタート!
釣り場は天空橋を出発して50分くらいのポイント。
恒例の恵比寿さま(ヱビスビール)に大漁と安全を祈願したらスタートです!
ゆっくりエサを底まで落として、、エイヤッ!落として、、エイヤッ!!
繰り返すこと数分。
エイヤッ!ヤッ!ヤッ!ヤッ!?なんか、重い・・・!
ドキドキしながら糸を巻いていったら、
「わーーーーーー!何これ、デカい!!」
いきなりでっぷりした良いサイズのフグをGET!
まさかのビギナーである私が船で最初に大本命のフグを釣り上げました。
これには船長はじめスタッフさんも周りの知らない釣り人さん達もびっくり&大喜び。みなさんから祝福をいただいて気分絶好調!笑
「これは買ったら高いぞ〜。フグの中でも高級なアカメだぞ。」なんて言葉に調子に乗って、ますますエイヤッに気合いが入る私。
途中でなぜかデカ蛤の殻と、かわいいヒトデを何匹か釣り上げ、、隣のおじさんが釣ったアイナメを羨ましがり、、そんな間もがんばってエイヤッを繰り返したところ・・・
結果、でっぷりしたアカメフグを4匹もGET!!!
これは料亭で食べると10万円はくだらない量とのこと。
乗船料およそ5,000円くらいで10万円分のフグをGETできるなんて、これは最高すぎです!
大満足で港へ
釣ったフグは港への帰り途中に船上で専門スタッフさんが手早く処理。
本当に1匹数十秒。職人芸に惚れぼれします。
「本当によく頑張ったね!またおいで!」という親戚のおじさんみたいな温かいお言葉を船長たちにいただきながら船を後に。
そう、釣りも本番ですが、ここからもう1つの本番があるんです。
五反田「おまつり本舗」でフグ祭り!
やってきたのは五反田のおまつり本舗さん。
店主が大の釣り好きで、お店では店主の釣った美味しい魚がたらふく食べられます。
- おまつり本舗
-
- 住 所
- 東京都品川区西五反田1-29-3 五反田シティハイツ
- 電 話
- 03-3492-5887
1ヶ月ほど前にこちらで絶品の通風鍋をいただいたのですが、その際に「釣った魚を持込んでいいよ」と言っていただいていたので、さっそく持ち込んじゃいました。
こちらで大漁と安全な釣行が楽しめたことをエビスさまに感謝(ヱビスビールで乾杯)して待つこと少し、、さっそくきました!
バババーーーーーーン!!!
デカ皿にいっぱいの極厚テッサ!
透き通ってはいますが、なんと通常のテッサの3倍の厚みで切ってくれています。新鮮だから厚く切ってもお皿の模様が透けて見えるほどに透明なんだそう。
そんな極厚のテッサですが…やっぱり…1枚と言わず、ごそっといっちゃいましょう!
紅葉おろしとね、おネギを乗せてね、ポン酢をちょっとつけてね、、、
うっうまーーーーーーーい!!!
船では数日寝かせた方が美味しいよとアドバイスいただきましたが、いやいやいや、すっっごい美味しいんですけど。甘いんですけど。味わい深いんですけど。ぷりっぷりなんですけど!!
今まで食べたテッサで1番美味しい気がする…。これで寝かせた方が美味しいって、新鮮なフグの潜在能力に恐ろしささえ感じる。
こんな大量のテッサ、食べきれるかしら…と思いましたが(この日は友人を呼んで2人で食べました。)、もうぜんぜん余裕です。美味い美味い言いながら、一瞬で食べ尽くしてしまいました。
そんなテッサ祭りが終わったタイミングで店主が持って来て下さったのが、小さな網のコンロ。
もしや…と思っていたら、出ました!
フグの塩焼き!!!
シンプルに片面にサッと塩を振っただけの身。これをコンロでじっくり焼くのですが・・・
「店主!身が動いてるよ!!」
なんと絶命してから3時間ほど経った切り身が、ぴくっぴくっと動いている!
店主いわく、新鮮な身だから塩分に反応して反射で動いているんだとのこと。ちなみにテッサは動かなくなるように身の遷移を断ち切るようにさばいたため、箸で持ってもポン酢につけても動かなかったそうです。
改めて命に感謝しながら、その身が焼けるのをじっと待つ。徐々に香ばしい香りがじわ〜っと立ちこめてきて、これはたまらない!
最後に店主がそっとワサビを・・・ひゃー!!ガブッとその身を頬張ると、その身のジューシーさに感激!表面は焼かれて歯ごたえがありますが、まるで肉汁!?魚汁!?身から甘い汁が溢れてきます。
そこにワサビのつんとした香りが爽やかで…これは、もう・・・たまらん!!!
ここで店主が出してくるのが、山口県の日本酒「原田 特別純米酒 樽出あらしぼり」
そうですよね! フグといえば山口ですよね!!
メロンのようなほのかな甘みと、澄んでいるのに深い味わい…この日本酒も美味しすぎる! そしてフグに合うー!
フグも日本酒もぐいぐい進んで一瞬で完食&おちょこが空に。
大満足!と思っていると、次に店主が運んできてくれるのが・・・
フグちり!!
「フグは骨から旨味が出るから中火でコトコトじっくりとね」そう言ってガスコンロに火をかける店主。
あんなにテッサと塩焼きを食べて満足だったはずなのに…ダメ! 徐々に立ちのぼる香りを嗅いでたら、膨れてきたはずの胃袋にみるみる隙間が!!
ブシューーーー!と勢いよく湯気が立って、フグちりもついに完成! 蓋を空けると、そこにはツヤッツヤでぷりっぷりな身がギッシリと!
一切れ持つと、「お、重い!!」
そして食べると、、
「お、おいしいー!!!(涙)」
もう身がぷりっぷりのシャキシャキ! フグから出た出汁をフグの身が吸って……もう、フグですよ。すっごいフグ!!
一緒に入っていた白菜やネギもフグ! もうどれもフグ!! たまらないよー!!! 幸せすぎて泣きそう。。
そんな私を更に追いつめる「〆のうどん」
これまたフグの出汁を吸って美味しいー!!! 卵であますところなくフグの出汁を閉じ込めて、まさに、完・食!!
これは本当に10万円、いやそれ以上の価値があったと思います。
フグが食べたい! 一生に一度くらい食べきれないくらいのフグを贅沢に味わいたい!
そんな方は、ご自身で釣ってお店に持ち込んでみるという選択肢はいかがでしょう?
もしかしたら10万円分以上のフグが釣れちゃうかもしれません!
※おまつり本舗さんに魚の持ち込みをお願いする際は、前もってお電話でお店に相談してください。混雑状況などにより100%受け入れていただけるわけではありません。
※釣りは自然が相手なので、確実に釣れることを保証する記事でないことだけご了承ください。
- おまつり本舗
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- 住 所
- 東京都品川区西五反田1-29-3 五反田シティハイツ
- 電 話
- 03-3492-5887
- おまつり本舗
-
東京都 品川区 西五反田
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