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繊細な口どけの虜になること間違いなし。「雪うさぎ」のかき氷は見た目のインパクトだけにあらず

かき氷は夏だけの食べ物ではない

今さら言うまでもないことかも知れないが、かき氷は夏の屋台だけの食べ物ではない。

通年楽しめるスイーツの一カテゴリーとしてかき氷は認知されつつある。実際、一年中かき氷を提供するかき氷専門店の数も増えており、冬であっても週末ともなれば人気店には長い行列が出来る。

しかし、いまだかき氷は夏の食べ物だという固定観念を持っている人が多いのも事実だ。

この記事もそうだが、かき氷の記事を書いてくれというオファーが多いのが圧倒的に夏であることがその証左だろう。こうしてさらにかき氷は夏の食べ物であるというイメージが固定化されていく。困ったものだ。

繰り返すがかき氷は夏だけの食べ物ではない。

しかし、冬にかき氷を食べると言おうものなら嘲笑にも似た口調でこう言われる。

「冬にかき氷なんて食べて寒くないですか?」。

それに対して私は「じゃあアレか、君は冬にはアイスは喰わんのか、冬の生ビールは冷えているよりも温めでねと頼むのか、んぁ?」と問い質したいところなのだが、ぐっと堪えて「お店の中は暖かいし、熱いお茶も出てくるんだよぅ」などと話を合わせたりする。

ライター紹介

山路力也
山路力也
フードジャーナリストかつ、ラーメン評論家でもあり、かき氷評論家でもある。「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を常に考えながら、テレビ・雑誌・ウェブなど様々な媒体で活躍。

かき氷ブームを牽引し続ける人気店

仕事柄、新しいかき氷店が出来たと聞けば足を運んで食べ歩くようにしているが、それでも繰り返し何度もリピートする店がある。桜新町駅から玉川通りに向かって歩いていくと、多くの人だかりが出来ている店。それが「雪うさぎ」だ。

こちらは同じ敷地内にある焼肉店「韓々」や蕎麦店「五大」と同経営。もともとは「五大」でデザートとして提供していたかき氷が人気となって、2014年にかき氷専門店として新たにオープン。すぐ行列の絶えない人気店へとなった。

さらに全国で行われるかき氷イベントやデパートなどの催事にも積極的に出店し、かき氷ファンの拡大にも注力している。現在のかき氷ブームを醸成し、牽引し続けている店のひとつといって良いだろう。

繊細な「削り」と豪快な「盛り」がファンを魅了する

雪うさぎのかき氷の魅力とは何か。

まずフォトジェニックでインパクトがあるビジュアルが挙げられる。かき氷が運ばれると歓声が上がり、普段料理の写真など撮らないような人でもつい撮影したくなってしまうかき氷。果物をそのまま器に使ったり、エスプーマや生クリームを駆使してケーキのように仕上げたりと、その盛りつけは華やかで豪快だ。

また、店名と同じく雪のように繊細な口溶けも雪うさぎのかき氷の特徴だ。

純氷の温度をギリギリまで上げて柔らかくした氷を使い、氷の状態を見極めながら削るスピードを変えて薄く削っていく技術はまさに職人芸。

途中で何度もシロップや自家製ミルクを含ませながら味を重ねていき、時には具材も中に忍ばせながら積み上げていく。食べ始めから食べ終わりまでしっかりと味がして、最後まで飽きさせることがないかき氷なのだ。

多彩なレギュラーメニューと限定メニュー

そのメニューの数も実に豊富。雪うさぎでは常時提供しているレギュラーメニューだけでも20種類以上ある。

数ある中でまずオススメしたい一品は「塩キャラメルグラノーラ」。

とろりとした食感の甘塩クリームに自家焙煎キャラメルソースの見事なコンビネーション。そこにたっぷりのグラノーラが加わることでクリスピーな食感も楽しむことが出来る。

かき氷といえば苺、という方には「いちごのフロマージュ」がオススメ。

自家製のいちごシロップにミルクという鉄板の組み合わせに、マスカルポーネチーズを合わせた一品は、食べ進めるごとに美味しさが立体的に増していく重層的な味わい。今までのいちごミルクの概念を覆す美味しさだ。

さらに雪うさぎのお楽しみは、その日その時期にしか提供されない「裏氷」があること。レジのところに置かれているホワイトボードに、その日食べられる限定メニューが書かれている。

レギュラーメニューはすべて食べた私だが、この限定メニューがあるので行くたびに新しい味と出会うことが出来るのだ。

「柑橘MIXヨーグルト」はエスプーマ仕立てのヨーグルトソースがふわふわ氷とマッチ。旬の柑橘類の果肉もゴロゴロ入って食べ応えも十分。

「スペシャル生メロンみるく」はメロン半個を器に使った贅沢なメニュー。かき氷はもちろんメロンもたっぷり食べられる。いずれも数量限定なので早めに行くことをオススメする。

狙い目は平日の食事時。週末は数時間待ちも覚悟

そんな雪うさぎの楽しみ方をアドバイス。

まず行くタイミングだが、週末は数時間の待ちが出来るので避けて平日を狙おう。平日でも暑い日などは常に店の前には行列が絶えないので、ちょっと曇り気味の平日で時間もお昼時か夕食時ならば、比較的待たずにスッと入ることが出来るだろう。

またメニューの楽しみ方としては、まずレギュラーメニューの中からお気に入りを一つ、さらに裏氷の中から一つ選んでみたらどうだろう。一人で行っても注文時にお願いすれば時間差で出して貰える。

しかし、それでもまだまだ食べたいメニューがあるはずなので、ぜひ友人などを誘っていくつものメニューをシェアしながら楽しんで欲しい。

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