中国・西安発の幅広麺「ビャンビャン麺」をご存じでしょうか?
幅広の麺で熱い油をかけて食べる麺で、ビャンビャン麺の「ビャン」という漢字を最初に見たときは驚きでした。
近年、ビャンビャン麺を提供する店舗も少しずつ増え、これから日本で流行するかもしれない!と話題になりつつあります。
ビャンビャン麺の由来についてはこちらの記事をご覧ください!
・激ムズ漢字で知られる「ビャンビャン麺」その由来、知ってますか?
さて、今回はビジネス街の印象も強い茅場町にビャンビャン麺のお店がオープンしたとの噂を聞き、さっそくやってきました。
西安出身のシェフが腕を振るう「秦唐記」をたっぷりレポートします。
茅場町では貴重な土日営業
茅場町にある秦唐記は、土日祝日も休まず年中無休で営業しています。ビジネス街ということもあり、休日は営業を休むお店の多い茅場町にとって、同店は貴重な存在。
2018年9月下旬のオープンから間もなく、店頭には花が飾られていました。
ランチとディナーの営業がありますので、会社帰りの会社員がお酒を飲みつつ、麺を楽しむこともできそうです!
噛むほどに甘みが増す「ビャンビャン麺」を堪能
西安でも定番ですよ!と店主がおすすめする「ヨウポー麺(850円)」をいただきました。麺は熱盛と冷盛が選べます。
西安出身の馮 樹(ヒョウ・ジュ)シェフが麺を伸ばしていくシーンをガラス越しに見ることができます。
麺を板に打ち付けては薄く伸ばし、伸ばしては二つに折る。それをまた打ち付けて伸ばす。すると、麺がどんどん薄く、広く、長くなっていく様子が分かります。
両手を伸ばしてもたわみが出るくらいの長さが3重・4重に折り重なっています。それだけ麺も薄く、しかも切れずに伸びているのですね。
ゆで時間は4分ほどということでしたが、見ているとあっという間にゆであがったような印象がありました。
小さなサイコロ状の豚肉とゆで野菜が乗っかり、八角・山椒・唐辛子などが混ざったスパイスを振りかけます。
そして、熱々の油を麺にかけ、ジュジュジュという食欲をそそる音が聞こえるとできあがり。
「よくかき混ぜて召し上がってください!」という店主のおすすめ通りにいただくことにします。
食べる前は辛味と油が強い麺だと思っていましたが、それは良い意味で裏切られました。
辛さについては、辛さの苦手な人が「ピリッとしたものを食べたい」とチャレンジするくらいの気持ちで食べられる優しいものです。自家製のラー油も置いてあるのでそれで味を調整するのもOK。
油っこさは全然ありません。ラーメンでいうなら「汁なしラーメン」と言えるくらいのスープ量なのですが、どうやらそれが黒酢ベースになっているようで、むしろさっぱりとしたスープなんですね。
飲んでもぜんぜんしつこくないし、食欲が無くてもしっかり食べられそうな爽やかさです。
そして特徴とも言える麺ですが、今回このお店で食べたものは幅が1センチ程度のもの。幅の広いものでは2~3センチの麺もあるらしいので、これはビャンビャン麺としては細めなのでしょうか?それでも十分に広いものでした。
長さもビックリです。馮シェフ曰く3~4メートルはあるよ、ということで、それを包丁で切ることなく茹でているので長いのなんの。
写真で分かるとおり透明感がある麺。あの長く幅広な麺が3~4本、200グラム程度入っているので、ボリュームもたっぷりです。
もちもちとした食感の麺は、1本ずつすすりきることができないため、途中で噛み切りながら「つるつる」と「もぐもぐ」を繰り返していきます。
すするように食べる麺というよりも、しっかり噛みながら食べる麺なのでしょう。
噛むごとに麺の甘みが増していき、酸味のある汁とのコントラストが楽しめます。
そうこうしている間に200グラムの麺をあっという間に完食。
ヨウポー麺の美味しさに背中を押され、追加でもう一杯注文してしまいました……。
あっさりトマトで箸が止まらない「トマト麺」
2杯目もいけるはずと頼んだのが、1杯目よりもさっぱりしていそうなトマト麺。
1杯目は麺が温かい「熱盛」でお願いしましたが、トマト麺は「冷盛」で注文してみました。
トマト麺も麺の打ち方は同様。幅広で長い麺が使われます。
麺の上に乗っているのは、トマトに炒り卵、キクラゲの入ったあん。そのままでも十分スープに絡む幅広の麺に、とろみのあるあんがまったりと絡み、しっかりとした味わいを与えてくれます。
酸味・炒り卵の塩分・出汁の香り、そのバランスが素晴らしいです。
爽やかなトマトのあんが、冷たい麺とよく合って、いくらでも食べられてしまいそう。大変においしくいただきました。
夜はお酒も。いつでも楽しめる身近なお店として
紹興酒のようなお酒だけでなく、ビールやカクテルも楽しめるこちらのお店は、夜も23時まで営業。
お酒とおつまみをひとしきり楽しんだ後に、麺少なめのビャンビャン麺を注文して締めるというのも楽しそう。
最近はこってり辛口の麺料理を口にすることが多かった筆者にとって、こうした爽やかな麺はとても美味しく、ビャンビャン麺がこれから流行る気配が伝わってきました!
- 西安麺荘 秦唐記 新川本店
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東京都 中央区 新川
中華料理