世の中は、いま空前の高級食パンブーム!!!
言われてみれば、街中に「パン屋」ではなく『食パン専門店』なるものを見かけた人も多いのではないでしょうか。
大体が1000円前後。そりゃ美味しいかもしれないけど、ちょっと高過ぎやしないかい?ふだん食べている食パンの数倍の価格を払う価値は本当にあるのかい???
と、疑問に感じたRettyグルメニュース編集部。まずは人気の5店を選び、それぞれの店で販売している高級食パンを食べ比べしてみることにしました!
今回選んだ5種類の食パンはこれ!
日本全国様々なパン屋の中から、今回選んだ5種類の高級食パンはこちら。直接店舗で並んだものから、電話予約が可能なもの、オンラインで取り寄せたものなど様々な入手方法で揃えました。
さて、試食を始める前にそれぞれのパンの価格とサイズを表にまとめてみましたよ。
まずはそのまま味わってみた
はじめはトーストせずに、そのままの食パンの味わいをみていきましょう。食べ比べの焦点は「キメの細かさ」「甘さ」「香り」。さて、そんなに違いはあるのでしょうか?
「PANYA ASHIYA TOKYO」
神戸の芦屋に本店を構える行列のできる食パン専門店『Panya芦屋』が2017年ついに東京にオープン。材料にこだわり、最高級の無添加素材を使用した食パンはセレクト(650円税別/1.5斤)とプレミアム(750円税別/1.5斤)の2種類が。今回はプレミアムを試食してみました。
キメの細かさ ☆☆☆
甘み ☆☆
香り イーストの香りが強め
原材料 小麦粉、バター、生クリーム、砂糖、イースト、粉乳、塩(公式情報より)
見た目から焼き色が最も薄く、手で持った感じも耳までしっとり柔らかな様子が伝わってきます。キメの細かさは5種の中でダントツ。口に入れると口内に触れるしっとり食感とほんのりした甘さに包まれます。イーストの香りが印象的な食パンです。
「俺のBakery&Cafe」
おなじみ『俺の株式会社』が展開する食パン専門店。2016年にオープンした恵比寿店を皮切りに、首都圏に5店舗を構えます(店舗によって扱う食パンの種類は異なる)。今回は国産小麦『キタノカオリ』を使用した俺の生食パン『香』(1000円税込/2斤)を試食しました。
キメの細かさ ☆☆
甘み ☆☆
香り 小麦、ミルクの香り
原材料 不明
国産小麦の特徴のもちもちとした食感で、ほんのりとあとからミルクの甘い香りが優しく香ります。ずっしりと密度が濃い感じで、食べ応えがあります。
「乃が美」
2014年大阪にオープンした高級食パン専門店「乃が美」。全国におよそ100店舗(2018年8月現在)も展開している、高級食パンの火付け役と言っても過言ではない店。商品は乃が美の「生」食パン(864円税込/2斤)。「生」は焼かずにそのまま「生」で味わって美味しい食パンであることから由来しているのだとか。
キメの細かさ ☆☆☆
甘み ☆☆☆
香り 小麦と甘い香り
原材料 小麦粉、乳等主要原料とする食品、砂糖、マーガリン、バター、はちみつ、食塩、パン酵母 (公式情報より)
きめ細かく目が詰まっていて食べた食感は、数人で話し合った結果「むっちり」この表現が一番ふさわしいと言う結論に。しっかりとした甘さが感じられるのも特徴的です。
「シニフィアンシニフィエ」
パン好きなら一度は聞いたことのある名店『シニフィアンシニフィエ』。パン屋の激選区である三軒茶屋エリアの中でも特に人気のお店です。低温で長時間発酵して作られるパンは小麦本来の旨味を感じられると評判。数あるパンの中から今回はパンドミ(1,188円税込/2斤)を試食しました。
キメの細かさ ☆
甘み ☆
香り 小麦、酵母の香り
原材料 小麦、塩、モルト、ホップ種、レーズン種(公式情報より)
他の4種が角型食パンの中、唯一の山形食パンで、かつフランスパンのような大きな穴の空いたざっくりとした断面。シェフの「主食としてのパンは乳製品・卵・砂糖を使用せず、日本人が毎日食べることをイメージして、もちっとした白米に近いもの」との言葉通り、水分を多めに仕込んだパン生地が程よい歯ごたえのもっちりした食感で、噛むほどに小麦の味わいが感じられます。
「レトワブール」
姫路にある人気食パン専門店。厳選した素材で、美味しさを最大限引き出すために手間と時間をかけて作られる食パン。今回試食したおいしい食パン(1700円税込/2斤)は購入したほとんどの人がリピーターになるのだそう。
キメの細かさ ☆☆
甘み ☆
香り バターと甘い香り
原材料 不明
褒め言葉として「5種の中でもっとも私たちに馴染みの食パンに近い」気がしたこちらの食パン。いわば食パンらしい食パンなのです。ずっしりした重量感で食感は歯切れが良い感じでほんのり甘みが。甘味と塩味がバランスの良い食パンです。
今度は焼いて味わってみた
生で味わったあとは、トースターでこんがり焼いて比較してみました。
「PANYA ASHIYA TOKYO」
表面はサクッとしたけれど、中のしっとり感やイーストの香りは変わらず。焼かずに全体的な柔らかさを味わうほうが向いているかもしれません。
「俺のBakery&Cafe」
焼くともちもち感や小麦の後味が引き立つ印象で、焼いた方がさらに好みという声も。
「乃が美」
焼くことで一番印象が変わったのは乃が美。あんなにむっちりしてたのに、焼いたらふわふわ軽やかな印象に変化し、びっくり。お店は焼かずに味わうことを推奨していますが、焼くことで二度楽しめます。
「シニフィアンシニフィエ」
フランスパンのような生地なので、焼いても色がつきません。けれどさっと焼くことで、サクモチッとした食感が増し、パンの本来の美味しさが際立つ印象を受けました。
「レトワブール」
焼くことで食パンらしさがさらに際立ち、他の4種類に比べ外のカリッと感が顕著になった気がしました。耳が美味しい食パンです。
バターにする?それともジャム?サンドイッチも食べたい!
そもそも「食パン」と言われるようになった由来はいくつか説があるようですが、「主食のパン」「食事用のパン」という説が有力のようです。
つまり、美味しい食パンはご飯のようにシンプルで、他の食材との相性が良いもの。
そこでバターを塗ったり、サンドイッチなどにして色々楽しんでみましたよ。
まずは王道のバターから。軽くトーストした食パンにバターをのせるとじわじわ溶けるこのビジュアル。う〜ん、たまりません。
バターは正直5種類どのパンに塗っても美味しさが引き立ちます。
続いていちごジャムをたっぷりと。PANYA ASHIYA TOKYOや乃が美のようなしっとり柔らかなパンとの相性が抜群。
今度ははちみつをたら〜りと。シニフィアンシニフィエのサクモチッとした食感にはちみつが好相性です。
そしてハム、キャロットラペ、きゅうり、卵などをたっぷりと挟んだボリュームサンド。俺のベーカリーやレトワブールのようなどっしりと存在感がしっかりある食パンだと、具材に負けずパンの美味しさをしっかり感じられるようです。
最後に勝手に総括
今回一緒にRetty社員数人が食べ比べをしましたが、それぞれの好みが割れ、感想も様々でした。
ふわふわ軽めのパンが好きな人は乃が美やPANYA ASHIYA TOKYO、食べ応え重視なら俺のBakery&Cafeやレトワブール。ハード系のパンが好みならシニフィアンシニフィエ。
ひと言で「食パン」と言っても、それぞれの店の原料へのこだわりや技術、製造の過程などの違いで、ここまで個性に違いがあるものなのだと驚きました。食パンの世界は奥が深い!
毎日食べるとなると、通常食パンの数倍価格の高級食パンはやはりコスト面で厳しいですよね。
ですが、1斤あたり1,000円でおつりがくるし、食パンなら数人でシェアすることもできますよね。
おもてなしの日、たまにちょっと贅沢な気分を味わいたい時に、話題性もあるので手土産に使ってみるのもおすすめかもしれません。
ちょっと背伸びすれば届く価格で、いつもよりワンランク上の朝食やランチを楽しめる高級食パン。
さて、みなさんの気になる食パンは見つかりましたか?
お近くに店舗がなくても、オンラインで注文できる店もあったので、ぜひ試してみてくださいね。
- PANYA ASHIYA TOKYO
-
東京都 世田谷区 駒沢
パン屋
- 俺のBakery恵比寿
-
東京都 渋谷区 恵比寿
パン屋
- 乃が美 総本店
-
大阪府 大阪市天王寺区 上之宮町
パン屋
- シニフィアン シニフィエ 世田谷本店
-
東京都 世田谷区 下馬
パン屋
- レトワブール
-
兵庫県 姫路市 亀山
パン屋
ライター紹介
-
尾花友理
- 給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談など経験したのち、料理研究家のアシスタントとしてレシピ開発、料理講師、テレビや書籍の撮影アシスタントなどとして活動。その後、レシピサイト運営会社において管理栄養士として調理や食の安全に関す業務などに従事後、独立