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寿司屋より多い四川料理店⁉︎ なぜ、四川料理は日本人に愛されるようになったのか

こんにちは、四川料理の専門家の中川正道と申します。

最近、四川料理のお店、よくみませんか?

都内を歩いていると、やたら四川料理の看板を見ます。看板には麻婆豆腐、担担麺、おすすめはよだれ鶏。こだわっているところだと、汁なし担担面、火鍋もありますね。

一説によると今、日本では寿司屋より四川料理店が多いとか。なぜこんなに四川料理を提供する店が増えたのか?

ぼくの見解は「四川料理にはストレスを発散する効果があるから」です。真っ赤なラー油が光る麻婆豆腐、唐辛子が山のように入った辣鶏子、思わずわぉー!と言いたくなる料理でビールを浴びるように飲む。汗をかきながら辛い!と言いつつ、箸は止まらない。

唇は花椒でしびれ、舌は唐辛子でヒリヒリ。しょっぱく味が濃い味付け。さっきまでなかった食欲も促進。いつのまにかご飯もおかわり!

そんな人の食欲を促進させる力が四川料理にはあります。

四川料理は中国で最強の家庭料理

四川料理といえば、一般の方がイメージするのは麻婆豆腐や担担麺。

最近ではよだれ鶏も人気ですね。これらの料理はもともと労働者層が食べる庶民的な料理と言われています。

例えば麻婆豆腐は清朝末期、行商人や荷運びの男たちのためのお腹を満たすために作られた料理。原価の安い豆腐をたっぷりと使い、にんにく、一味唐辛子、豆板醬をいれた塩分高めのご飯に合う料理。
担担麺は天秤棒を担ぎながら、面を売り歩いたのが始まり。これもいわゆる庶民料理ですね。

その他、日本人になじみ深い四川料理は回鍋肉、青椒肉絲、棒棒鶏、魚香茄子(麻婆茄子の原型)、螞蟻上樹(麻婆春雨の原型)などありますが、全部ごはんに合うおかずです。

また上海料理や広東料理は原価が高い材料が多く、どうしてもコストが高くなります。しかし、四川料理は豆腐や豚肉を使う料理が多く、他の料理に比べてコストが安い。

コストも安くご飯に合う料理。しかも四川料理は家庭で簡単に作れる料理も多い。こういう料理背景もあり、中国では今、爆発的に四川料理店が増えています。

上海人で四川料理を愛する陳家私菜の陳社長いわく「最近の上海では上海料理が少なくなり、四川料理がどんどん増えています。特に若い人は四川料理が大好き」。

知り合いの北京の友人も、仕事帰りに同僚とご飯を食べに行くのはいつも四川料理だと。「安くておいしくて、味もしっかりとしているから」と。

アメリカで暴動になるほどの人気・四川ソース

場所は変わってアメリカ。昨年、10月に話題になった米マクドナルドのチキンナゲットの四川ソース。20年前に販売した唐辛子の効いた「四川味」を一日のみ再販し、一瞬で売り切れ。四川ソースをもとめる顧客たちが大騒ぎする事件が発生しました。

このニュースを四川省成都出身の四川人に伝えたら、「パンダの次は四川料理で外交できるね!」と笑っていました。

麻婆豆腐ブームの次は担担麺へ

約60年前、日本に四川料理を持ち込んだのは赤坂四川飯店の陳健民氏。四川の現地の味そのままを日本人に提供するも厳しい…だから、日本人のぼくらにも受け入れられるように工夫に工夫を重ねることに。例えば、本場の担担麺は汁なしだけど、日本人向けに汁ありの担担麺を開発するなど。

次第に四川料理が浸透していき、中華合わせ調味料が開発され、家庭で簡単に麻婆豆腐が食べられるようになりました。今から25年前の子供の頃、ちょっと辛く甘い麻婆豆腐は大好物でした。

そして、約15年前、麻婆豆腐発祥のお店「陳麻婆豆腐」が日本へ進出。「麻婆豆腐の黒船」登場です。売りは現地のそのままの味。甘くちょい辛の麻婆豆腐しか知らない日本人にとって、花椒ががっつりとふりかかり、どっさりとしたラー油のあの味は衝撃的でした。

その後、日本にじわじわと麻婆豆腐ブーム到来。四川料理といえば麻婆豆腐といっても過言ではないくらいに浸透しました。

そして、担担麺ブーム。5年前は汁あり担担麺が主流、汁なし担担麺はほぼみることなかったのですが、今では汁なし担担麺もポピュラーに。局地的ですが、広島では汁なし担担麺が熱い!など、おもしろい展開をしています。

四川フェスはさらに四川料理を進化させる

麻婆豆腐、担担麺ときて、昨年はよだれ鶏もブームに。今年はしびれる味「麻(マー)」を楽しむマー活という言葉もできました。

ちなみにぼくら四川料理を愛する仲間「麻辣連盟」のマー活の定義は以下になります。

1.しびれる麻(マー)を食べる活動
2.麻婆豆腐を食べる活動
3.麻辣(マーラー)の四川料理を食べる活動

四川フェスは1~3すべての活動を網羅するイベント。

そして、四川フェスで提供する料理は一般の消費者が大好きな麻婆豆腐をはじめに、まだ日本にほとんど知られていない四川伝統料理など約50の料理が楽しめる四川料理の「祭り」です。

おすすめ料理は多いですが、一つだけあげるとすれば、四川省で指折りの料理人・蘭明路シェフと許凡シェフが緊急来日して作る正真正銘本場の四川料理「冒烤鴨:600円(四川名物煮込みダック)」。

冒(マオ)とは中国語で“スープ煮”の意味。四川風に調味したダックを煮込んで仕上げる、成都市のローカルな料理。
この冒烤鴨、実は四川省のレストランではほとんど食べられません。では、どこで食べられるのか? それは成都市の食品市場です。昔からある庶民的な料理だからか、市場でしか見られなくなった料理。そんな料理が日本で食べられる―――、これこそ四川フェスの醍醐味。

ぼくらがみんなにぜひ体験してほしいのは、麻婆豆腐のその先「本当の四川料理の魅力」です。みなさん、ぜひ、四川フェスへお越しいただき、たくさんの四川料理を楽しんでください!

4月7.8日は四川フェス!

四川フェスは4月7日・8日に東京・新宿の新宿中央公園で開催。陳家私菜を始め10を超える四川の名店が腕をふるってくれる麻辣のお祭りです。詳しくはこちら

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