それぞれの食のジャンルのプロであり、グルメな世界で実際にお仕事をされており、テレビ、雑誌等のメディアで活躍する著名な方々である「TOP USER PRO」。
そんな「TOP USER PRO」は、まさにプロだからこそ知ることのできる情報を惜しみなく私たちに教えてくれる、頼もしい存在です。
日本唯一の四川料理のガイドや魅力を発信し続け、四川省も認める四川料理を知り尽くした中川正道さん。そんな中川さんが、6月28日よりこの「TOP USER PRO」にジョインすることとなりました!
Retty TOP USER PRO
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中川正道
- 四川省公認の四川料理の専門家、麻辣連盟総裁、四川フェス主催者。著者に「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」。
「辛い料理」という印象のある、四川料理。しかしながら、本当は日本人に一番馴染みのある中華料理だというのはご存知でしたか?
甘み、辛味などとは違う新概念「しびれ」を楽しめる四川料理。その魅力と面白さについて伺ってきました。
自衛隊を経験後、アジア放浪の末に出会った四川料理
中川さんは、いつから四川料理に興味を持つようになったのでしょう?
「実は僕、高校卒業後に自衛隊にいて。そのあとに、お金を貯めては世界をまわっていて、ずっとアジアを放浪していました。そのときに一番料理が美味しかったのが、中国だったんですよね。その影響もあって、15年前に中国・四川にある四川師範大学に留学しました。
日本ではなかなか味わえない、麻辣(マーラー)の味。現地の味は本当にたまらないほど美味しくて、日本ではなかなか食べられない味なんですよ」
「その後、休職してアイルランドで過ごしていたときに、アイルランドの皆さんに四川料理を振舞ったらこれが美味しいと大好評で。もっと作って、とリクエストされるんです。やはり四川料理は世界中に理解してもらえる魅力ある料理だと、改めて再認識しました。
最初は四川料理のお店を自分でやろうとも思ったのですが、結果として四川の現地で四川料理の取材をやっていくことにしました。
ノウハウもない中、手探りで200店舗以上を突撃取材してサイト“美味四川”にまとめました。その後に、おかげで四川料理のガイドブックも書かせていただきました」
「その後、四川料理を愛する人たちのグループを作ったり、四川フェスなども開催しています。ピリッと風味豊かな“しびれ”を存分に楽しめるフェスでは、東京を赤く染めることをコンセプトに掲げ、四川料理の魅力を発信しています。
また、四川省にご招待いただき、四川に伺ったこともあります。こういった四川料理を海外で一所懸命広げている人は珍しいみたいで、でもそれを公認で褒めていただけて嬉しかったですね」
四川料理、その定義とは?実はあれもこれも四川料理!
そもそも四川料理って、とにかく辛いイメージがあるんですが……。
「そう思っている方も多いようですが、実は四川料理って半分ぐらいは辛くないメニューだったりします。
使う食材もピーマンや豚肉など、スーパーで買えるものがほとんど。内陸なので、川魚を使った料理なども多いですね。四川料理は、中国人にとってはアットホームな家庭料理なんですよ。白いご飯がいかに進むかという味付けやボリューム、これがポイントです(笑)。
また、四川料理最大の特徴としては、“しびれ”が入るところが特徴としてあげられます。花椒(ファージャオ)という名前の実を入れることが多いですね、日本でいう山椒に似ているものです。特に若い人は辛いものが好きな傾向にあって、刺激強め系を求める傾向にあります」
「皆さんご存知ないだけで、日本で親しまれている中華料理のほとんどは四川料理だったりします。クックドゥなどのメニューのうち7割ぐらいの料理は四川料理ですね。
麻婆豆腐に、回鍋肉。火鍋料理だって四川料理です。ね、なじみがありますよね?
海外で寿司が広がって、海外では独自の寿司も生まれました。カリフォルニアロールなんて、逆輸入メニューになりました。
だけど、日本人の僕らって外国人に本当の基本的なお寿司も知ってほしいですよね。
それと同じように、日本人向けに愛される四川料理の味付けを楽しむのもいいですが、実は現地の本格的な味もあるんだよってことも知ってもらえたら嬉しいですね。
ちなみに、汁あり担々麺は日本から逆輸入されて中国で定番化したメニューです。もともと回鍋肉は中国ではニンニクの葉を使うことが多いのですが、日本ではあまり手に入らないのでキャベツで代用されたのが我々の知っている回鍋肉ですよね。これも今や中国では逆輸入されてあちらでもキャベツ回鍋肉は親しまれています。でも現地では、それを"回鍋肉"とは呼びたくないようです(笑)。面白いですよね」
まるで現地の味。日本で食べられる最高の四川料理は?
そんな四川料理に興味持ち始めた初心者に、まずは行ってほしいイチオシのお店を教えてください!
天府舫・西新宿
「西新宿の天府舫 (テンフファン)は、優しめの味付けでとっつきやすいかもしれません。ここは珍しく、料理長からオーナーまで全てが四川出身というお店なんです。
麻婆豆腐や回鍋肉など全て美味しいのですが、鶏米芽菜がイチオシ。これは鶏ムネ肉と甘長トウガラシと芽菜(中国青菜の漬物)を細かく刻んだ料理で、絶品ですよ」
- 四川料理 天府舫
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東京都 新宿区 西新宿
四川料理
華美・横浜伊勢佐木町
「横浜の中華街にも、隠れた名店があります。その名も華美(はなび)。四川を代表する特級厨師・楊聡シェフの料理がなんと290円から食べられる、まさに奇跡のようなお店。客層も中国人がほとんどという、まさに信頼できる本場の味です」
- 華美宴
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神奈川県 横浜市中区 長者町
四川料理
麻布長江/西麻布
「麻布にはおすすめのお店が2つあります。まず最初は、麻布長江 香福筵(こうふくえん)。進化系四川料理ともいえるお店で、今後の中華料理界を盛り上げてくれるお店になること間違いなしです。挑戦的な素材の使い方が見どころです」
- 麻布長江 香福筳
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東京都 港区 西麻布
中華料理
「もう1つは、飄香(ピャオシャン)。中国人が行っても日本人が行っても楽しい店で、日本で一番美味しい四川料理のひとつだと思います。日本人シェフによる四川料理が楽しめるんですが、古典的な四川料理のメニューを忠実に作ってくれる今では珍しい存在です」
- 老四川 飄香 麻布十番本店
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東京都 港区 麻布十番
四川料理
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実は日本人の私たちに馴染み深い、四川料理。
その真の魅力に気が付けば、もっと美味しさを楽しめるに違いありません。
新感覚の“しびれ”を楽しめるお店の数々は、まさに日本で楽しめる四川省。
身近に楽しめる小旅行気分で、ぜひその味を味わってみてくださいね。