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連載:中国各省をご案内・旅する中華

【中国はうまいが正義】インスタ完全無視の中華クレープ「煎饼果子」が悔しいけど美味!

大家好!
相変わらず中華ばっかり食べているアイチーです。

ライター紹介

アイチー(愛吃)
アイチー(愛吃)
「中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう〜」主宰。四半世紀ほど前、中国・山西省へ留学。滞在中、時間を見つけては中国大陸を東奔西走。帰国後現地で食べた味が恋しくなり、日本で懐かしい味を求めて中華を食べ歩く。日本でも楽しめる「地方菜(中国各地の郷土料理)」を紹介しつつ、読者のみなさんとワイワイ食べる会も時折開催中。

今年初め・・・池袋でのとある週末。
マルイの入り口に一台のキッチンカーを発見し、そこに書かれた文字に吸い寄せられてしまいました。

「煎饼果子(ジィエンビングオズ)」

せんべいではありません。車にも貼ってあるように「中華クレープ」

薄いクレープ状の生地に卵を割り落としたら、サッとのばして焼き上げ、甘味噌を塗り、香菜や刻みネギをパラリ。

(店によっては辛味噌も。辛いのがよいかを聞いてくれる店もあり)

そこへさらに、細長い揚げパン(油条)や、小麦粉を薄くパリッと揚げたもの(薄脆)をセンターに置き、クルリと包み巻いて、出来上がり!

粉もんin粉もん
という、大変ボリュームたっぷりでどっしりな小吃(シャオチー)!

北京・天津・山東辺りを中心に、今ではさらに幅広い地域で、朝ごはんや小腹満たしのおやつとして、多くの人々に愛される、人気の小吃です。

わたしと「煎饼果子」との出合い

その昔、山西省太原というところに居たことがあります。

当時はそこから北京までがちょうど一晩…夜行鉄路で眠りにつき、目が覚めると北京に着くため「週末は街へ出るぞー」と、よく出かけたものです。

北京へ着き、真っ先に向かったのが「西直門」という場所。

そこには「煎饼果子」売りの自転車が数台集まっていたのです。そこでまず朝ごはん、というのが定番コースでした。

時が経ち、西直門まで行くことはなくなったものの、旅先で「煎饼果子」を見つけてはよく食べ、いつしか「北京・天津」の懐かしの味のひとつに。

中国から日本へ来た人たちにとっても「懐かしい中国の味」であり、今でこそ日本でも食べることができるようになりましたが、数年前はまだあまり存在しませんでした。

情報も手に入りにくかった頃、在日華人の交流ネットや掲示板などで「煎饼果子がめっちゃ食べたいよー、どこかで食べれるトコないかなぁ?」という質問が頻繁にあがっていたり、「煎饼果子食べたぞー!」と載れば「えー!どこどこ?すぐ行きたい!」と盛り上がる・・・そんな、みんなに愛される小吃、それが「煎饼果子」なのです。

今回は、池袋と上野のお店から、それぞれ「小麦粉を薄くパリッと揚げたものの、薄脆巻きバージョン」と「細長い揚げパンである、油条巻きバージョン」を紹介いたしましょう!

池袋「阿蘇米線」

こちらは「薄脆巻きバージョン」です。

レタスとハムが一緒に巻かれ、柔らかなクレープ生地とパリッとした薄脆の、異なる食感が楽しい!

上野「天天楽」

アメ横センタービル辺りに並ぶ、アジアン屋台ゾーンのうちの一軒。極太カリふわな油条がこんもり店頭に積んであるのが目印。

ということでこちらは「油条巻きバージョン」です。

ふわふわな油条ともっちりクレープ生地がいいまとまりな一本。頬張ると、気分もふんわり口福!

他、麻辣湯などの軽食店や、東北料理メインの中華料理店のメニューにも載るようになり、「煎饼果子」を食べることができる機会がどんどん増えています。

そしてその姿もバラエティー豊富。「果子」が意味する「小麦粉生地をあげたもの(油条や薄脆)」の姿が見られない、野菜とハムのクレープ状のものや、

少し前に行った山東省済南では「果子無し」の代わりになんと、半分程度に切った長ネギをどーんと入れたものなどあり、バリエーションが広がっています。

(ちなみに大行列の人気ぶりでした!)

これからもさらに発展を見せてくれそうな予感。今後の動向も注目したいところですね。

あれあれ、冒頭のキッチンカーは?

残念ながらこの地に出店できなくなったそうで、現在は別の場所で別のものを提供しているのだそうです。

哈爾濱出身の小姐が一人で営んでおり、生地を焼き置きせず、注文を受けてから一枚一枚焼くため少々時間がかかることもあり、現在の出店地で「すぐ受け取れるものにしてほしい」との要望を受けそれに応じているのだそうです。

彼女はその先に描く夢を抱き、日々の生活をコツコツ頑張っています。

その夢は、「池袋に戻り、また煎饼果子を朝ごはんとして焼き、みんなに食べてもらいたい」。

より多くの皆さんに「煎饼果子」を知られ、北京や天津などを旅するように頬張っていただき、「あれ食べたい!」と思う人が増え、彼女の夢がちょっとでも早く叶う日が来ることを願い応援できたらなぁと思っています。

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