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【号外】後楽そばが五反田に復活!もちもち太麺の焼きそばは、懐かしのあの味だった

後楽そばが復活した! その報せはTwitterのフォロワーさんからダイレクトメッセージで届いた。名店の閉店が続く昨今、実に喜ばしいニュースだ。

後楽そばをご存知ない方に説明しておこう。後楽そばは都内で展開していた立ち食いそばのチェーン店で、かつては歌舞伎町などに店舗があった。実は渋谷のラーメン王・後楽本舗も、「後楽そば 渋谷店」という位置づけだったりする。

▲名代 後楽そば 有楽町店

▲名代 後楽そば 有楽町店

そして特に有名だったのが、JR有楽町駅の高架下にあった後楽そば有楽町店なのだ。名物の焼きそばはファンが多く、24時間営業ということも手伝って、付近のサラリーマンのソウルフードと化していた。

かつては都内に焼きそば専門店などほとんどなく、ソース焼きそばを売りにする店自体も数が限られていた。焼きそばの旨い店という企画があれば、あぺたいと、若月、福ちゃん、そして後楽そば有楽町店が定番だった。

そんな貴重な一軒だったのだがJRの耐震工事に伴い、2016年5月27日を以って閉店した。ネットには嘆きの声が飛び交い、大地は涙で覆われ、海は枯れ、世界は闇に包まれた。

▲後楽そばの看板が再び!

▲後楽そばの看板が再び!

あれから2年。2018年3月3日、五反田駅のすぐ脇で、ついに後楽そばが復活したのだ。

▲名代 後楽そば 五反田店

▲名代 後楽そば 五反田店

私が報せを受け取ったのはその翌日。開店から3日後、3月6日の出勤前に早起きして五反田へ。かつて立ち食い寿司の人気店があった場所に、真新しい「名代 後楽そば」の看板と焼きそばの幟がはためいていた。

メニューの筆頭はもちろん焼きそばだ。有楽町店にはなかったミニ丼と焼きそばのセットもある。歌舞伎町店ではこれにそば・うどんが付いた三色セットというのが人気だったっけ。

学生の頃に食べたなあ。なんてことを思いつつ、券売機で「焼きそば(並・400円)」をポチッとな。

店員さんに食券を渡すと「並、いっちょー」と奥へ通す。店舗も什器類も新品だ。客席はカウンターのみだが、有楽町に比べるとゆったりした余裕のある造りである。

厨房向かって左手奥に鉄板が設えてあり、店長の服部敏昭さんが自ら焼きそばを炒めていた。許可をとって一枚写真を撮らせていただく。有楽町の頃は店長さんが調理しているところを見ていなかったので、なんだか嬉しい。

▲焼きそば(並) 400円

▲焼きそば(並) 400円

「焼きそば並、お待たせしました」

おー、懐かしのビジュアル! この皿! この麺の太さ! ソースの照り! 青のり! 紅しょうが! もう食べられないかもと思っていただけに感無量だ。

▲もちもちの太麺にシンプルな具

▲もちもちの太麺にシンプルな具

自社の工場で作っているもちもちの太麺に、キャベツともやし、揚げ玉という、必要十分なシンプルな構成。たまたま他にお客さんがおらず、店長さんがその場で作ってくれたためか、以前より一層美味しく感じる。

卓上のネギや唐辛子で味変もよし。ベースの焼きそばがしっかりしているので、コロッケ・生卵などのトッピングやスープ・ライスも受け止めてくれる。いろいろと自分流のアレンジができるのも後楽そばの良いところなのだ。

食べ終わるのが惜しいが、またいつでも来れば良い。ネットには「有楽町で復活してほしかった」という声もある。気持ちはわかるが、そうあれこれ欲張るのもどうかと思う。いつか有楽町店もと期待しつつ、まずは復活してくれたこと自体を奇跡として喜ぼうではないか。

▲ラジオはニッポン放送に

▲ラジオはニッポン放送に

ちなみに店内のラジオのチャンネルはニッポン放送に合わせてあった。心はちゃんと有楽町を向いているようだ。

ライター紹介

塩崎省吾
塩崎省吾
焼きそばブロガー、ライター、編集者。本業はRettyのエンジニア。 2011年から、ブログ「焼きそば名店探訪録」を開設。日本全国の焼きそば名店を探しては食べ歩き、47都道府県を制覇。「焼きそば」達人として、TV・雑誌をはじめいま注目を集めている。
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