"じゅわとろ"お肉の喜び。恵比寿の隠れ家「炭福あこや」で充実のフルコース

こんにちは、トイアンナです。「恵比寿のあこや」といえば、以前より有名なお店がありました。

貝料理のフルコースをふるまう珍しいお店です。

こういう貝がたらふく食べられます。

じゅわじゅわハマグリ、最高……! ハフハフしながら口へ放り込むと強烈なダシの力で舌が昇天まちがいなし。ですが、今日はこの店の話じゃありません。

どうも、この名店「焼き貝あこや」が炭火焼きを専門とする新店を出したらしいのです。

その名も「炭福あこや」。なんと恵比寿の好立地にもかかわらず、まだ発掘されていない名店とのウワサ。

これは行くしかない、と東京の田舎から都会へ出てまいりました。

こんなに知られたくない店は初めてだ

結論、この記事を書くのがつらい店でした。だって……あまりにも美味しくて……どうせ私なんかが書かなくたって半年後には予約待ち必至だから……だったら今くらい私が独占したっていいじゃないのよう、という気持ちにさせられてしまったからです。

恵比寿駅の大通りから少しだけ入ったところにある、あこやの入り口。暗闇にひっそりと建つ店舗から、高級感が醸されています。

さっそく出てきたのがこちら、石垣貝。さすが焼き貝の姉妹店、最初は貝から……と軽く口へ放り込んで仰天しました。

う、うまい。まるで濃いダシのお吸い物をごくりと飲んだように、甘みとうま味が脳天を突きます。

すだちのほどよい酸味が、貝の甘みと混ざり合って……ッ最高!

間髪入れず、海老とウニ。ご覧くださいこの美しいウニのお色! 

濁りなきとろみあるウニと、ぎゅっと身の締まって甘い海老のハーモニー。舌の上をなめらかに滑り落ち、喉を通り抜ける快感。

でもちょっと待って、これまだ前菜だよ?

この店の売りである炭焼きにたどり着く前に、もう満足してしまった……。

炭火焼きで本領発揮、肉の頂点はいずこ

ここで帰らされても☆3つなのですが、さすがにそれは「炭福」の店名が許さない。出てきました炭焼きの本領発揮、牛ハラミ。

外はカリッカリ、中はとろ肉。炭火焼でありながらハンバーグのようなトロトロ感。

どんな絶妙な火入れをしたら、外と中でこんなギャップを生み出せるのかまるで謎。

たとえるなら外は強面のヤ●ザにしか見えない男性が、家では羊毛フェルトのプロでした……くらいのギャップあります。

しかも添えられているのは桃。ああっ、それは卑怯……! 脂の甘みと果実の甘みは……禁断ッ……! 

恋愛コラムでだってそんな許されぬ関係は掲載NG……ッ! だめ、舌がお肉とマリアージュしちゃう!!

ちょっと頭がトんでいましたが、実際においしすぎて「しゅごい……しゅごい」とバブ化しました。そんな31歳の女を相手にしてもひるまず「おいしいっすよねー」と笑ってくれる店員さん、端的に言って神様です。

こちらは伊達鶏の炭火焼。ご覧くださいこの美しい皮。口に入れると中は濃厚な鶏のスープが待ち構えています。

ジュ~~っと、染み出す大量の鶏肉。そしてまさに「薄皮1枚」のカリカリ皮。

よく「外はカリカリ、中はジューシー」なんて言いますが、お願いします。この鶏肉を食べてからもう一度音読してください。きっとその意味がわかります。

鶏肉の頂点は、この肉にあり。そう思わせていただける一皿でした。

お肉が多すぎる? いいえ、飽きさせません

とはいえ、肉、肉、と続くと口が脂でべとつきますよね。そんな空気を読み、完璧な采配で配られるのがこちらのサラダ。

鶏ささみ肉の燻製サラダです。燻製も強すぎず弱すぎず、カリカリと噛み応えがあります。

こんなの私が普段食べてるサラダチキンと同じ肉じゃない。このサラダに入っていたササミと普段のサラダチキンじゃ、天国とスリッパくらい差がある。チキンの格差社会だよ、こんなの暴動が起きるよ……。
 

恵比寿でこういう店構え、2~3万円は覚悟せにゃ……となるところですがご安心ください。私はたらふく酒を飲んでフルコースいただきましたが、諭吉1枚で釣りがきました。

こちらは私が数杯飲んだ日本酒。「仙禽 麗(せんきん・うらら)」です。

山登りをして、新鮮な川の水をすする。たとえるならフレッシュな快感の味です。クリアに冷たくて、けれどコクの強い日本酒。

グラスへ近づくと、野に咲く小さな花の香りがします。ほんの少しだけ白桃っぽさも感じますが、甘さは嫌味なく通り過ぎる。通常の仙禽も好きですが、こちらはさらに素晴らしい。

「十四代」「福田」「写楽」「田酒」と、日本酒好きならうなるラインナップが、リーズナブルなお値段でいただけます。グラス単位だからって油断すると、二合くらいあっさり飲めちゃって危ない、危ない。

最後に、こちらが内装です。美しいカウンター席は一枚板。なんと搬入時の重さは300kgを超えたそうです。

まるで上等な寿司屋へ行く喜びを、恵比寿の隠れ家で。席が取れるのは間違いなく今のうちだけです。

私と血で血を洗う予約の奪い合いをしたくなければ、今のうちにどうぞ。

ライター紹介

トイアンナ
トイアンナ
外資系企業に数年務めたのち、ライターとして独立。フリーランスのライター・マーケターとして、女性の生き方やキャリアを中心に執筆活動を行う。食事は、外食率ほぼ100%。家庭のご飯がマズかった反動でグルメに目覚めてから、数百軒は店を回りミシュラン有料会員にまでなった飯キチ。

 

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