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学校では絶対に教えてくれない焼肉の焼き方!教科書に載っていない技をマスターして焼肉奉行になろう

こんにちは。Retty編集部の岡田です。

ライター紹介

岡田隆太郎
岡田隆太郎
カメラマン→雑誌の編集→PRを経てRettyグルメニュース編集部へ転身。 好きな食べ物はナスの揚げ浸し。基本毎日飲んでます。

突然ですがみなさんに質問です!ほとんどの人は焼肉に行ったことがあると思いますが、では「お肉の焼き方」ってどこかで習ったことありますか?僕自身なんとなく焼いてなんとなく食べて、お肉そのものがおいしいからそこそこの味にはなるんだけど、この焼き方は合ってるのかな?って疑問に思った経験が何度も。

どっかに教科書がないかな〜と頭を悩ませている僕を見かね、我がRettyの頼りになる編集長が「焼肉の焼き方にムッチャ詳しい人がいるからその人に教えてもらいなよ」と救いの手を差し伸べてくれました。「ほぉ〜。焼き方にムッチャ詳しい?」一体どんな人なんだろうと興味を持ち、調べてみると「焼肉の達人」の著者で小関さんという方がいらっしゃるらしい。

さっそく彼が書いた本に目を通してみると、そこには仰天するワードがたくさん!「コロコロ転がしフランベ焼き」「ローリング巻き巻き焼き」など焼き方に名前をつけていることが判明。これはかなりの焼肉マニア、、、いや、もはや(いい意味で)変態の域。僕と彼では焼き方に一体どれくらいの差があるのか、そして正しい焼き方をマスターした時に達することができる境地とは。

そんなこんなで今回お邪魔したのは初台にある「炭火焼肉・にくなべ屋 神戸びいどろ」さん。
焼肉もさることながら「にくなべ」が名物のお店で、小関さんもプライベートでよく来ているんだとか。そのためか店長さんとも仲が良さそうで、色々と融通を利かせていただいてしまいました。感謝しかないです。

ではそろそろ紹介しましょうか。そう、彼こそが小関尚紀さんです。都内企業に勤務しながらサラリーマン作家として活動中。マイトングを持参するほどの酔狂な焼肉マニアです。

なんとなく怖そう・・・。でもこっちだってズタボロにダメ出しされる覚悟はすでにできている!ということで挨拶もそこそこに今日の企画を彼に説明していくことにしました。

【企画内容】
①カルビ、タン、ホルモンなど誰もが知る定番部位の焼き方をマスターしたい。
②希少部位やオススメ部位を小関さんに焼いていただき、おいしくいただきたい。

焼肉の部位にはド定番とされるカルビやタンなどがありますが、まずは定番をマスターして焼肉奉行になりたい!そして「岡田の焼いた肉めっちゃうまいやん」と褒められたい!そんな妄想を膨らませつつ、自分の焼き方はどれほど低レベルで粗雑なものかを認識するために、今の自分の焼き方をありのまま披露します。

大体の人が僕と同じレベルだと思うので(失礼)僕の焼き方のどこが減点ポイントなのかを容赦なくダメ出ししてもらい、「こうすればもっとおいしくなるよ」というアドバイスもしていただきます。そうすれば初心者でも今よりおいしく焼ける、リアルな方法を皆様にも知っていただけるかな、と。

なんていい企画!我ながら素晴らしい!絶対みんな知りたいですよね?まぁ半端なく焼き方にこだわってらっしゃる方の前で焼くなんてかなり緊張しますが、や、優しいと人だといいな。

そうこうしている間に厚切りタンが到着です。さっそく焼いてみましょう。

き、緊張する〜。

なんとなく真ん中に置きたくなるんですよね。そんなことないですか?

裏返して、っと。

はい、完成です。小関さんにも食べてもらいました。

この表情・・・。どう思っているんだ。怖い。

まずタンというのは「さぁこれから焼肉を食べるぞ!」というスターター的な存在なんですね。食感を楽しむ部位なので、噛んだ時にシャクっと歯が入りやすくなっている状態がベスト。厚切りタンの場合、側面まで焼く必要はないんですが表面と裏面はしっかりと焼くのがオススメです。

なるほど。確かに緊張と相まって焦がさないようにしすぎたせいで、しっかりと焼けなかった感はあります。

じゃあ、ちょっと僕が焼いてみますね。

え、なんかもうすでに網の上に置かれた段階で差を感じるのは僕だけですか?

全然色が違う!こんなに茶色くなるまで焼くんですね!普段から僕はここまでじっくり焼かずに食べていたので、かなり意外です。

あ〜なるほど。ザ・お肉って感じがします!噛みごたえがしっかりしていて、「焼肉を食べている」感が全然違いますね。

ちなみにタンには塩レモンが一般的ですが、僕はからし醤油を合わせるのも好きです。タンを焼肉として扱い始めた当時は輸入タンが多く臭みが強かったので、レモンを付け合わせていたんですが、和牛のお肉は臭みが感じられないほどですし、輸入タンも臭みがかなり改善されているため、すだちやかぼすのような、酸味が控えめのものの方がマッチするかもしれません。

そう言ってからし醤油を注文する小関さん

そう言ってからし醤油を注文する小関さん

からし醤油って焼肉からはあまり連想しない調味料かも。でも確かに食べてみると合うわ!

続いて注文したのはネギ塩タン。当たり前ですがネギがたっぷりと乗っていますね。

これ、いっつも焼き終わる頃にはネギがほとんどなくなってるんですけど、どう焼くのが正解なんですか?これを綺麗に焼けたらめちゃくちゃカッコいいと思うんですけど!

とりあえずいつも通りやりますよ?大体の人がこんな感じでしょ、絶対に!(失礼)

裏面を焼くときはいいんだけどな〜。

あ〜こうなるよね〜。ひっくり返した途端にネギがボロボロと炭の中に落ちていきます。悲しい。

出来上がりました!なんか見た目もちょっとかわいそうな感じがしますよね・・・。

こちらも小関さんに食べていただきましたが、さっきの厚切りタンよりも不安です。

今の焼き方が悪いとかではありませんが、ひとまず僕の焼き方をお見せしましょうか。

そういうとおもむろに焼き始めました。

ここまでは一緒みたいですね。

な、なんとトングを2個使い!初めてみましたよ!これはびっくり仰天です!

どうするのかと思いきや、ネギをお肉でサンド!そしてそのまま裏面だけを何度か焼きながらひっくり返し、内側は蒸していくようなイメージです。

完成したお肉を食べてみると内側は少しレアな仕上がりに。蒸し焼きにされたネギとの相性が抜群です。

あ〜ネギがちゃんと残っているだけで、こんなにも違いがあるんですね。

だんだんとテンションが高くなってきたところでカルビが到着しましたよっと。まずは例のごとく、僕がいつも通りの方法で焼いていくことに。

肉厚でおいしそうですね。定番部位としてみんなに愛されている理由がわかります。

今回の取材を通して、現段階で学んだことの一つに焼肉はしっかりと焼いた方がおいしいということがあります。なのでしっかり焼くことを意識して今回は焼いたところ、普通に美味しく出来上がった気がしましたが、達人の評価はいかなるものでしょう?

おいしいですね。カルビは焼き手によって差がそこまで出ない部位な気がします。なので僕はいつも焼き方でアレンジします。

そう言うと小関さんは豪快にまとめ焼きを始めました。なんて贅沢な!下にあるお肉を引っ張り出して空気を入れながら回転焼きを行なっていくみたいです。

一部犠牲になるお肉も出てくるらしいのですが、こういうチャレンジで新たな食べ方を楽しむのも焼肉の醍醐味なんだそう。

それにしてもまとめ焼きからのまとめ食いはとってもリッチな気分になり、「最高」以外の言葉で表すことができません。うまい〜!!

さぁさぁ、続いては油の多いホルモン。こちらも定番メニューですが、いつも火がゴ〜って舞い上がってしまって手がつけられなくなるイメージがあります。

焼き始めるとやっぱり火が!氷で火を消しながら、空いているスペースにどんどん移動させていくしか脳がないのでやたら時間がかかります。どうせ絶対みんなもこんな感じですよね!(失礼)

最後は端っこに寄せられたホルモンたち。哀愁さえ感じます。

油が落ちてこんなに小さくなっちゃいました〜。まぁ食べてみるといつものホルモンて感じで、「すごくおいしい!」とはならないですね。

小関さんならどんな風に焼くのだろう?楽しみです。

ホルモンはそこまで僕も焼き方が変わらないかもしれません。

またまた〜そんなわけないでしょう!あ、でもパッと見は確かにそこまで差があるようには見えないですね。

無言で真剣に焼く小関さんから、何かを絶対に盗んでやろうという思いで僕も目をこらします。

あ!火があがったらこまめに網を引いています。これがコツなんでしょうか?小関さんは相変わらず無言を貫いたまま。

油が落ちすぎていないような印象を受けます。ふっくらしていておいしそう。

ホルモンは皮部分からしっかりと焼くことで無駄な油が炭に落ちないよう心掛けています。通常だと氷を置いて火消しをしますが、それだと温度が毎回下がってしまいます。網引きでは安定した温度で焼き続ける事ができ、一つ一つホルモンを移動させる手間も省けます。

なるほど。火があがったとしても冷静に網を引き、やたらめったらお肉を動かさずに安定した温度で焼くことが大切なんですね。

一通り定番部位の焼き方は教わったので、ここからは小関さんにオススメのお肉をプロの技で焼いてもらいましょう。ただただおいしいお肉を食べるという最高の時間がスタート!

こちら、ウデ(肩)に当たるミスジという部位です。僕自身、ミスジという部位を最近になって初めて知ったのですが、なんでも一頭から少量しか取れない希少部位として人気なんだとか。サーロインやヒレとは違う柔らかさを持っているのが特徴です。

それではミスジを焼いていただきましょう。

薄いのでサッと焼くだけですぐに色が変わっていきます。

こうやってザブトンみたいに折りたたんで食べるのが主流ですが、こんな食べ方もありますよ。

な、なんとお肉をくるくるしているではありませんか!

とても愛くるしいフォルム!こんなアレンジの仕方があるんですね!

中は少しレアなので、味にメリハリがあっておいしいです。サイズ感がコンパクトで食べやすいのも嬉しいですね。

続いてこちらはミスジのタレ。

さっと焼いて出汁とろろに投下!山芋をすりおろして白だしと混ぜるだけで簡単にできるため、おうちでも楽しめるところがいいですよね。

ていうかこれおいしすぎてニヤニヤが止まりません。絶対に家でもする〜!

最後は個人的に一番食べたかったイチボをいただくことに。イチボって名前は聞いたことがあったんですけど、食べたことはなかったのでめちゃくちゃ嬉しいです。ちなみに部位でいうとおしりに当たるんだとか。

焼き上がりはこんな感じ。

うんま〜い♡今日食べた中でこれが一番好きですわ〜。イチボはランプを挟んでサーロインに繋がっている部分ということもあり、脂っぽすぎず、でも食べ応えはズッシリとある感じが「肉」って感じで激ウマです。

今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。ぶっちゃけ僕の焼き方は欠点らだけだったと思いますが、改めて初心者でもこれだけは心得ておくべきという基礎ってありますか?

そうですね、何より大切なことは部位ごとに焼き方を変えたほうがいいということですかね。

・霜降りなら強火で油を落とし、中火に移動させる。
・赤身はもともと硬いので中火や弱火でそんなに焼かない。
・薄切りタンはサッと焼きで、厚切りはよく焼く。
・ホルモンはカリカリ感が出るように。

など、それぞれの長所を活かす焼き方が存在するんです。いきなり全てを把握することは難しいと思いますが、大きく分けたこの4パターンを覚えておくだけでも、仕上がりは格段に違ってきます。

確かに今までは部位がどこであれ関係なくただ焼くだけで、それ以上のおいしさを追求しようとしていなかったです。

焼肉って決して安くはないですよね。それなりの金額を出すのに自分たちで焼かないといけない酷なグルメなんです。今の時代は生産者の努力もあって、おいしく食べられるお肉がたくさんあるのにもか関わらず、ほとんどの人がそのおいしさを引き出せていないのはもったいないと思います。

生産者のことまで配慮してらっしゃるなんて、消費者の鏡ですね。日々、感謝することを忘れてはいけないと再認識しました。

焼き方の本なんて出してるから、口うるさい頑固オヤジだと思われがちなんですが、僕自身は焼き方に正解なんてないと思っています。それぞれがいろんなやり方を試したり、新しい食べ方をどんどんしていく中で、おいしく食べられる焼き方が増えていくことを何よりも願っています。

僕も最初はちょっと怖いのかな〜なんて思ってました。「なんだその焼き方は!」みたいな感じで怒られたらどうしようって不安だったし・・・。でも、焼肉を焼いている時の真剣な目や、僕の素朴な疑問にニコニコしながら答えてくださる小関さんを見て、実はとっても物腰が柔らかい人なんだなって感じました。

おかげで普段聞けないような素朴な疑問から、ちょっとマニアックなこだわりまでお聞きすることができ、大変勉強になりました。

本日はどうもありがとうございました。

焼肉に行くことはあっても焼き方について考えたことがある人は、ほとんどいないのではないでしょうか?僕自身もそうです。でも焼き方次第でもっとおいしくなると知ったらどうでしょう?焼き方さえしっかりとマスターすれば、リーズナブルなお店でも高級店並みにおいしくいただけるとしたら?

強制するつもりはもちろんないです。でも今日の取材を通して、少しの工夫で劇的においしくなる焼肉の焼き方があることを知ったからには、みなさんにも是非実践していただければいいなと思っています。

焼肉最高っ!!!

小関さんの連載はこちら

小関さんの著書も要チェックです

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*お詫びと訂正
記事初出時、ネギ塩タンの部分において食品衛生の観点でおすすめできない焼き方をご紹介しておりました。その部分を削除、修正し、ここにお詫び申し上げます。

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