暑すぎた夏が終わり、食欲の秋が到来!
新米ももちろん美味しいけど、今は空前の食パンブーム!中でもちょっと値の張る高級食パンが話題なんです。
先日ご紹介した▶1000円前後の高級食パンは本当に価値がある?人気5種を食べ比べて検証してみた!がご好評いただき、再び人気の5店舗を厳選し、食べ比べ企画の第2弾をやってみました。
今回食べ比べをする5店舗はこちら!
東京だけでも、続々と食パン専門店がオープンしていて、正直5店舗を選ぶのに頭を悩ませました。そこで、こだわり、原料、価格など個性が違うこちらの5店舗を選んでみました。
今回も電話で取り寄せたもの、行列に並んだものなど入手方法も様々。
まずは、パンの価格やサイズなどを表にまとめてみました。
焼かずにそのまま味わってみたら…
まずは食パンを切って、その断面を観察し、その後トーストせずに食パンの味わいを比べてみました。今回も食べ比べの焦点は「キメの細かさ」「甘さ」「香り」。結果はいかに⁉︎
KUKULI
高級住宅街で知られる田園調布にある食パン専門店『KUKULI』。コンセプトは「毎日の大切な食を支えるための健やかで美味しいパン作り」。自家製の天然酵母が国産小麦の旨みと素材の力を最大限に引き出し、製造工程には一切の添加物を使わず、補助食材に至るまでオーガニック食材を使用しているのだそう。
切った断面がこちら。所々に穴が空いています。表面はしっとり柔らかです。
キメの細かさ ☆☆☆
甘み ☆☆
香り ミルクの香り、小麦の香り
原材料 不明
ひと言でいうと、雑味がない純粋な味わい。良い材料で、きちんと手をかけて焼き上げられたことが伝わってくるようで、毎日食べても飽きがこない食パンです。
ORIGAMI
今回の5店舗の中で唯一のホテルブレッド。赤坂にあるザ・キャピトルホテル東急の地下にある、ペストリーブティック『ORIGAMI』の食パンです。生クリーム、バター、卵をたっぷりと使った、贅沢な食パンです。
まず、注目したいのがホテルブレッドにふさわしい、素敵な外見。
その名の通り折り紙のように箱を開くと…
この食パンの特徴や美味しい食べ方のメッセージ付き。これは箱を開けた瞬間からワクワクしますね。
卵を使った食パンなので、断面をみても黄色っぽいのがおわかりいただけますか?目が詰まっている様子も見て取れます。
キメの細かさ ☆☆
甘み ☆☆
香り 卵の香り、バターの香り
原材料 小麦粉、生クリーム、卵、発酵バター、砂糖、塩、、モルト、イースト(公式情報より)
卵が入っているせいか、他の4種と明らかに食感が違います、歯切れが良いというか焼いてなくてもサクッと切れるような食感。クロワッサンを食べているようなバターのコクが感じられます。
あずき
世田谷のおしゃれタウン二子玉川に今年オープンしたばかりの『あずき』。
店名にある『あずき』。実はこのお店の看板商品は北海道産のあずきをたっぷり使用したあずきの食パンなのです。
手で豪快に割ってみた断面がこちら。あずきがたっぷり!口に入れた瞬間に広がるあずきの風味と優しい甘さにホッと癒される味わいです。
話が少し脱線しましたが、あずきの入っていないシンプルな食パンの断面がこちら。
パン生地自体はあずきの入ったものと同じなのだそうで、独自のブレンド小麦粉のほか、珍しいのはヨーグルトやマスカルポーネが配合されているところ。今回の中で一番柔らかく、しっとりしています。
キメの細かさ ☆☆☆
甘み ☆☆☆
香り イーストの香り、ミルクの香り
原材料 不明
あずきに合う食パン生地のせいか、パン生地自体もかなり甘さがあるのが印象的。甘さときめ細かく、しっとりとした食感に思わず笑顔がこぼれそうです。
ブレドール
神奈川県の葉山に店で創業20年を超える名店『ブレドール』。全国からパン好きがパンを買いに訪れるほどの人気です。中でも話題なのが、フランスの「エシレバター」をたっぷりと使って作られたエシレ各食パン。1日に50本しか焼かないという限定のスペシャル食パンなのです。
実はこのスペシャルな食パン、桐の箱に入って販売されているんです!(桐箱入りは事前予約が必要)
まるで高級なシャンパンでも入っているような立派な箱。
じゃじゃ〜ん!
食パンを取り出すのにドキドキするなんて、はじめてかも。
これはプレゼントや手土産にも間違いなく喜ばれますね。特に女性ウケしそう!
断面はこちら。キメが整った断面に気品すら感じます。これは桐の箱に入るに値するいで立ち。
肝心なお味の方は…
キメの細かさ ☆☆
甘み ☆
香り バターの香り
原材料 不明
エシレバターと唄っているだけに、バター感が印象的。バターの配合量が多いせいなのか、他の食パンに比べ、少し塩味が強く感じられました。ずっしり目が詰まっていて、食べ応えがあります。
セントルザ・ベーカリー
バケットやクロワッサンなどが大人気の『VIRON』が手がける食パン専門店『セントルザ・ベーカリー』。焼き上がりを待つ行列が常に絶えないことでも知られています。ちなみに今回食パンを買いに行った日は平日にも関わらず、手にするまでおよそ1時間半並びました。
食パンの種類は全部で3種類。今回は北米産の小麦を使った角型食パン、プルマンを選びました。ちなみにこのプルマンの意味は、北米で角食パンをプルマンと呼ぶからなのだとか。
上部がVの字のように窪んでいるのは、焼きたてを持ち歩いたため。本来は真四角です。
断面はこちら。みっしりと目が詰まっていて持った感じもずっしりです。
キメの細かさ ☆☆
甘み ☆☆
香り 小麦の香り
原材料 不明
今回の5種類の中で一番オーソドックスな食パン。しっかりとした歯ごたえで甘みと塩味のバランスが良い。これは万人ウケする「ザ・食パン」。行列の理由も納得です。
トーストしてみたら…
続いてこんがりトーストしてみましたよ。
KUKURI
焼いてみると外はカリッとしますが、あまり色がつきません。外がカリッとしたせいか、中のしっとり感がより増したように感じます。
ORIGAMI
こちらは卵やバターがたっぷりなせいか、焼くとしっかり色づきました。焼くことでサックサク食感になり、より一層クロワッサンのようなリッチな味わいに。
あずき
中のふわふわ食感と甘みが引き立ち、スイーツを食べているよう。
ブレドール
焼いた方がバター感がより一層増し、外のサクサクと中のしっとり感が口の中で合わさります。
セントルザ・ベーカリー
外のカリカリ感は5種の中でもダントツの印象。焼いた方がこのパンの魅力が感じられる気がします。
それぞれの食パンに相性の良さそうなアレンジをしてみた
ここまで食パンのそのままの味わいを生とトーストで楽しみ、比較しました。ここからは、筆者の独断の元、それぞれの食パンに合いそうなトッピングを乗せたり塗ったりとアレンジしてみました。
まずはピーナッツバター。ピーナッツバターを塗って一番相性が良かったのはKUKULI 。シンプルなKUKULIの食パンが濃厚なピーナッツバターと相性抜群です。
続いて、クリームチーズ×マスカット。こちらはORIGAAMIとあずきの食パンが美味。ORAGARIならサクサクに焼いてスイーツ感覚で楽しめますし、あずきならふわふわのフルーツサンドのような味わい。どっちも捨てがたいっ!
朝食の定番スクランブルエッグをのせて楽しむならブレドールかセントルザ・ベーカリー。この2種は最近はやりの生食パン(焼かずに生で味わうことを推奨している食パン)というより、日本人がずっと食べてきた外がしっかり焼かれサクサク、中はしっとりの食パンのためか、スクランブルエッグだけでなく、ハムやチーズなどとも相性が良いように感じました。
散々いろいろ食べたあとですが、どうしてもこれを食べずには終われないって思って、番外編であずき食パンにバターをのせて…
「お腹いっぱいだけど、どう考えてもこのビジュアル、美味しくないはずないでしょ?」って言い訳しながら美味しくいただきました。
2回の食べ比べ企画を終え、高級食パンブームについて考えてみた
さて、2回の食べ比べ企画で、10店舗の人気の高級食パンを食べ比べてみたRettyの社員数人と筆者は考えました。
「なぜ今、高級食パンがこんなに注目され、次々に専門店が増えているのか?」。
普段の朝食用に買うにはちょっと贅沢すぎるかなと思う価格の食パンですが、例えば手土産を探していて、相手が負担に感じない1,000円前後で何か無いかな?と思った時、意外に1,000円前後で喜ばれるものを探すのって難しいですよね。
でもこの食パンだったら1,000円前後で「高級感」「特別感」「話題性」のある手土産が買うこうとできるのです。
甘いお菓子やお酒などは好き嫌いあるかもしれないけど、食パンならまず嫌いって人はいないですよね。
また、食パンなら切り分けてみんなで美味しさを共有することもできますよね。
そんな背景もあって今、高級食パンがブームを迎えているのかもしれないなと勝手に推測してみました。
ますます加熱しそうな高級食パンブーム、今後とも目が離せませんよ!
- KUKULI
-
東京都 大田区 田園調布
パン屋
- ペストリーブティック ORIGAMI
-
東京都 千代田区 永田町
スイーツ
- ブレドール 葉山本店
-
神奈川県 三浦郡葉山町 一色
パン屋
- セントル ザ・ベーカリー
-
東京都 中央区 銀座
パン屋
ライター紹介
-
尾花友理
- 給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談など経験したのち、料理研究家のアシスタントとしてレシピ開発、料理講師、テレビや書籍の撮影アシスタントなどとして活動。その後、レシピサイト運営会社において管理栄養士として調理や食の安全に関す業務などに従事後、独立