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合わないなんて誰が決めたの?『焼き鳥×ワイン』の相性抜群のペアリングを「乃木坂 鳥幸」のソムリエに聞いてみた

大人から子どもまで愛され、日本の国民食ともいえる焼き鳥。居酒屋や屋台はもちろん、スーパーやコンビニでも購入できるほど、私たち日本人には身近なグルメです。

「缶ビール片手に焼き鳥」も楽しい食べ方ですが、大人同士しっぽりと飲みながら焼き鳥をつまむのも乙なもの。そこに合わせるお酒として、ソムリエの選んだとびきりのワインはいかがでしょうか?

今回は、焼き鳥とワインの本格的な味わいを楽しめる「乃木坂 鳥幸(とりこう)」で、贅沢なひとときを堪能してきました。

絶品焼き鳥を厳選したワインと楽しむ大人の空間

東京メトロ乃木坂駅から徒歩3分の場所にある鳥幸は、山梨産の上質な鶏「甲斐路軍鶏(かいじしゃも)」をメインに、職人が備長炭で1本1本丁寧に焼き上げた串を堪能できる焼き鳥店。

29席のゆったりとしたカウンター席のみの店舗で、調理場と焼き場を囲むように構成されているため、調理の様子が見えるライブ感も人気です。

そして、壁際にはずらりと並ぶワインセラーが。ソムリエが厳選した世界各国のワインが常時80種類以上揃っているといいます。

今回は、店長兼ソムリエの徳山さんに、それぞれの焼き鳥に合うワインをセレクトしていただきました。

店長の徳山豪さん。

店長の徳山豪さん。

「『焼き鳥とワイン』と聞くと、ちょっと意外に思われるかもしれませんが、洋食と合わせることと大きな違いはありません。洋食にももちろん鶏料理はありますし、味付け次第で合うワインはたくさんありますよ」(徳山さん。以下同)

今回、4つのパターンで焼き鳥とワインのペアリングを提案してくれた徳山さん。どのような基準で選ぶとおいしい組み合わせになるのでしょうか?

「基本的に、赤身の肉には赤ワイン、白身の肉には白ワインが合わせやすいと言われていますが、さらに言えば、焼き鳥もワインも同じようなものを合わせるといいですね。鶏を噛んだときのやわらかさとワインの口当たりのやわらかさが近いものを選ぶのがおすすめです。味でいうと、タレか塩かに応じて合わせるというのもポイント。濃いタレのものは甘みがあるので、甘みを感じるようなワインとの相性がいいです」

肉の種類、やわらかさ、そして味……これらのポイントを軸に選んでいただいた焼き鳥とワインを早速いただきましょう!

さっぱりめの肉にはすっきりした白ワインを

左から「サビ焼き」、「ねぎま」。

左から「サビ焼き」、「ねぎま」。

まずは徳山さんが「食べ始めにおすすすめしたい」という「ねぎま」(290円)と「サビ焼き」(280円)。焼き鳥の定番のねぎまは、むね肉のみを使用。さっぱりした味わいに、仕上げのペッパーがアクセントになっています。サビ焼きとは、ささみのこと。普通に焼くとパサついてしまうのですが、ミディアムレアにすることで、ほどよくしっとりとした食感が味わえます。

合わせるのは「番(つが)い」という甲州の白ワイン。一杯目にオーダーしたくなる、すっきりと飲みやすいワインです。

「むね肉もささみもさっぱりした肉質なので、ワインもすっきりした白ワインを合わせました。『番い』は食前酒や食中酒としておすすめです。ワインは軽いものから飲み始めて、食事が進むにつれて重めのものを選んでいただくと最後までおいしくいただけますよ」

華やかで繊細なピノノワールはやわらかい串と相性抜群

左から「心のこり」、「つくね」。

左から「心のこり」、「つくね」。

続いて、「心のこり」(280円)、「つくね」(280円)が運ばれてきました。“心のこり”というユニークな名前ですが、こちらは別名「ハツモト」と呼ばれる希少部位。心臓と肝をつなぐ管の部分を指します。

独特のコリコリとした食感がありつつ、脂ものっているのでやわらかさも楽しめます。自家製のつくねもふわふわとやわらかく、ホッとするようなおいしさです。

「ワインはアメリカ・オレゴン州の『キングエステート・シグネチャー・ピノノワール』。ピノノワールという品種は、赤ワインの中でもライト~ミディアムぐらいの軽めのものが多く、華やかな香りと繊細な味わいが特徴です。やわらかい質感の串を選んでワインの繊細さが感じられるようにしました」

炭火焼きの香ばしさを引き立てる樽熟成ワインの香り

左から「手羽」、「ふりそで」。

左から「手羽」、「ふりそで」。

3パターン目は、「ふりそで」(320円)と「手羽」(280円)。ふりそでとは、手羽元と胸肉の間の部位。肉汁が多く、スパイシーな柚子胡椒との相性もばっちり!

パリッと焼いた手羽の皮の部分は食感も楽しく、ついワインが進むおいしさです。

そこに合わせるのは樽で熟成した「ベンティスケーロ・グレイ・シャルドネ」。備長炭で焼いた炭の香りと樽の香りが見事に融合し、味だけでなく香りもおいしいマリアージュの完成です。

「ふりそでと手羽は、どちらも表面をしっかりと焼くことで、パリッとした食感と香ばしい香りに仕上げています。樽の香りが強いワインなので、香ばしい香りの料理とよく合いますね」

濃厚な特製ダレと合わせるふくよかな赤ワイン

左から「特上レバー」、「ちょうちん」。

左から「特上レバー」、「ちょうちん」。

最後は「ちょうちん」(400円)と「特上レバー」(380円)。どちらもレシピ非公開の特製レバーダレで甘辛に仕上げた逸品です。

ちょうちんとは、鶏1羽から1本分しかとれないとても希少な串ですよ。

鶏が産卵する前の状態の卵黄「きんかん」をプチっと割って、絡めて食べるちょうちんは、甘めのタレとコリッとした食感が相性抜群。ミディアムレアで焼いた特上レバーは、中がとろりと濃厚で、こちらも病みつきになる味です。

「一緒に合わせるワインは、カリフォルニア産の『ジン・ファンデル』。果実味が豊かでやや甘め、ふくよかな香りのする赤ワインです。コクのあるレバーダレの味を消すことなく、よりふくらみを感じる味わいに仕上げてくれますよ」

「焼き鳥×ワイン」という、一見珍しいようで絶品の組み合わせをすっかり堪能してしまいました!

徳山さんいわく「今回の組み合わせはあくまで一例。ワインはたくさんの種類があるので、好みに合わせて自由に選んでほしい」とのこと。

焼き鳥は好きだけどワインとの合わせ方がわからない!という人は、まずは自分の好みをソムリエに伝えてみて、串に合わせた一本をセレクトしてもらうところから始めるといいかもしれません。

広々としたカウンター席で語らいながら、ワインで乾杯! 今夜はちょっと趣向を変えて、“大人の焼き鳥”を楽しんでみませんか?

芳賀取材後記
“焼き鳥=大衆的、ワイン=上品で繊細”というイメージを持っていたので、意外な組み合わせに初めは驚きました。実際にいただいてみると、あっさりした白身の鶏と白ワインの相性の良さ、甘辛なタレとふくよかな赤ワインによるおいしさの相乗効果など、新たな発見がたくさん!百聞は一“食”にしかず、ぜひこの意外で絶品なペアリングを楽しんでみてください。

乃木坂 鳥幸 本店
住 所
東京都港区赤坂9-6-30 乃木坂プレース1F
電 話
03-6434-0448
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