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「芸人道はグルメから学んだ」 シャンプーハット・てつじ×学天即・奥田が飲み歩きで名言連発!?

ウマい食事とウマい酒、ウマの合う仲間がいればそれだけで幸せ!

おいしい料理とホワイトホースのハイボールを楽しめるお店を厳選し、酒好きメンバーと共に飲み歩くこのシリーズ。

今回は都内近郊を飛び出し、天下の台所・大阪にやってきました!

笑いの聖地での開催ということで、飲み歩くのは、「関西グルメ王」として知られるシャンプーハットのツッコミ担当・てつじさん。相棒は、学天即のツッコミ担当・奥田修二さんです。

芸歴約10年差の二人は、いっしょに飲みに歩くのは今回が初めてとのこと。果たしてどれくらいウマが合うのでしょうか? 

名言連発の酒場トークをお楽しみください。

グルメ激戦区!大阪・天満で飲み歩きスタート

今回の舞台は、大阪市北区にある街・天満です。天満といえば、日本一長い商店街の天神橋筋商店街や、浪速の台所・天満市場が有名。

立ち飲み屋から高級店まで集まるグルメ激戦区としても知られ、昼夜を問わず活気にあふれる街です。

仕事終わりに駆け付けてくれたお二人は、早く飲みたくてしょうがない!といった様子。

絶品グルメとウマいハイボールを求めて、早速1軒目のお店へ向かいました。

▲シャンプーハット・てつじさん(右)と学天即・奥田さん(左)が天満で合流!

「劇場が一緒の時に昼飯食べることはあったけど、飲みに行くのは初めて。もしかしたらめっちゃウマが合うかもしれないので、今日は楽しみます」(シャンプーハット・てつじさん)

飲み歩いてくれる芸人さん

てつじ(シャンプーハット)
てつじ(シャンプーハット)
大阪府出身。1994年結成「シャンプーハット」のツッコミ担当。相方・こいでとともに関西で多数のレギュラー番組を担当。年間100本を超えるグルメレポートを行うほか、つけ麺店「宮田麺児」のプロデュース、グルメ本「関西グルメ王の人生が変わる店」(KADOKAWA)の出版など、「関西グルメ王」の異名も持つ食通。

 

「ちょっと緊張しますけど、これをきっかけに仲良くなれたらうれしい。ハイボールも好きなので、早く飲みに行きたいです!」(学天即・奥田修二さん)

飲み歩いてくれる芸人さん

奥田修二(学天即)
奥田修二(学天即)
兵庫県出身。2005年結成「学天即」のツッコミ担当。第49回上方漫才大賞新人賞、平成25年度NHK新人演芸大賞演芸部門大賞受賞など、キレのあるツッコミで相方・つくねとともに正統派漫才コンビとして人気。大のアイドル好きとしても知られている。

 

【天満飲み歩き1軒目】イタリアンに行ったらピザ窯を見ろ!?

まず向かったのは、「やきにく番長 天満店」

\ここがオススメ/
・「肉も魚も野菜も楽しめる店」がコンセプト!
・新鮮な肉や魚介を七輪で焼きながら楽しめる!
・価格もリーズナブルで、昼12時から営業しているのもうれしい!

席に着くと、お酒と料理をオーダー。

まろやかで上質な味わいが特長のスコッチウイスキー「ホワイトホース」のハイボールで、本日一杯目の乾杯!

▲てつじ・奥田「ホワイトホースでカンパーイ!」

「あ~、うまい!仕事の後の一杯は最高やな」

「ホワイトホース、うんま〜!喉カラカラだったんで、余計にうまく感じますわ。肉もどんどん焼いていきましょう!」

▲数量限定の「希少部位日替わり3種盛り」(3980円・税別)。ランプやかめのこなど、希少部位を贅沢に盛り合わせ。

「うわ、肉分厚いなぁ」

「ほんまですね。厚切り肉を七輪の炭火で炙って食べる、雰囲気もよくて最高ですね。はい、焼けました」

「おお、うまい!このランプ、弾力があって噛むたびに旨味がじわ〜っと出てきて、まさに肉を食うてる!って充実感があるわ」

「カメノコは、ジューシーな赤身と多すぎない脂身のバランスがうまいっすね!こんなええ肉食べられるなんて、ありがたすぎますわ。でもてつじさんのことだから、いいお店行っていい肉たくさん食べてるんと違いますか?」

「いや、俺はもう、レストランを選ぶときはうまいとかうまくないとかそういう基準で選んでないから」

「え、どういうことですか?」

「俺はレストランに行くとき、料理を食べに行ってるんじゃなくて、シェフに会いに行ってんねん。 “いい店”っていうのは、“人柄がいい店”ってこと。だから、味がうまいかどうかは関係ない領域に来てしまってる」

「なんですかそれ、僕の5〜6段階上の領域の話ですね! そういえば前に、ピザのことも何か言ってませんでした?」

『イタリアンはピザ窯を見に行ってる』ってやつやな。ピザを食べなくても、窯を見ればシェフの人となりがわかる。そこにシェフの人柄が乗ってるから」

「人柄をトッピングみたいに(笑)」

「日本酒の店だったら冷蔵庫。どれだけきちんと管理できているかを見るねん。日本酒のビンって温度とか紫外線とかが影響するから、これ見よがしに並べてない店の方が好きかな」

▲サザエ・ホタテ・トロホッケが乗った「海鮮3種盛り」(1200円・税別。写真は2人前)

▲「貝めっちゃでかい!」と驚いた様子のてつじさん。焼肉屋とは思えないほど、魚介も新鮮でおいしい!

「たしかに、それはちょっとわかるかも。他に、てつじさん的にここを見るっていうポイントとかありますか?」

「そうやなぁ、『割烹に行ったら、器をよく見る』かな。前に聞いたことあるけど、割烹の人が褒められて嬉しいのは料理よりも器らしい。よく割烹って値段が高いって言う奴おるけど、いい皿を使わせてもらってるんだから、そこにお金を払ってると思わなあかんねん」

「はぁ~、グルメも極めるとそうなるんですね。シェフに会いに行って、窯を見に行って、器を見る」

「そのうち、何も食べてないのに代金だけ置いてくかもしれんな(笑)」

「どこ目指してはるんですか(笑)」

▲シャリを覆うほど大きな薄切り肉が乗った「焼きしゃぶ寿司」(480円・税別)

▲「ひとくちで行っちゃいます。おお、めちゃくちゃうまい!軽く炙った、ちょいレアな肉がたまらなくジューシー!口の中が肉の旨味でいっぱいに(笑)」と奥田さん。

「まぁでも、俺はグルメから芸人道を学んでるところが結構あって、『皿のような芸人になりたい』と思ってる」

「皿のような芸人?」

「料理には皿が必要なように、ボケにはツッコミが必要。どんなうまい食材も、どんなうまい職人が味付けしても、最後は盛り付けで決まるやん? どんな料理でもうまく盛り付けられる、最高の芸人を目指さなあかんな」

「グルメ漫談の引き出しの数、エグいっすね(笑)」

▲店長さんに料理の説明を受ける二人。肉も魚介も素材へのこだわりはさすがの人気店!

ボリューム満点の料理、すっきりおいしいホワイトホースのハイボールを楽しんで、徐々に気分が上がってきた二人。まだまだ夜はこれから!とばかりに、次のお店へ向かいます。

 

【天満飲み歩き2軒目】女性を口説くなら「三点喋り」が鉄則!?

続いて向かったのは、「但馬屋」

\ここがオススメ/
・アットホームな雰囲気に会話がはずむザ・大衆酒場!
・朝9時から夜0時まで営業、朝飲み・昼飲みにも大活躍!
・「フェイス」「イヤリング」「エチオピア」など、オリジナルメニューがたくさん!

入店すると、店内の壁には、ちょっとつまむのに良さそうな格安の短冊メニューがずらり。

その様子を見て「居酒屋のメニューはコンビ名みたいなもんや。何が出てくるかわからないからおもろい」と、早速てつじさんのグルメ名言が飛び出します。

本日2回目のホワイトホースで乾杯! てつじ・奥田「まだまだ飲むぞー!」

ホワイトホースのハイボールは飲み口スッキリで、料理の味をじゃましないから、どんな食事とでも合いますね

「ホンマやな。気づいたら次の一口に手が伸びてまうわ!」

「そういえば、この店、前に銀シャリの橋本さんと来たことがあるんですよ」

「そうなん? 奇遇やな」

「そのとき二人で『なんで俺たちは彼女がまったくできないんだ』っていう話をしてて、ちょっと凹んでたんですよ。そしたら、お客さんが僕らに気づいてくれて、それで店の中がワッとなって、『彼女おらんけど、こうやって人から注目してもらえるから、まぁいいか』って思ったっていう思い出の店です(笑)」

▲但馬屋のラインナップ。右の皿から時計回りに「どて焼」、「フェイス」、「キムチ天ぷら」(各380円・税込)

▲脂の多い「フェイス(豚の顔の肉)」も、スッキリとしたホワイトホースのハイボールと一緒なら脂っこさを感じない

「そんなことあったんか。よし、奥田にひとついいこと教えたる。『女性を口説くなら三点しゃべり』! これやで」

「三点しゃべり!? なんですかそれ?」

「たとえば、こうやって後輩と面と向かってしゃべってると、がっつり仕事の話になるやん。でも、これがバーのカウンターで、カウンター越しにマスターがいて、俺がマスターに話しかけるみたいにしゃべると、ワンクッション置けるから、優しく伝わるねん」

「あ~なるほど、先輩・後輩で真正面で話すと緊張しますしね」

「そうやろ? だから、女性を口説くときも三点しゃべりがいい。自分のいいところを直接女性に言ったらいやらしいけど、マスターが『てつじさんはこんなステキな人なんですよ』って話してくれれば、それを聞かせることになるやん」

「すごい、やり口がイタリア男や」

「直接『好き』っていうよりも、マスターに『僕、この子のこと好きなんですよ。僕の好きな人なんで、僕の好きな店に連れてきました』って言うほうが心に響くと思わん?」

「うわ~、ほんまや! 次からすぐに使いますわ、三点しゃべり」

▲名物「キムチ天ぷら」はお好みでマヨネーズを。

「うおっ!このキムチ天ぷら、めっちゃうまい!キムチの辛味とマヨネーズのコクが、見事に合いますね。この組み合わせってよくあるものなんですか?」

「いやいや、他の店では見いひんな!キムチが油をまとって酸味のカドが取れて、まろやかになっとる」

「こういう新しい発想いいっすね!キムチ天ぷら、新感覚でやみつきになるわ〜!」

お酒も進み、すっかりリラックスした表情の二人。夜更けとともにますますディープなお話が聞けそうです。

 

【天満飲み歩き3軒目】まわりに振り回されず「お笑いの専門店」を目指せ!

この日最後に向かったのは、にぎやかな天満の街並みから一歩離れた“裏天満”と呼ばれるエリア。

路地裏にひっそりとたたずむ「裏天満 ブレーメン」におじゃましました。

\ここがオススメ/
・こだわりの燻製料理はお酒のアテに最高!
・外はカリッ、中は肉汁じゅわ〜な自家製ソーセージがたまらない!
・古民家を酒蔵風にリメイクした店内はおしゃれで、デートや女子会にもぴったり!

扉を開けると、スモークのいい香り!自家製ソーセージやバラエティ豊かな燻製料理が楽しめる女性にも人気のお店。

本日最後のホワイトホースハイボールでカンパーイ!

ホワイトホースのスモーキーな香りと燻製、間違いない組み合わせやな!

どのジャンルの料理にも相性がいいホワイトホース、ほんますごいっすね!

▲「Smokeモクモク盛」(1人前420円・税別。写真は2人前)は、ふたを開けると真っ白いスモークが!素材の味をいかした燻製料理は、燻製をすることで「この食材ってこんなおいしかったんだ!」と食材の新たな魅力に気づけるはず!1つ1つの料理を手間ひまかけて作っていることがわかるので、うれしい気持ちになります。(※注文は2人前から。お一人様の場合は、1人前での提供も可能)

店内は控えめな照明で落ち着いた雰囲気。夜も深まり、芸人ならではのディープな話題へ……。

「そういえば、てつじさんってこいでさん(相方)とケンカしたりするんですか?」

「しないなぁ。コンビ組んでから1回もないわ」

「え、すごい!僕らもケンカは少ないほうだと思いますけど、1回解散寸前のケンカをしたことがあるんですよ」

「そうなん? 何が原因で?」

「僕ら、M-1グランプリに憧れてお笑い始めたんですけど、なかなか決勝までいけなくて。そうこうしているうちに2010年にM-1が終わってもうて、baseよしもと(編注:2010年12月まで大阪の難波にあったよしもとの劇場)もなくなったんですよ」

「M-1を目指して芸人やってたのに、終わってまったわけやな」

「それで完全にモチベーションがなくなって、お笑いやめようと思って。俺ら同級生なんで、当時28歳ぐらいだったんですけど」

「たしかに、それはモチベーション落ちるなぁ」

「でも相方と話し合って『今ここでお笑い辞めたら、俺らがお笑いやってたなんて誰も知らないまま終わる。俺らが辞めたときに”あいつらお笑い辞めたんやな”って思われるまでは続けよう』ってことになったんです」

「なるほどなぁ。その頃って、同期の芸人とかどうしてたん?」

「僕ら、大阪にはあんまり同期っていないんですけど、東京のメンバーがエグいんですよ。オリエンタルラジオ、トレンディエンジェル、はんにゃ、フルーツポンチとか」

「そら焦るわな」

「そうなんすよ。オリラジなんて、自宅のテレビで二人がネタやってるときから観てましたもん。『何がおもろいねん!』ってテレビの前で文句言ってたけど、後日実際に会ってみたらめっちゃいい奴らなんですよ(笑)」

「俺の同期も、ブラックマヨネーズ、チュートリアルの徳井、次長課長、野生爆弾っていう面子でさ」

「うわ、エグいっすね・・・。それでてつじさん、焦らなかったんですか?」

「みんなどんどん東京出て売れていったけど、同じ椅子を取り合ってるわけじゃないからな。みんなが東京で活躍してくれたら、同期だからってことで番組に呼んでもらえるチャンスも広がるし」

「椅子を取り合ってるわけじゃないかぁ。俺らはオリラジみたいにポップじゃないし、トレンディエンジェルみたいに明るいキャラでもない。でも彼らは彼らのポジションでやってるから、俺らは俺らで学天即としてがんばればいい。同期それぞれ違うポジションで頑張ってるから、自分たちも自分たちらしくやれるんだなって、やっと思えるようになりましたね」

▲ボリューム満点!「ビッグソーセージ」(1本880円税別〜)の盛り合わせ。ホワイトホースのハイボールとの相性バツグン!月ごとに新作の新しいソーセージを開発しているらしく、通うたびにこの店のソーセージのファンになりそう。

▲今月のおすすめソーセージ「ニラ」を食べて、「完全にこれ、餃子やん!ソーセージの中身は肉の密度がぎゅうぎゅうで、肉肉しさがすごい。むっちゃうまいわ!」と盛り上がるてつじさん。

「お笑いもレストランも同じやな。ステーキ屋で『刺身ください』って言うか?って話で、お客さんが求めてるものは店によって違うねん」

「あー、ステーキ屋ならやっぱステーキですよね」

「“学天即”っていう店に食べに来たのに、無理して流行りのもん出したら、お客さんはがっかりする。芸人って専門店みたいなもんやから」

「わかります。さっきの解散を踏みとどまった話に戻るんですけど、お笑い続けようって決めたときに、やれそうなことをバーッと書き出したんですよ、『コント』とか『ものまね』とか。そこからできないものを全部消していったらほとんどなくなって、『漫才』と『ネタ』だけが残った」

「生粋の芸人やな」

「じゃあこれで一番を目指して、無理やったら辞めようって決めて、それからケンカもしなくなりました。そしたら、その翌年にTHE MANZAIで決勝に行かせてもらったんです」

「学天即は“漫才の専門店”になったんやな。そうなると、もう東京とか大阪とか関係ない。俺らが東京に出ていかなくても、東京の人たちが俺ら専門店のお笑いを見に大阪に来てくれたら、そんでええな」

 

「友達になろう」の代わりが「飲みに行かへん?」

「いやぁ~、3軒ともいい店やった!よく食べたしよく飲んだ。おもろかったなぁ」

「ホンマに今日はありがとうございました! てつじさんと飲むのは初めてで緊張しましたけど(笑)、やっぱりお酒の席だと、ついいろいろ話し込んじゃいますね」

「飲みに誘うのって、誘う時点で『仲間になりたい』ってアピールやん。大の大人が『友達になろうぜ』って言いにくいから、その代わりに『お酒飲みに行かへん?』って言葉があるんやろな」

「なるほど〜! 誘われたらちょっと恥ずかしい気もするけど、嬉しいですよね。僕も最近相方と飲みに行ってないんで、今度誘ってみますわ!」
 

グルメなエピソードとともに、熱い芸人論も飛び交う濃い時間を過ごした二人。初めてのサシ飲みとは思えないほどウマが合うように見えたのは、ウマい料理とウマいハイボールがあったからかもしれません。

「友達になろう」「仲良くしよう」と直接言うのが恥ずかしいときに使える魔法の言葉「お酒飲みに行かへん?」で、今夜は仲良くなりたい人を誘ってみませんか?
 

ライター紹介

芳賀直美
芳賀直美
フリーライター/編集者。神奈川県出身。WEB制作会社、編集プロダクションを経て2016年に独立。カルチャー、美容、グルメなど、ジャンル問わず執筆中。パンダとお酒が好きです。

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