2018年も半分が過ぎようとしているが、今年はこれまで以上に「麺」にこだわるラーメン店が目立っている。
そんな潮流のなか、5月に下北沢に注目の新店がオープンした。
その名も「純手打ち 麺と未来」。
店主は30歳の若さながら、なんとラーメン職人歴15年。多くのラーメン店を渡り歩いてきたという。
自慢の一品は、特製塩ラーメン。
鶏手羽先を大量に使ったスープは、澄んだ見た目に反してしっかりとコクがある。
そして、このラーメンの主役こそが麺なのである。
この麺は、店舗の奥にある製麺室で粉の状態から機械を一切使わずに作る。
手打ちを謳う店は数あれど、まったく何の機械も使わないで作るというところは意外に少ない。
だからこそ「純手打ち」を名乗っているのだろう。
粉に水を合わせてまとめ、
足で踏んでコシを出し、
棒で丹念に伸ばし、
包丁で切る。
麺を1回打つのに30分程度かかり、しかも出来あがる麺はせいぜい15食程度。
その打ち立てを使うため、麺から空気が抜けることはなく、茹でた時に麺は沈まずに浮いている。
麺の素材にも、もちろんこだわりがある。一番の特徴は、小麦粉。
もち小麦の「もち姫」のみを100%使用している。もち小麦とは、もち米と同じようにアミロースをほとんど含まない小麦のこと。
もち小麦の性質を活かすために、水分を多めに含ませて仕上げた極太麺は、表面がとろけるようなつるんとした食感。
中心に向けて柔らかさのグラデーションが形成されており、噛むと力強い弾力を味わえる。
この麺の食感、これまでの麺とはあまりにもかけ離れている。
言葉を尽くしても、実際に一度食べてみないと想像すらできないだろう。
特製塩ラーメンや海老塩わんたんめんについてくる海老ワンタンは、同じくもち小麦を使った皮に注文ごとに海老を詰めたもので、ぜひ麺との食感の違いも楽しんで欲しいトッピングだ。
白を基調とした清潔感あるこの店の外観には、明確にラーメン屋であることを示すものがない。
にもかかわらず、早くも評判を聞いたラーメンファンたちが多数訪れているようだ。
純手打ちで作られる、これまでになかった「未来の麺」はすぐにでも食べに行くべき1杯と言って間違いないだろう。
※私も出演している「ラーメンWalkerTV2」でも、「純手打ち 麺と未来」を紹介予定(6/21以降に放送予定)。ぜひそちらもご覧ください。
ライター紹介
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小林孝充
- TVチャンピオンラーメン王選手権第8回優勝。ラーメンWalker百麺人。 歴代ラーメン王によるラーメン大王決定戦で優勝し"初代ラーメン大王”に。累計13000杯のラーメンを食べたラーメン界のトップランナー。