気がつけばもう五月。今が旬といえば日本茶。
みなさんにとって、お茶の産地といえばすぐに思いつく場所はどこでしょう?
日本のお茶の生産量一位は、静岡県。
ただし、お茶というとどうしても京都のイメージが強いもの。また京都は有名な観光地ということもあって、様々なお茶の名店がある印象ですよね。
そんな京都に負けないようにと(?)思ったかどうかはわかりませんが、今、この静岡で、日本茶の美味しさとその多様な楽しみ方を提案するお茶専門店が続々誕生しているのです。
煎茶のエスプレッソ!煎茶の旨み、甘み、苦みがガツンと感じられる強烈な1杯
最初にご紹介するのは、静岡・鷹匠にある「chagama」。
創業130年以上の老舗製茶問屋「マルモ森商店」が提案する、新しいカタチの日本茶専門店です。
こちらでは50種以上のお茶を販売しており、そのお茶を試飲しながら自分好みを見つけることができます。
その一角にあるのが、テイクアウトができるカフェコーナー。
そして、名物はなんと「煎茶エスプレッソ」です。
通常はコーヒーのエスプレッソを作るエスプレッソマシーンで作る、煎茶エスプレッソ。
「静岡・梅ヶ島のお茶を使用しているのですが、その茶葉を粉にして、コーヒーのエスプレッソと同じような作り方でエスプレッソにしているんです。急須一杯分のお茶10gをエスプレッソマシーンで気圧をかけて抽出。それがこの一杯です」(chagamaスタッフ)
素敵なショットグラスにサーブされたこともあり、正直これが緑茶?という印象。
まるでリキュールのような濃厚な見た目にドキドキしながら、一口、口に含むと
うまみ→苦味→甘み→うまみ→苦味→甘み→うまみ→苦味→甘み・・・(その後ループ)
煎茶の味が持っている全ての味の要素がググっと凝縮されていて、口の中を駆け巡ります。
「多くのお客様は、煎茶の持つ苦みのインパクトに圧倒されるようです。今は甘みの強いお茶が人気ですが、やはり煎茶はこの苦みも味の構成要素の一つということに気づくのではないでしょうか」(chagamaスタッフ)
まさに、その通り。と同時に、強烈な旨みにも圧倒されます。煎茶にはやはり、こんなに旨みがあったんだと再発見! 煎茶好きも、煎茶初心者も、煎茶の本質や魅力と可能性を感じることのできる「煎茶エスプレッソ」は一飲の価値あり、です。
その他に、ほうじ茶ラテや本格急須出し煎茶なども。特にこれからの季節に煎茶・ロックは爽やかでぴったり。
湯のみで飲むでも、ペットボトルで飲むでもない、日本茶の新しいカタチに出会うことができました。
- chagama
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静岡県 静岡市葵区 鷹匠
カフェ
一杯一杯ハンドドリップで。焙煎温度にこだわる、日本茶&ジェラート
次にご紹介するのがJR静岡駅から徒歩8分ほどにある「MARUZEN Tea Roastery」。製茶問屋「丸善製茶」が提案する日本茶とジェラートの専門店です。
お茶の焙煎工房を併設したこちらのお店では、「80℃・100℃・130℃・160℃・200℃」温度帯からお茶を選ぶ、という新しい体験ができるのです。
そしてもう一つ嬉しいのが、お茶をオーダーすると一杯、一杯丁寧にドリップしてくれること。
今回オーダーしたのは、次の2つの組み合わせ。ジェラートは想像以上に「お茶!感」がいっぱいで、お茶を飲む以上にそのお茶の香りや味を感じることができます。
焙煎温度によって、こんなにお茶の味わいが変わるなんて!ダークローストとライトローストは正直、全く別の飲み物です。
ダークローストは香ばしくてジェラートでも気持ちはほっこり。ライトローストはスッキリ爽やかで清々しい気分に。味わいはもちろん、その時々のなりたい気分に合わせて、焙煎を選ぶのがこれからの「お茶通」かもしれませんね。
- MARUZEN Tea Roastery
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静岡県 静岡市葵区 呉服町
ジェラート
抹茶に窒素が入ると驚きの口当たり!静岡産の有機抹茶にこだわるカフェ
最後に紹介するのは、2017年11月にオープンしたばかりのオーガニック抹茶スタンド「CHA10」。お茶やオーガニックのイメージとはちょっと違う、スタイリッシュな外観。
こちらは日本茶の製造・卸の「カクニ茶藤」が、静岡産の有機抹茶をもっと楽しんでもらいたいという想いから始まったお店です。
特に注目したいのが「NITRO抹茶」。窒素ガスを注入した新感覚の抹茶ドリンクです。
このNITRO(ニトロ)抹茶。今まで飲んできた、抹茶ドリンクの口当たりと全く違う! ふわふわでクリーミーで柔らかで。抹茶のあの苦みと旨みがこの口当たりによって、濃厚かつ優しい味わいにチェンジ。ドリンクというよりメレンゲでできたスイーツのよう。
こちらは抹茶アフォガード。豆乳でできたジェラートも、下に敷かれている黒米でできたグラノーラも卵・乳製品を使用していないマクロビオティックスイーツです。
温かくて濃厚な抹茶をかけて。とろーりなめらかなジェラートとザクザクグラノーラの食感、抹茶の苦みという食感と味わいのハーモニーが楽しい一品です。
店内はスタイリッシュながらもあたたかな雰囲気。スタッフのお二人も笑顔で迎えてくれました。静岡産抹茶の新しい味わいを、あなたもぜひ体験してみませんか。
- Organic Matcha Stand CHA10
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静岡県 静岡市葵区 鷹匠
カフェ
どのお店も伝統や歴史に捉われ過ぎず、アグレッシブなメニュー展開をしているのが今の静岡のお茶専門店ムーブメント。日本一の生産量を誇る静岡のお茶屋さんならではのこの姿勢、日本茶のポテンシャルを感じずにはいられません!