いい酒場にはその店独自の「名物」がある。
そしていい酒場には、「自然と人が集まる魅力」がある。
そんな、2つを合わせもった酒場が、ここ名古屋にもあります。それが、名駅三丁目にある串専門店の「あさひ」です。
近代的なビルが立ち並ぶ、名古屋駅前からもほど近く、まるで昭和へタイムスリップしたような趣き。それもそのはず、元々旅館だった建物を改装しているため、その時の風情を今でも色濃く残しています。
暖簾をくぐり、扉をあけた先には、老舗大衆酒場にふさわしい、ノスタルジックでありながら、どこかアットホームな雰囲気が漂います。
そんなお店の雰囲気を作り出しているのが、こちらの名物女将!
着席するなり「お腹いっぱい食べていって!」と、はじめに出してくれたのがこちら、お店の名物「どて」です。
「どて」といえば、大阪のどて焼き(牛スジやホルモンを白味噌ベースで煮込んだもの)もありますが、ここは名古屋。名古屋のどて煮は、八丁味噌をベースにモツを甘辛く煮込んだものです。
なんでも名古屋では、「どて」といったら串に刺されたこのスタイルが一般的のよう。
そして注目していただきたいのが「どて」の串が入った大鍋!
これはインパクト大!まさに"酒場的インスタ映え"!!!
ひと串ほおばれば、その甘辛い味噌味の美味しさに、うん!ビールが進みます!
片手にひと串、そしてビールひと口と、無限ループのスタートです。
何本でも食べることができそうな名物の「どて」は、お客さんの注文と共に、次々と鍋から抜き取られていきます。新しい串の、鍋への補充もまさに神業。
味噌ダレがこぼれそうでこぼれておらず、時間の経過と共にちゃんと鍋へと沈んでいく仕組み。
さて、ペロリと「どて」を食べ終わり、続いてはこちら「串かつ」です。
早速ソースをつけていただきます。う〜ん!おいしいっ!
大きすぎない程よいサイズ感が、何本でも食べ進められてしまいます。
実はこの串かつ、もうひとつの食べ方があるんです。それは「どて」が入った大鍋に浸して「みそ串かつ」にする方法!
大鍋にひたひたと浸し、さらに味噌ダレをかけて・・・衣に味噌ダレが染み渡ります。
「どて」の旨味と串カツの旨味を同時に味わえるお得なひと串!これはたまりません。
まだ、2品目だというのに、あっという間にビールジョッキが空に。次もビールを頼もうかな〜と思っていると、隣のお客さんから「酎はい亭レモンがいいよ」と声をかけていただきました。
どこかノスタルジックな瓶のパッケージ!早速注いで、ひと口ゴクリ。
んーーーー!さっぱり旨い!そして意外と濃い!(アルコール度数は7%と少々高め)
味噌味の余韻に浸りながらも、口の中をスッキリさせてくれるので、これはまたまたどんどん食べ進められてしまいそう〜!
女将の「次は?いか団子は食べた?」との声に「いえ、まだです!」と、すっかり女将のペース。
おすすめされるまま、次々と串を平らげていきます。
こちらは「いか団子」。ん〜!このプリプリ食感と旨味は食べ応えがあっていいっ!
丁寧に焼かれた、皮の香ばしさがたまらない「かわ」もまた美味しい。
そして「うずらの卵」。食べやすいサイズ感に加え、ほくほくとした黄身のコク。
塩味が続いたところで「つくね」もパクリ!この甘辛味は、誰もが大好きな味です。
鶏肉ではなく、豚肉&ねぎの「ねぎま」。豚肉の旨味をねぎが吸っていい感じです。
と、ここまで串7種を制覇!
「きも」や「ほたて焼き」も気になりますが…女将!ここでストップさせてください!そろそろお腹いっぱいです。
ちなみにお店の串はすべて1本100円で、オーダーは1人前3本から。
この明瞭会計もうれしいポイントですよね。
老舗大衆酒場はお客さんの笑顔で溢れていた
来店時にはカウンターのみだったお客さんも、気がつけばテーブル席まで満席に!
おのおの串と酒を楽しみ、笑顔が絶えない様子が店内に広がっています。
カメラを向ければ皆さん、嫌がるどころかノリのいいこと!笑顔で応じてくれる気軽さに、こちらも不思議と笑顔になってしまいます。
名物女将と和気あいあいとしたスタッフの方…そして、訪れるお客さんの空気が、お店全体を心地よい空間へと作り上げていました。
ちなみに、2階のお座敷には80人ほどが入れるそうですよ!(2階の予約は10人から)多人数でもこの情緒漂う酒場の雰囲気を味えますね。
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"変わらない"が嬉しい、老舗酒場と名物の串。ここには、あったかさ感じる人の良さが、じんわりと染み渡る不思議な魅力がありました。ちょっと元気がほしいな…そんな気分になったらあさひへ。この美味しさと心地よさはクセになりますよ。
- あさひ
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愛知県 名古屋市中村区 名駅
串揚げ