人は食べたものでできている。食べ過ぎれば脂肪がついて体重が増えますよね。
でも、それは食べたものが体の中で消化、吸収されて、血液や肉になるという話。
今回検証するのは、そんな難しい話ではなく「1キロの肉を食べたら、食べる前より体重が1キロ重くなるのか?」というシンプルな検証。
そんな小学生が思いつきそうな疑問を、大人が体を張って真面目に検証してみようと1人の男が立ち上がりました。
ちょっと不安そうな表情の川崎くんと一緒に訪れたのは『にくスタ 南蒲田店』。
にくスタは、塊肉(かたまり肉)ステーキとサラダバーが看板商品のステーキ専門店です。
元気で明るい笑顔のスタッフさんが出迎えてくださいました。
今回検証のために用意していただく塊肉は、この『トマホークステーキ』。
家族や友人と訪れてシェアというコンセプトで用意されたメニューなのだそうですが、今回はこの塊肉を川崎くん1人で食べて検証します。
骨の重さも含んでのグラム数ということで、およそ1.4キロ(1,400g)のトマホークステーキをオーダー。
肉を焼いてもらっている間に、まずはお腹ペコペコだという川崎くんの現在の体重を測定。
71キロとキリのいい数字。さて、このあと1キロの肉を食べて1キロ体重が増えるのか、乞うご期待です!
圧巻のボリュームのトマホークステーキの入場!
体重測定を終え、検証に望む気満々で待ちわびていると、厨房の方からベルの音を鳴らしながらトマホークステーキが運ばれてきました。
あれれ?運ばれてきたと思ったら私たちのテーブルの前を通りすぎて店内を一周。居合わせたお客さん達もその大きさに驚きを隠せない様子。中には二度見する人も。
目の前にトマホークステーキがどーんと置かれました。
このトマホークステーキは牛のリブロースの部分。大きな骨は牛の肋骨になります。
「で...でかい...」
これ以外の表現が浮かばない様子の川崎くん。益々不安そうな表情に。
それもそのはず。ボリュームが人気の立ち食いステーキ店でも1人前はおよそ300g。確実にその3倍以上はあるわけですから。
「漫画以外でこんな肉見たことないっす」
もう笑うしかありませんね!
いよいよ検証スタート!
「ところで、一体どこからどうやって食べるんだ?」
こういきたいところだけど、違うよね…。
スタッフの方に教えていただき、まずは骨と肉を切り離します。
「思ったより柔らかくて切りやすい」。
無事に切り離し完了。
大きさが伝わりにくいので、500円玉と比較。いかがですか?この大きさ伝わってますか?
ちなみに厚さも相当なもの。500円玉が直径およそ2.6cmなので、厚さ5cmはありそうですね。
一口サイズに切り分けて
「いただきまーす」
「うまーい。
…すみません、ボキャブラリー少なくて」
いや、顔の表現力はありますから、十分です。この表情を見れば、その美味しさが手に取るようにわかりますよ。
塩、こしょうで下味がついているので、しばらくはこのまま食べて肉本来の旨味を楽しんでもらいましょう!
レアに焼き上げられているので、プレートについた焼き石で好みの焼き加減にすることができます。
続いて、ステーキについてくる醤油ベースのステーキソースをつけて。
黙々と食べ続けることおよそ15分。およそ半分を食べきりました。
「これ、多分最後までイケますよ!まだまだ余裕ですもん!」
自信に満ち溢れた様子です。
残りの半分は冷めてしまったので、もう一度厨房で焼き直していただきました。
その間に川崎くんは急にと立ち上がり、
わさび醤油、ポン酢。
おろしにんにく、タバスコを持って戻ってきました。
どうも味変作戦に突入の様子です。
さあ、あと半分無事に食べきることができるのでしょうか!?
味を変えたことで、ペースを落とすことなくどんどん食べ進んでいきます。
ちなみに川崎くんのイチオシはタバスコだそうですよ。
食べ進めるうちに、自分好みの焼き加減もわかってきた様子。赤身はレアで。
脂身はよく焼いて食べるのが美味しいのだそう。
食べ始めてからおよそ40分。なんだか急に手が止まり、表情に変化が。
目がどこかに行っちゃってる…。
「急にどーんって来た。結構お腹パンパン」。
今回、厳密に数値を検証したくて、ここまで水すら飲まずにひたすら肉だけを食べ続けました。
しかし、この表情を見てスタッフの方がそっと近寄り、あるものを差し出したのです。
そのあるものとは、パイナップル。
「自分たちも肉を焼く練習したり、その肉を味見したりするんですけど、肉を食べ疲れたらパイナップル食べるんです。そうすると不思議とまた肉が進むんですよ」と教えてくれました。
優しい!優しすぎるよ、スタッフさん。いつしか川崎くんに「頑張ってー」と声がけしてくれるスタッフさんまで。
そんな優しさに応えたくて、川崎くんパイナップルをひと口。
「本当だー。口の中スッキリした!これで最後までイケそうです!!」
よかった、どうも持ち直した様子です。
最後は骨についていた肉までしっかりこそぎ落として、見事すべての肉を完食しました!
ごちそうさまでした。
お腹いっぱい、最後まで美味しくいただきました!
見ていただけの私まで達成感に満たされ、本来の目的をついつい忘れそうになりましたが、そうだ、肝心な体重の測定をしなくては!
まずは残った骨の重さを計測。
体重計の上に牛の肋骨ってRettyグルメニュース史上、稀に見るシュールな絵面…
骨の重さは0.3キロ。ということは、川崎くんの食べた肉の重さは1.4キロ−0.3キロ=1.1キロ。
そうすると、スタート時の体重が71キロだったので、計算上72.1キロになっているはず。
※パイナップルは1切れ食べちゃったけど、これは100g(0.1キロ)にも満たないため、考慮しないものとします。
いよいよ計測!結果はいかに!?
71.9キロ。
あれ?0.2キロどこに消えた?
スタッフの方によると、焼いている間に脂や水分が落ちるため、1キロ超えの肉ならば、0.2キロ(200g)程度の減少は考えられるとのこと。
一方川崎くんによると、「半端ない汗っかきなんで、食べている間に0.2キロ(200ml)くらいの汗かきましたよ」だそう。
まあ、200mlの汗はちょっと考えにくいので、おそらく前者の焼いている間に抜け落ちた脂と水分の量が0.2キロ程度というのが正しそうな気がしますね。
ということで、
「人は1キロの肉を食べたら1キロ体重が増えるのか?」
というお題に対しては
「人は1キロの肉を食べたらほぼ1キロ体重が増える」
という結論が出ました!!(拍手〜パチパチ)
肉を食べたら野菜もバランスよく食べてね!
さて、ここまで検証を終え、大きな仕事を成し遂げた満足そうな表情の川崎くん。お疲れ様でした。
では、ここからは管理栄養士のわたし尾花が、本業の栄養の豆知識を少しご紹介します。
にくスタのもうひとつの看板商品が『サラダバー』。肉料理に790円プラスすれば、サラダのほか、ご飯、スープ、フルーツ、デザートなどが食べ放題なんです。季節ごとに内容は変わりますが、「にく(29)」にかけて常時29種類が並んでいます。
ちなみに、このサラダバーの野菜には、ワタミグループの畑で育った有機野菜も含まれているのだそう。
そこで、今回は肉を食べる人にぴったりの栄養バランスの良い食べ合わせをご紹介します。
管理栄養士目線で、いま川崎くんに食べてもらいたい盛り合わせがこちら。
奥から時計回りに「水菜のおひたし」「プチトマト」「切り干し大根」「海藻サラダ」「オニオンスライス」です!
まず、肉をはじめとする動物性食品は酸性に分類されます。酸性の食材を過剰に摂り続けると、糖尿病など生活習慣病のリスクが増えるという研究結果も。そこで動物性食品を食べる際には、一緒にアルカリ性の食品を摂るように心がけましょう。
わかりやすいのは、水菜やプチトマト、切り干し大根の中に入っている人参な色の濃い野菜(緑黄色野菜)です。おひたしや煮物になっていると、かさが減るので、サラダよりもたっぷり食べられるのも嬉しいですよね。
そして海藻に含まれる水溶性食物繊維は、肉に含まれる脂肪を包み込み、腸での脂肪の吸収をさせにくくしてくれますよ。
ドレッシングも5種類から好きなものを選べるようになっていますが、肉をたっぷり食べたらオイルが少なめの和風ドレッシングを選ぶようにすると、口がさっぱりしますし、バランス的にもバッチリですよ!
そしてもうひとつ。玉ねぎに含まれる硫化アリルは、善玉コレステロールを増やして血液をサラサラにする効果が期待できるため、肉料理の際に一緒に食べるように心がけてみてくださいね。
美味しい塊肉とサラダバーのにくスタ。今回は検証のため1人でおよそ1キロの塊肉をいただきましたが、数人でのシェアが可能ですので、肉をシェアして一緒にサラダやデザートを楽しむこともできますよ。大喰い自慢の方はもちろん1人でチャレンジしてみてくださいね。
ここでお得な情報をひとつ!
今回ご紹介したトマホークステーキ。現在は1gあたり7円で販売していますが、6月20日から1gあたり6円に値下げが決定!つまり、今回の1.4キロのトマホークステーキが1,400円引きで食べられるということ。これはお得ですね!
『にくスタ』でがっつり肉を食べてスタミナをつけて、これから本格的に暑くなる季節に備えてみませんか?
- カタマリ肉ステーキ&サラダバー にくスタ 南蒲田店
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東京都 大田区 南蒲田
ステーキ
執筆・監修
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尾花友理
- 給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談など経験したのち、料理研究家のアシスタントとしてレシピ開発、料理講師、テレビや書籍の撮影アシスタントなどとして活動。その後、レシピサイト運営会社において管理栄養士として調理や食の安全に関す業務などに従事後、独立