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1粒1000円のイチゴを生産するために大切にしてきたこと

みなさん、こんにちは!

クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」で働きながら、旅するおむすび屋として全国でおむすびを結ぶ活動をしている菅本香菜です。

仕事でも副業でも地方に呼んでいただくことが多いため、東京が拠点ながら月の半分ほど地方に出かける日々。

そんな中で、地域の美味しすぎる食材に出会ったり、各地で挑戦している生産者のみなさんに出会ったり……とっても刺激をいただいています。

ただ、魅力もたくさん感じる一方、地方の課題について伺うことも多くあります。「後継者がいない」「稼げない」「好きな仕事が見つからない」などなど。

地域の方々にたくさん学ばせていただいているからこそ、みなさんの課題を解決するきっかけとなる情報をシェアしたい!そこで、今回は新しい農業の形を切り開いている方をご紹介します。

農業生産法人GRA代表の岩佐大輝さん

農業生産法人GRA代表の岩佐大輝さん

生まれ故郷である宮城県山元町で、ITを駆使した農法を用いて1粒1000円の食べる宝石「ミガキイチゴ」を生産されている岩佐大輝(いわさ ひろき)さん。通称、「イチゴ王子」です!

▲岩佐さんが手がける宮城県山元町のイチゴ農園「ICHIGO WORLD(イチゴワールド)」は、年間2万人が訪れる人気スポット。1月~5月に開催されるイチゴ狩りは、山元町がつくる高級ブランド「ミガキイチゴ」が、1粒1000円の最高ランクも含めてとり放題。

▲岩佐さんが手がける宮城県山元町のイチゴ農園「ICHIGO WORLD(イチゴワールド)」は、年間2万人が訪れる人気スポット。1月~5月に開催されるイチゴ狩りは、山元町がつくる高級ブランド「ミガキイチゴ」が、1粒1000円の最高ランクも含めてとり放題。

農業は「守り」と「攻め」で分けて考えよう

岩佐さん、こんにちは〜!今日は、岩佐さんがどうやって山元町をイチゴで盛り上げてきたのか、ぜひ聞かせてください。

はい、何でも聞いてください。

早速なんですが、私ずっと気になっていた岩佐さんのTwitterでの投稿があるんです。

岩佐さんに農業に対する考え方を聞けば、地域の課題解決のヒントになるんじゃないかと思って……!

我ながらすごいことをつぶやいてますね(笑)。農業って、当たり前だけどとても大切です。人が生きるための食料を確保するために、そして食を産業として成り立たせるために。そこまでは理解されているんですが、両方をごっちゃに考えてしまってますよね。

一緒に考えないほうが良いんですか?

僕は「守りの農業」と「攻めの農業」とを分けて考えるべきだと思っています。まず「守りの農業」は、生きていくために国内で必要な資源を確保することです。日本は島国だからこそ、輸出入にコストが大きくかかるため国内自給率を高めることが大切。穀物をはじめとする命を支える食べ物の生産に関しては行政がきちんとお金を入れて、自給率100%を目指していくべきだと考えています。

「攻めの農業」というのは?

「攻めの農業」は、ハイエンドを狙ってビジネスとして成功させられる可能性が高い農業です。それこそ僕のやってるミガキイチゴが典型的ですね。攻めの農業に対しては、行政は基本的にはお金を出さずに自由競争の世界にするべきだと思います。

ビジネスの世界では起業して10年で生き残っている可能性は10%以下だと言われていて。ビジネスで勝負した時に、農業だけが成功するなんてことはあり得ない。きちんと経営として成り立たせられる人が、生き残る世界にするべきだと考えてます。

なるほど!日本の農業って、「お金をどう回すか」のビジネスを重視するよりも、「いかに美味しいものをつくるか」のクラフトマンシップを重視する印象を受けます。そこはいかがですか。

僕はクラフトマンシップもとても大切。だけど、それだけでは、農業を次の世代に繋げていくことは難しいと思うんですね。今、ミガキイチゴを一緒に育てている橋元忠嗣(はしもと ただつぐ)さんは、イチゴを育てて40年の大ベテラン。最初に「一緒にイチゴを育てさせてもらいたい」と話した時は、「1人前になるまでに15年かかる」と言わたんですよ。

15年か。いま27歳の私がはじめたら、1人前になるのは42歳か……。

今の時代、1人の師匠に15年従事するって、なかなかできないですよね。このままだといろんな分野で、せっかくの伝統的技術が誰にも受け継がれずに消えていく。これは大問題。だからこそ僕はその匠の技術をITに落とし込み、誰もが技術を駆使できるようにしたい。

伝統技術を次の世代に受け継ぐためのITなんですね。

はい。気候の変化など目に見えないようなことにも、ベテランの生産者たちは長年の経験からの勘を駆使して対応してきたんですね。それを形式化させて受け継いでいくのが僕たちの世代。

岩佐さんの農園では温度、湿度、日照量、二酸化炭素濃度、栄養分などをセンサーで計測し、イチゴづくりのノウハウをデータ化している

岩佐さんの農園では温度、湿度、日照量、二酸化炭素濃度、栄養分などをセンサーで計測し、イチゴづくりのノウハウをデータ化している

ただ、IT化したとしても完全にこれまでの匠の技術を表現することはできません。9割くらいをIT化して安定的に生産できるようにして、残りの1割は形式化できない”人間らしさ”を取り入れて差をつけていくことが大切です。

人間らしさというのは?

例えば、僕の知ってる農家さんには、栽培中のイチゴに高級な焼酎をたくさん与えて育てる方がいるんですよ。

イチゴに焼酎!衝撃的ですね…!(笑)

科学的に根拠がある訳ではないけれど、その農家さんはそれで美味しくなると信じて疑っていなくて。しかも、めちゃめちゃ美味しいから困っちゃう(笑)。

本当に美味しいんですね!

そういった人間味が溢れる形式化できないところが農業の面白さでもあって、それを教えてもらうためにも、まずは匠へのリスペクトがないといけないと思っています。

一番大切なのは「未来の共有」

岩佐さんのITで技術を後世に伝えたいといった想いは、ベテラン農家の方々にすぐに受け入れてもらえたんですか?地方ではよく、伝える人と受け継ぐ人の”やり方が違う”ことで対立してしまうお話をよく聞くんです。

僕も、すぐに受け入れてもらうことは難しかったですね。一番大切なことは、未来への志を共有することだと思っています。

未来への志、具体的にどんなお話をされたんですか?

まだまだ農業の世界には"根性論"が残っているところがあって。匠の人からすると、それを乗り越えたからこそ今があると自負している。それは確かにそうなんですが、本当は必要がなかったり時代に合っていないことも多分にあるんですね。

例えば、忠嗣さんとイチゴを育て始めた頃、「365日、毎日朝3時に業務開始」だったんです。はじめはフラフラになりながら頑張りましたが、僕だけでなく周りのみんなもどんどんついていけなくなってしまって……。

毎日朝3時…!

忠嗣さんに「これでは従業員が離れていってしまうから、朝の集合時間を変えられないか」と相談したんですね。ただ、この時に話したのは、「業務開始の時間」だけではなく、「これから僕たちはこのイチゴを育てることによって山元町で何を実現したいか」ということ。

膝を突き合わせて話をしたら「イチゴを通して山元町の雇用を増やし、町を元気にしたい」という共通の想いを見つけることができたんですね。この想いを実現するために一番良い手段を考えたら、やっぱり従業員が働きやすいほうがいいよね、と。

それで忠嗣さんも理解してくれたんですね。

そうですね。お互いの想いを軸に置きながら、ベストな手段を一緒に模索しています。毎日朝3時に集合していた僕たちですが、今では夏休みは必ず10日取らないといけないルールがあるくらいしっかり休んでいます。

すごく腑に落ちました!よく考えてみると、対立してしまっている方々は"手段の違い"について言い争っていて、その先の未来についてお話されていないのかもしれないですね。これは農業だけじゃなく、いろんな分野でも言えることかもしれませんね。

農業を憧れの職業にしたい

忠嗣さんとの志でもある「山元町の雇用を増やして町を元気にする」という目標を達成するために、最近では新規就農者の育成にも力を入れています。

どんな取り組みをされているんですか?

GRAが提供している農業研修では、ITを駆使したイチゴ栽培について伝授することはもちろん、ハウス建設からイチゴの全量買取までサポートして最短1年で独立するプログラムを準備しています。

15年かかると言われていた修行が1年で……!そうやって新しい農業に取り組みたい方が山元町に集まってきて定住していく方も増えていくんでしょうね。若い世代にも農業について伝えていくこともされているのでしょうか?

例えば、小・中学生に向けて職業体験として農作業してもらったり、高校の授業でお話させてもらったりしています。「将来、農家になりたい!」という声をよくもらいますし、つい先日は「大学は農学部を目指して頑張ることに決めました!」と高校生が報告してくれました。

素敵だ!山元町では子どもたちにとって、少しずつ農業が憧れの職業になってきてるんですね。

そうですね。子どもが目指したくなる職業にするのは、農業に関わる大人のミッションだと思っています。

かっこいい。これからの農業が楽しみになってきました。最後に、農業に関心を持たれている方に一言あれば、お願いします!

農業に関心のある方は、ぜひ飛び込んできて欲しいです。自分の育てたものが、誰かの生きる基礎になるというのは、働いていて本当に喜びが大きいです。迷っている方は、ぜひ山元町に遊びに来てください!

今日は素敵はお話、本当にありがとうございました!たくさん学ばせていただいたので、全国の皆さんにシェアします!

終わりに

農業に明るい未来を感じた今回の取材。

取材が終わってから岩佐さんがふと呟いた一言がとても印象に残りました。
 

「僕が農業を始めたきっかけって、東日本大震災だったんです。それまでは、大学在学中に立ち上げたIT企業で働きっ放しの生活をしていました。いかに利益を上げるか?が一番の目標で、”もっともっと”という状態だった。

でも、農業に携わるようになってから、すごく満たされている状態で高みを目指していけている。地域のことを想ったり、食べる人のことを想ったりしているからかな。忙しいのは忙しいんだけど、忙しさの質が変わった気がします」
 

山元町で農業を志す人が増えたのも、岩佐さんが誇りを持ちながら仕事を楽しんでいるからだと感じます。

理屈だけで魅力を語られてもなかなか踏み込めないけれど、本気でワクワクしている人の場所には気づいたら飛び込んでいたりする。そんな連鎖が山元町では生まれているのではないかと思いました。

岩佐さんが自慢してくれた宮城県の山元町へ私も近いうちに遊びに行きます!

 

ミガキイチゴの魅力が詰まったフローズンフルーツバー「極みパレタス」が登場!


旬の新鮮フルーツなどをフローズンバーにして楽しませてくれるジャパンパレタスが、ミガキイチゴとコラボ!


ミガキイチゴを贅沢に使った「極みパレタス ミガキイチゴ」を食べてみませんか?


【詳しい内容はこちらから!】
https://camp-fire.jp/projects/view/67527

ライター紹介

菅本香菜
菅本香菜
福岡県北九州市生まれ。クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」で勤める傍ら、「旅するおむすび屋」として全国を巡る。おむすびに目覚めたのは、海苔漁師のお母さんが結んでくれたおむすびを"ご馳走"と思ったことがきっかけ。
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