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40代からスタートした"好き"への実現。大人気パフェを作る女店主の誕生ストーリー

みなさんには、夢中になれる”何か”はありますか?

人生とは選択の連続。

その長い道のりの中で、迷ったり、立ち止まったり、突き進んだり・・・

様々な生き方がある中で、自分の”好き”をカタチにした1人の女性が名古屋にいました。その方は、SNS映えすると話題のパフェのお店「カフェ ド リオン」の店主、岸本由美子さん。

ここのパフェを求めて、名古屋のみならず、県外からも人が訪れ、平日でも連日大行列。なんと土日は4時間待ちの日もあるんだとか!

「カフェ ド リオン」のパフェの魅力は?岸本さんがお店を開こうと思ったきっかけは?

自分の”好き”をカタチにしたヒストリーを伺うために、お店を訪れてみました。

カフェ発祥の地と言われる、フランス「リヨン」に魅了されて

フランスの南東部の街「リヨン」。美食の街と知られるリヨンは、カフェのお店も非常に多く、カフェ文化が根付いた街。

ただ、私たちがイメージする、いわゆる気軽に入れるカフェとは違い、リヨンのカフェはちょっぴり敷居の高い雰囲気のお店も数多くあるんだとか。

それらのカフェは、空気感や、行き届いたサービス、料金設定が、カフェというよりレストランを訪れた感覚に近い様子。店主の岸本さんは、以前リヨンを訪れた際に、日本のカフェや喫茶店との違いに圧倒されたんだそう。

すっかりリヨンのカフェに魅了されてしまった岸本さん、なんと家族を残し、本場リヨンのカフェで修行に出向いたのだとか。

年齢なんて関係ない。子育てが落ち着いた40代でリヨンへ

ー 岸本さん、リヨンのカフェで働いていたのはいつ頃ですか?ちなみ現在の年齢を伺ってもいいでしょうか?

岸本さん:今は56歳です。リヨンへ行ったのは40代に入ってから。私、結婚するのが早くて、20歳で結婚して翌年に長男を出産しました。

ー (!!!)40代で!ご家族の反対はなかったのでしょうか?

岸本さん:私、自分でやりたいと思ったら行動せずにはいられない人間なんですよね笑。子育てが落ち着いた40代に入って家族を残し、カフェの本場・リヨンへ。現地のカフェで「働かせてくれ!」と頼み、経験を積むことができました。

ただ、ビザの関係や家族のこともあり、長期間働くことができなかったので、1ヶ月ほど働いては帰ってくる…というのを何度か繰り返しました。

ー そもそも、リヨンのカフェに魅了されたきっけは?

岸本さん:20代前半で、あるファッション雑誌のライターをしていたことがあるんです。その雑誌の企画で、フランスを旅する旅レポ取材があったんですね。その時に、すっかりヨーロッパのカフェにハマってしまったんです。

いわゆる日本の喫茶店やコーヒーショップと全く違うんですよね。

その後、日本に帰ってきてからもやっぱりヨーロッパのカフェが忘れられなくて。プライベートでヨーロッパを旅行したり、カフェに関する書籍を読んだり。

あとは、もともとコーヒーや料理が好きだったことも大きいですね。

実家も週末になると人がやってきて、食事を振る舞う機会が多い家でした。そんな家庭で育った影響からか、私自身も自然と料理が大好きに。

知人に料理をふるまった際「アナタの料理を食べると幸せになる」と言われたことがあり、「それを仕事をしたほうがいいんじゃない?」との言葉で背中を押され、リヨン行きを決意しました。

 ***

そのリヨンでの経験を生かし、2008年8月、地元でもある名古屋にお店をオープンした岸本さん。店内に並ぶティーカップや調度品は、岸本さんがフランスで買い付けたもの。

「カフェ ド リオン」は岸本さんの"好き"がギュギュッと詰まっています。

パフェの要…早朝のフルーツ買い付けから1日がスタート

「カフェ ド リオン」の魅力は、なんといっても圧倒的迫力のパフェ。こだわりの季節のフルーツがふんだんに使われています。

そのため岸本さんの1日は非常に早い!早朝4時から、市場へ向かい、フルーツの買い付けからスタートします。

東京だったら2000円以上は絶対するだろうというパフェは、フルーツをたっぷり使いながらも、なるべく価格は抑えてお客さまに提供したいという岸本さんの思いが。

季節限定の「特製プレミアムいちごパルフェ(1,700円)」には、これでもか!というほど、いちごがタワーのごとく乗せれています。

主役のいちごは、果肉がしっかりとしていて、甘さと酸味のバランスが良い「紅ほっぺ」。

(こちらのパフェは、紅ほっぺが市場に出回る5月末まで提供予定)

ひとくちいただくと、いちごの美味しさが口の中いっぱいに広がります。

そんないちごの下には、バニラビーンズがたっぷりと入った香り高いアイスクリーム、いちごのジュレ、自家製シフォンケーキ、北海道産のヨーグルトなどがぎっしり。

そして、アイス以外のパフェの素材は、全てお店で手作りしているというこだわりよう。数量限定なのも納得です。

こんなにもボリュームがあるにも関わらず、不思議と食べ進められてしまう美味しさは、飽きずに食べてもらうにはどうしたら…と岸本さんが考えた賜物。

実はパフェ(パルフェ)の語源は「パーフェクト」からきているそう。まさに岸本さんのパーフェクトが具現化されたといっていい一品です。

独学だからこそ、とにかくお客さんに喜んでもらいたくて

今では、インスタ映え、SNS映えするパフェとして話題となっていますが、お話を伺うと、実は岸本さん、スイーツがあまりお好きじゃなかったということが判明!

スイーツ作りは全て独学で学んだのだそう。

提供するスイーツを考えていくうちに、お客さんからのご要望やスタッフの声を取り入れ、現在のパフェのかたちに。季節ごとに変わるパフェに、リピーターも多いのだとか。

ー 岸本さんのその情熱ってどこから湧いてくるんですか?

岸本さん:昔から料理が好きだったとお伝えしましたが、あと人に喜んでもらうことがとにかく好きなんですよね。

製菓学校も出ていない私が提供していていいんだろうかと思うこともあります。だからこそ、喜んでもらえるようにしなきゃ!って思いがありますね。

食べて美味しいのはもちろんですが、"目からも美味しい"を感じてほしい。だからよくSNS映えを狙ってるんですか?って聞かれますが、そんなわけではないんですよ笑。喜んでいただきたいという思いだけ。

 ***

そんな背景があるからこそ、岸本さんが作り出すパフェは、私たちの心を掴むのかもしれません。

ちなみにこちらのパフェは、通年を通して提供されている「タルトタタン ラムレーズンパルフェ(1,400円)」。

カラメルソースがたっぷりかかったパフェは、りんごのカラメル煮をはじめ、ラムレーズンのジェラート、バニラビーンズのソフトクリームが層になり、生のスライスりんごが豪華さを演出しています。

ひとくち頬張れば、絶妙な甘味と苦味。いちごのパフェの甘酸っぱさとはまた違い、深みのあるオトナ味が口の中に広がります。

実は、この取材で久しぶりにパフェを堪能したRettyグルメニュース編集部。見た目のインパクトから、SNS映えと言われるのは納得でしたが、味わいもまさにパーフェクト。

見た目の美しさはもちろんのこと、1つ1つの素材の美味しさ、そして食べ進める中での味わいの変化、素材から感じる季節感、その全ての要素がミックスし・・・

つまりはパフェを食べることって、こんなにもエンターテイメントなんだという気づき!

訪れた日は定休日にも関わらず、快く取材に応じてくれた岸本さん。そのサポートには妻を静かに見守る旦那さんと、息子さんの姿がありました。

お店を持つことで自然と生まれた家族へのマイルール

ー 家庭を持ちながら自分の"好き"を実現し、突き進むことはなかなかできることではないと思ってしまうんですが…家族円満のコツってあるんですか?

岸本さん:正直なところ、夫はなんて思っているか知りませんよ笑。

コツなのかわかりませんが、朝は家族揃って食べるようにしています。しかも和食。普段はお店で、洋の物を作っているのに笑っちゃうでしょ。

普段が忙しいから、定休日の水曜は、今でいう「つくりおきおかず」を作る日。午前中に一週間分の買い出しをして、そのあと作って。正直大変なんですが、でも意外とこれが私にとってのストレス発散だし、家族が健康で幸せでいるために大切なことなんですよね。

ー 逆にそれができないことがストレスなんですね。

岸本さん:そうみたいです笑。だから、そのリズムが崩れてしまった時は家族全員体調が悪くなったりね。

ー 岸本さんのパワフルさがとにかく凄い!圧倒されてしまいます。そして…失礼な質問かもしれませんが、迷ったり悩んだりはしないんですか?岸本さんを真似したくてもなかなか出来ないなと。

岸本さん:正直あまり悩まない性格です笑。悩む前に進んじゃうんですよね。失敗したら失敗したでいい。そこから学ぶことって多いじゃないですか。だから悩むより、進んでみる。

そして、踏み出す一歩は大きな一歩じゃなくて、小さくていいと思うんです。その一歩ができると自信に繋がりますよね。あとなるべくクヨクヨしないことを心がけてますね。

「笑っていること」「喋って吐き出すこと」これがポイントかな。落ち込むことがあってもお客さんには関係ないですからね。憂鬱な時もとにかくお店へ行き仕事に打ち込む…すると気分が変わってくるんです。

"好き"はいつでも、何歳からでもスタートできる

年齢や環境によって、ハードルを上げているのは自分自身なのかもしれない…と気付かされた本取材。

パワフルな人生を歩み、"好き"を実現した岸本さんの背景には、人に喜んでもらいたいという思い、そして彼女の情熱を応援する家族のサポート、そして年齢を物ともしない、一歩を踏み出す勇気を感じました。

岸本さんのパフェは、美味しさだけでなく、彼女の生き方そのものを映し出すものなのかもしれません。

ちなみに現在のお店から3分ほどの場所に、近々2号店をオープンの予定なんだとか!

人生に迷った時は、彼女の作る絶品パフェを。アナタに強さをもたらしてくれるかもしれませんよ。

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