こんにちは、釣りアンバサダー中川めぐみです。
この連載では「釣り」や「美味しい魚」を切り口に、日本各地の魅力的な人やお店をご紹介します。
ライター紹介
全国の海を飛び回り、いろんな海の食材に触れる私が、いま特に注目している食材は「ほや」。
先日のRettyグルメニュースでも「ほや」の記事を書かせていただいました。
▼前回の記事
どんな役もこなす個性派ベテラン俳優?フレンチシェフが教える、珍味「ほや」の圧倒的魅力
新鮮なほやは本当に美味しくて、和で、洋で、アジアンで、と色々な食べ方で楽しめるのです。
「私ってほや好きだな〜」なんて思っていましたが、私どころじゃないほや好きの女性がいるとの噂が!
しかもその女性、「ほやほや学会」なる団体を立ち上げ、その代表を務めているらしいのです。
「ほやほや学会」って何? その女性は何者なの!?
さっそくインタビューの許可をとり、その真相を確かめに行ってきました。
ほやを愛しすぎている美女、登場!
待ち合わせの場所は、上野駅から徒歩5分ほどにあるラーメン屋「さんじ」さん。
- さんじ
-
東京都 台東区 東上野
ラーメン
「ほやほや学会の会長」ということで、てっきり「ほやの専門店」に伺うかと思ったら、まさかのラーメン屋指定です。
そこに現れたのが、こちらの美女!
はじめまして。今日はよろしくお願いします!
はい、よろしくお願いします。今日は“ほやの魅力”をたっぷり語らせてください。
私も最近ほやにハマっているので楽しみです。ところで、ほやを食べに行くと思ったらラーメン屋さんなんですね?
実はさんじさんでは、月に数回限定で「ほやラーメン」を出しているんです。
え!ほやのラーメン?
はい、私はその大ファンで……。ぜひ味わっていただきたくて、さんじさんを指定したんです。
それにしても「ほやラーメン」どんな味なんだろう?
人気すぎて販売日は非公開の「ほやラーメン」
(ほやラーメンの調理中)
店主「はい、お待たせ。ほやラーメン(冷やし)です!」
きゃ〜!きゃ〜!美しい〜!
(田山さんのテンション…)
てっきりほやの身がドン!と乗っているのかと思ったら、トッピングはお肉なんですね。
でも、食べると驚くほど「ほや」なんですよ〜。食べてもいいですかね?
あ、もちろんです!
ずずず・・・
おいしい〜〜〜〜〜!
ええ、ホントですか!私もひとくち!
美味しすぎる!!何このスープ!
ウニとか蟹味噌とか、濃厚な珍味を全部入れて、臭みだけキレイに抜きました、みたいな味しません?
ああ、めっちゃわかります!私、このスープだけで日本酒いけます。
濃厚なのに繊細な味で、ほやのネガティブな要素が一切ないですよね。麺を食べる前にスープだけなくなりそう。
スープがなくならないうちに麺いきましょう!
ぐすん…。
どうしました!?
おいしすぎて…。
嬉し泣き!(笑)
さんじさんの「ほやラーメン」はすごい人気で、事前告知すると長蛇の列ができちゃうから、販売当日にSNSで発信されるのを見てお店へかけつける!っていう、超レアなラーメンなんです。
それはすごい!さんじさんは、もともと「ほやラーメン」を出されていて知ったんですか?
いえ。前に「ほやほや学会」として、某飲食イベントにブースを出したことがあって。そこで、ほやから取る出汁「ほや出汁」のすごさをプレゼンしてたんですが、なかなか受け入れてもらえず…。唯一「やるよ!」と話を聞いてくれたのが、さんじさんだったんです。
じゃあ、この人気ラーメンが生まれたのは田山さんがきっかけだったんですね!
きっかけといえばきっかけですが、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ほや好きにも、苦手な人にも受け入れられる「ほやラーメンの最高峰」の味だと思っています。
「ほやほや学会」というワードが出てきたので、そろそろお話を伺ってもいいですか?
あ、ちょっと待ってください。ゴクゴク・・・。(最後の一滴まで完食)
どうぞ。
さ、さすがです。
「ほやほや学会」の謎に迫る!
そもそも「ほやほや学会」とは何ですか?
ほやほや学会は、ほやの「認知度向上」「消費拡大」を目的とした団体です。
団体を立ち上げたきっかけはあったんですか?
東日本大震災ですね。実は私、東日本大震災の緊急支援団体に属していて、当時から被災地に何度も足を運んできました。
そのなかで、ほやとの出会いが?
はい、いろんな企業と共に現地を視察して回ったのですが、特に深刻な課題として浮かび上がってきたのが「ほや」だったんです。
当時、ほやの養殖場が壊滅的な状態だったと聞きました。
ほやは宮城が日本一の生産量を誇っていて、まさに一大産業なんですよ。それなのに養殖場はひどい状況で…。さらに、生産量の約8割を販売していた韓国から「輸入制限」をかけられてしまったんです。
生産に続いて、販売まで困難に…!
地元の漁師さんはもちろん、加工会社や卸企業も困っていて…。この問題をなんとかしないといけないと思ったんです。
それで「ほやほや学会」を?
そうです。私が個人でほやを購入しても状況は変わらない。でも、ほやの魅力を発信し続けてイメージを変え、国内の販路を拡大することができたらと考えたんです。
イメージを変えるとは?
ほやって知名度が低いし、知られていても誤解されていることがほとんどなんです。本当はすごく美味しいのに、匂いがある、クセがあるってイメージが付いちゃっていて。
鮮度維持が難しいから、本当においしいほやを食べたことのある人って実は少数なんですよね。
そうそう。なんだかめっちゃ良い奴なのに誤解されて嫌われてるクラスメイトみたいに思えてきて…。それ以来、ほやを放っておけなくなって、私がその誤解を解いてあげなくちゃという使命感で活動しています(笑)。
「ほやラブキャンペーン」「女だらけのホヤ会」ほや尽くしなイベントの数々
「ほやほや学会」では具体的にどんな活動をされているんですか?
まずは、認知度向上が大切だと思っているので、そのためにイベント企画やSNSでの発信をしています。
イベントはどんなことを?
定期的に都内などで「ほやを食す会」をしていますが、一番盛り上がるのは現地に行く「ほや尽くしツアー」ですね。
宮城へ行くんですか?
はい、宮城の中でもほやの養殖が盛んな「女川」に最大40名を連れていって、とにかく「ほや尽くし」な1泊2日を体験してもらいます。
ほやの漁を見て、料理教室をして、ほや料理を出すお店をはしごして。でもシンプルに「船の上で収穫したてのほやを剥いて、プルンと食べる」のが1番幸せです!
うわ!それは贅沢!
ほやって浜ごとに味が違うので、食べ比べも楽しいですよ。その他には「女だらけのほや会」もやっています。
女だらけの?
関東と関西で、それぞれ30人くらいの女性に集まってもらって、15種のほや料理を食べていただきました。
ほや料理で15種類ってすごいですね!
牡蠣って生は食べられないけど、フライなら好きって人もいるじゃないですか。ほやも料理のレパートリーが増えたら好きな人が増えるんじゃないかと思って。
結果はどうだったんですか?
これが大成功!ほやの天ぷらとビスクはほぼ全員がおいしいと。
素晴らしい!天ぷらとかもありなんですね。
ありですよ〜!ほやって何でも合うんですから。カレー、冷やし中華、フルーツゼリー、お弁当…etc。
想像が追いつかない(笑)。
ほやって、五味が全てそろったスーパー食材なので、いろんな料理と合うんです。例えば、フルーツゼリーだと、ほやの甘味や酸味がフルーツと合います。
お弁当にはどうやって?ほやが痛みませんか?
冷凍した剥きほやを入れるんです!色合いも黄色で鮮やかだし、保冷剤代わりになって、お弁当全体が痛まなくなるんです。
すごい発想!ほやほや学会、おそるべし…!
ほやの誤解を解くその日まで
「ほやほや学会」として、今後の目標はあるんですか?
レシピコンテストや、ほやへの愛を発信する「ほやラブキャンペーン」を、飲食メーカーさんを巻き込んでやりたいです。パクチーでいう「パクチニスト」みたいな言葉をつくって、ほやの伝道師を増やしていきたいです。
ほや料理の新しい可能性を見つけるために、7月10日から8月末まで「ホヤのレシピコンテスト」を行っています。中川さんもぜひ投稿してください!
田山さんのような伝道師が増えていったら、ほやの誤解が解ける日が来るかもしれませんね。
はい!今もほやの魅力をほやほや学会のFacebookやInstagramで発信しているので、みなさんぜひ見てください!
今日はありがとうございました。
とどまるところを知らない田山さんのほやへの愛。
ここまで読んでいただいたみなさん、一度まっさらな気持ちでほやと向き合い、さんじさんの「ほやラーメン」をはじめ、本当においしいほや料理を食べてみてください。
きっと誤解が解けて、ほやの魅力にどっぷりハマってしまいますよ!
- さんじ
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東京都 台東区 東上野
ラーメン