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ドリンクのマドラーまでネギ?「ネギッチン negi negi」がネギ好きにはたまらない店だった

筆者はネギ入れ放題のラーメン屋さんにいくとあらゆるメニューが「ネギラーメン」になってしまうほどネギ好きです。

もう3回もネギって書いた。あ、4回になった。

そんなネギ好きのためのオアシスともいえるネギ専門店はいくつかあります。

なかでも、3年ほど前から東京・初台にある「ネネギッチンnegi negi」という長ネギ専門店が人気を集めているのをご存じでしょうか?

食べ物も飲み物も、様々なメニューに長ネギが使われており、鼻から口から長ネギを存分に味わってきました。

はあ、また何度でも行きたい。

ドリンクのマドラーはネギ?

もちろん普通のビールや日本酒も置いてありますが、こちらを訪れたならネギドリンクから攻めるのが定石。まずはネギハイボールで喉を潤すことにしました。

なんと…。マドラー替わりに極太長ネギの青い部分が入っています。

やや濃いめのハイボールは、ネギの香りがふんだんに入っているもの。

焦がしネギをウイスキーに付け込んだお酒から作っているハイボールなので、その香りにも合点がいくというものです。

2杯目として飲んだのは、ネギを漬け込んだ焼酎で飲むネギチュウ。

水割りですが、マドラー代わりの長ネギをストローとして飲もうと思えばいけるものですね。さらにネギが引き立つ焼酎を味わえました!

ネギ料理はどれも納得の一品

料理のそれぞれが、ネギ好きにはたまらない納得の一品でした!以下、ご紹介しましょう。

お通しのネギの浅漬け

九条ネギの白い部分を使った浅漬けです。

漬物でありながらネギの歯ざわりがシャキシャキと口の中をめぐり、香りが喉の奥から鼻に抜けていきます。

シンプルな作りだからこそ、上にかかっているゴマまで口の中で容易に判別がつきますね。

シャキシャキ、シャリシャリは幸せの歯ざわり、幸せの音。素敵なプロローグでした。

絶品ネギだれが絡むポテトサラダ

くん製ネギを漬け込んだしょう油に片栗粉を加えた、とろみのあるタレがかかったポテトサラダを頂きます。岩井ネギを使っているのだとか。

シンプルなポテトサラダも、タレと一緒に食べるとガラリ一変。玉ねぎが奥歯ですり潰されるシャリっとした感触と、ポテトのまったり。

ローストしたベーコンの香ばしさとしょう油ダレが混ざりあった頃には、箸が止まらなくなります。

一気に食べるもよし、それぞれのパーツにネギだれをつけて楽しむのもよし。そんな自由度を楽しめますね。

ネギぬた(酢みそ和え)

九条ネギを酢みそ和えにしたネギぬたを頂きました。

オーソドックスな酢みそ和えながら、主役はマグロでもタコでもないネギ。ネギはぬたの脇役と思っていると、ここで認識を改めさせられます。

白みそが甘く、お酢の酸味と長ネギの香りにピッタリ。軽く熱を通していますが、歯ざわりを完全に残しているのがポイント。他のメニューよりも、断然歯ざわりが「ネギ」なんです。

筆者にとっては「これをちびちび食べているだけで、一晩通して日本酒が飲めるか」という好きな酒のアテの基準がありまして、例えばおいしいなめろうなどがそれにあたるのですが……。

このネギぬたは間違いなく日本酒とあわせて一晩過ごせる相棒になりますね。

千寿ネギのローストは、ネギ好きにとってのステーキ

「せんじゅねぎ」の文字を見て

え?千住で採るから千住ネギじゃないの?

と思った方。正解ですけれど、不正解です。

千住には日本で唯一長ネギの市場があって、最も良い長ネギだけを農家さんが持ち寄るんですね。そして競りが行われます。

太さや糖度によって価値が決まり、そのブランドネギを、一般的にこの地域で採れた「千住ネギ」と差別化して「千寿ネギ」と呼ぶのだそう。

ネギの糖度ってなんだ?と思われるかもしれませんが、冬の高いときで17度。夏でも12度の糖度があるんですよ。

おいしいメロンの糖度がおよそ16度くらい、一般的なスイカの甘い部分で糖度が12度くらい、最も甘いと言われるイチゴのスーパージャンボという品種でも糖度は15~18度と言われています。

いかに千寿ネギの糖度が高いかが分かるというものです。

前置きが長くなりましたが、その千寿ネギのローストを頼めます。聞けば、来店したほとんどのお客さんが注文するそうで、一本分、丸々焼いてくれます。

それを、スタッフの方に切っていただいて。さあ、食べましょう。

わああああああああ。

ネギのステーキですよ。これは。

まずは塩につけて食べてみました。切ったネギを箸で持つと、芯に近い内側部分がニュルンと滑るのだけれど、それを抑えつつなんとか口に運びます。

いやぁ、甘い甘い。青い部分はネギの香りが強くて甘い。

白い部分はよりさっぱりと甘いんです。甘さにもいろいろあります。そのネギの甘さが塩できりっと引き締められて、個人的にはみそよりも塩ですね。

甘さも引き立ちますし、ネギの味がよりわかります。みそもおいしいので、お皿を片付けられる前に小皿などに取り分けておきたいところです。

千寿ネギの天ぷらと生の千寿ネギの食べ比べ

甘い千寿ネギを、今度は天ぷらでいただくことにしました。

特別に一切れだけは生の千寿ネギを頂けないか、お願いをしてしまいました。

なぜって、長ネギは辛いものなんです。そして辛ければ辛いほど、火を通したときに甘くなるんです。

つまり、あの甘い千寿ネギを生で食べれば、最高の辛味を味わえると思ったんです。

出てきました、千寿ネギの天ぷら。麗しいルックスをしています。中は熱いから十分に注意が必要。これも塩で頂きます。

ネギ、甘っ!ほっこりとしつつ、シャキッとした歯触りもありつつで、ネギの強い香りがすうっと入ってきます。

薄めの衣はネギを何ら邪魔することなく、ふわっ、さくっとした歯触り。

さて、いよいよ楽しみにしていた生の千寿ネギを頂きます。ローストやてんぷらで食べた甘味が、生ではどうなっているでしょうか?

とりあえず塩をつけましょう。

……辛い。舌に軽い痛みを感じてるかも!というくらいの辛味です。

そして熱したときの100倍はするんじゃないかという香りが口の中に広がってきます!

俗にいうネギ臭さというものでしょうか。筆者はこれが大好きで、口内に広がるネギの香りにあらゆる表情筋が緩んでしまいそうです。

改めて天ぷらを口にすると、なんとマイルドで、なんと上品な香りのネギになるんだろう。生は野生の味。火を通すと洗練された文化的な味。

この二面性、まさに味覚のダブルスタンダード。だからネギはうまいんだ。

冬にまた訪れたい

店舗には常時8〜9種類のネギがあるそうで、冬にはネギしゃぶ鍋もあるとか。ネギの食べ比べもできるそうです。

「千寿ネギの糖度が高くなって、さらに美味しくなる冬にぜひまたお越しください!」

そうスタッフに言われてしまったら、また来ないわけにはいかないでしょう。早く冬がこないかな。そう期待を膨らませて店を後にしました。

ライター紹介

奥野大児
奥野大児
ブロガー・フリーライター。250人ほどが集まる日本最大級のブロガーイベント「ブロガーズフェスティバル」の実行委員長。ライティングはIoTやクラウドサービスの関連記事から食レポ・階段まで様々。趣味は愛好歴35年にもなる将棋でアマ三段。特技は初めていった居酒屋さんで常連のような扱いを受けること。
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