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キンキンに冷えた「冷凍ジョッキ」の作り方 〜夏の家飲みビールを美味しくするテクニック付き〜

こんにちは。酒場案内人の塩見なゆと申します。毎日ハシゴ酒、楽しくて美味しい酒場とお酒を取材しています。

飲食店取材が専門ですが、今回は家庭で楽しむお酒の話をいたします。

専門店で美味しい生ビールを人一倍飲んでいるからこそ、家で飲むビールにもこだわりたい。そんな私の飲み方をご紹介します。

キンキンに冷えたビールっていいね

この夏は過去最高の猛暑。帰宅後の、そしてお風呂上がりのビールがますます美味しくなります。そんなときにふと思い出す、居酒屋で冷凍ジョッキに注がれた生ビール。

「あのキンキンが恋しい~。帰宅後やお風呂上がりに、自宅でも飲みたい!」と思うこと、ありますよね。

まずは、あの冷凍ジョッキを自宅で美味しく飲むためのテクニックをご紹介します。

え、簡単な話、グラスを冷凍庫に入れておけばいいんじゃないの?と思われた方にこそ、読んでいただきたい!

実はキンキンは推奨されていないことが多い

冷凍ジョッキに注ぐ飲み方は、居酒屋さんでは見かけますし、一部の方には好評です。

暑いなかたどり着けたキンキンに冷えた一杯は美味しいですよね。火照った体に染み込む一杯!

でも、実は冷凍ジョッキはビールメーカー各社で推奨していることはほとんどありません。

冷えすぎるとよい泡がつくれない、ビールのうまさが薄れてしまうというデメリットがあるからです。

それでも飲みたくなる人が多いのは、なにはともあれ爽快感を求めてのことでしょう。

(冷凍ジョッキの前に)ビールを美味しく飲む3つのポイント

ぜひ押さえておいてほしい、ビールを美味しくするポイントが3つあります。

※ここでは、一般的な国産大手ビール及びビールテイストを想定しております。クラフトビールは当てはまらない場合があります。

※ここでいうビールとは、ビールの他、発泡酒、新ジャンルを含むビールテイストのことを指しています。

ポイント1「清潔」

普段から食器はきれいに使っていると思いますが、ビールグラスについては他の食器と洗い方が異なります。

美味しい生ビールの敵のひとつに、グラスに付いた油分があります。これがあるとグラスの内側に気泡がついて、見た目がよくないだけでなく、炭酸ガスが余計なところで消費され、きめ細かな泡をつくることができなくなります。

実は、こだわりのビアホールではグラスは専用のシンクで専用のスポンジを使うほど気を使っているんです。

家庭でも、脂のついたお皿とは分けて、スポンジに洗剤をつけて丁寧に洗うとよいでしょう。

また、洗ったグラスの水滴は拭き取らず、自然乾燥させることが望ましいです。布の繊維がグラスに残ると、それもまた妨げとなります。

ポイント2「冷やし方」

ビールは振動が苦手です。購入後は振動の少ない場所で1日以上寝かすとぐんと美味しくなります。冷蔵庫のドアポケットに入れるのは、開け閉めするのでNGです。

ビールの飲み頃は摂氏5度前後です。ビールは冷やしすぎるとうまみが薄く感じ、温度が高すぎると爽やかさがなくなり、注いだときに泡が立ちすぎてしまいます。

また、グラスとの温度差も風味、泡を悪くします。グラスもビールと同じ温度がベストです。

ポイント3「クリーミーな泡」

クラフトビールの広まりによって泡の考え方も様々になってきましたが、一般的なビールではやはりクリーミーな泡がよいと言われています。

比率はさほど拘らず、できれば7対3くらいで。ビールは空気と触れると成分が変化し味が落ちることがあります。

ビールの泡は、液を空気に触れさせない蓋の役割をしています。また、泡は苦味成分を吸着する効果もあります。

泡の元になるものはビールに溶け込んだ炭酸ガスで、このガスで効率よく泡を作るために、グラスの洗浄が必要で、温度も適温管理が望ましいです。

冷凍ジョッキで飲んでみよう!

家のグラスを洗剤で丁寧に洗い、自然乾燥し、これを冷凍庫へ。

ジョッキに水滴が残るとグラスに氷がつきます。見た目は美しいですが、氷に炭酸ガスが反応し泡立ってしまいます。

冷蔵庫で冷やす時間は1時間もあれば十分、シズル感ある霜のついた見た目は冷凍庫を出せば自然と結露のようにグラスに付着します。

あまり結露で水滴がつきますとビールが薄まりますから、すかさず注いで完成させます!

注ぎ方、あなたは何流が好き?

ビール工場にいくと、缶ビールの注ぎ方を教えてくれることがあります。

3回に分けてグラスを満たす三度注ぎを推奨するビール会社が多いですが、好みはそれぞれ。

3度つぎのスーパードライ

3度つぎのスーパードライ

ふわふわな泡をつくることで飲みきるまで蓋となる泡が持続させることができますが、冷凍ジョッキで飲むときは正直じれったい。

そんな時、私のおすすめは緩急をつけた一度注ぎです。最初勢いよくグラスの底に流し入れ泡をたて、あとはグラスの縁を添って7対3の比率を目指して注ぐスピードをコントロールするというもの。早く飲み切る一杯目ならこれがおすすめです。

冷凍したグラスに緩急注ぎした黒ラベル

冷凍したグラスに緩急注ぎした黒ラベル

 

いかがでしたでしょうか。

飲食店では生ビールにこだわるお店が増えていますが、家庭でもこだわってみませんか。

ほんのちょっとのこだわりがいつものビールをより美味しくするはずです。ビールは嗜好品、もっと楽しんで夏を過ごしましょう!
 

ライター紹介

塩見なゆ
塩見なゆ
酒場案内人/フリーランス。作家で飲兵衛の両親に育てられた生粋のお酒好き。毎日5軒以上はハシゴ酒、年間2,000軒の酒場を飲み歩いています。Web・TV等で酒場情報を発信中。
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