秋といえばスポーツの秋、読書の秋、芸術の秋…色々ありますが、私はもっぱら食欲の秋。みなさんはいかがですか?
秋は美味しい物がたくさんありますが、今回は秋冬になると益々美味しく感じるパンを食べに行ってきました。
訪れたのはパン好きはもちろん、パンにはそんなに詳しくない人も一度は聞いたことあるに違いない『メゾンカイザー』。メゾンカイザーといえば、パリに本店を置く名店。日本にいながら本場のバケットやクロワッッサンが味わえると大人気です。
今回ご紹介するのは、ランチタイムに1,500円以下(コースの内容により価格は異なります)でメゾンカイザーのパンとランチが楽しめるというもの。それもなんとパンはおかわり自由だというから驚き!
企画を聞いた段階で興奮気味の私。それも今回は1日に3食以上パンを食べ、年間200軒以上のパン屋を訪れるというフードアナリストの福地寧子さんがご一緒してくれることに。
福地さんは自らをパンを食べる人、パン「食」人と呼ぶいわば、パンを食べる専門家。美味しいパンと福地さんのパンにまつわるお話を聞くのを楽しみに訪れてみましたよ。
いざ、メゾンカイザーカフェ丸の内店へ
メゾンカイザーカフェ丸の内店は、東京駅と大手町駅からほど近い場所、丸の内仲通りにあります。
扉を開くと目の前にパンがずらっと並び、パンの香ばしい香りに包まれます。店内で福地さんと待ち合わせしました。
あ、福地さんがやってきましたよ!
はじめまして。よろしくお願いします。すごく楽しみにしていました。
よろしくお願いします。私もメゾンカイザーのファンなので、楽しみです。
早速、パン女子会スタートです。
ランチタイム(11:00~14:30まで)のメニューはこちら。今回はAからCまでの3つのセットを全て注文してみました。
福地さんに聞くパンのよもやま話・”店の味を知るにはクリームパンを食すべし!”
料理が来るまでの間、福地さんにパンにまつわるお話を伺いましたよ。
福地さんがパンを毎日3食以上食べるようになったのはいつ頃からなんですか?
いつからっていう正確な記憶はないんですよね。でも新卒で働いていた頃の同僚に「パンの取材とか、パン関係のお仕事もさせてもらっている」って話をしたら、「いつもパン食べてたもんね」と言われたので、かれこれ四半世紀を越えているみたいで(笑)。今では冷凍庫のパンの在庫が減ってくると不安になっちゃいます。
そうなんですね!パンにハマるきっかけになった衝撃的なパンとの出合いとかあるわけではなく、気づいたらいつもパンを食べていたんですね。
幼い頃からパンは好きでしたね。実家では朝食は普通にスーパーに売られている食パンでした。でも、習い事の帰りにいつも地元のパン屋さんでアプリコットデニッシュを買うのが楽しみで。
なるほど。パン好き歴はかなり長いですね。福地さんは年間200軒以上のパン屋さんを訪れるそうですが、絶対買うパンとか、一番好きなパンとかあるんですか?
「バケットとかハードパン」と言えたらカッコイイんですが、実はお店にあったら絶対買うのはクリームパンなんですよ。ひとことでクリームパンって言っても、パン生地とクリームのバランスとか、もちろんクリームの味、かたさ、甘さ、量とかそれぞれ本当に個性があって。クリームパンを食べて自分の味覚に合ったら、そこのパンは何を食べても好みなんです!これ、私が長年色々なパンを食べてきて導き出した持論です!
おもしろい!物差しがクリームパンですか。町に昔からあるパン屋さんにも、おしゃれなベーカリーにもクリームパンってありますね。素朴なものからデニッシュのようなものまで様々。今度私も初めてのパン屋さんでクリームパン、買ってみます!
パン食人が語る、メゾンカイザーの魅力とは?
ところで、色々なパン屋さんを訪れている福地さんが考えるメゾンカイザーの魅力ってどこですか?
どこの店舗で食べても、味のバラつきがないんですよ。その秘密はルヴァンリキッドという独自の発酵種。これを使って発酵させることで、風味豊かなパンに仕上がるのです。このルヴァンリキッドのおかげでどこのメゾンカイザーでも同じように美味しいパンが味わえるのです。
パンって湿度や温度、水など環境の変化にデリケートなものなのに、どこのお店でも同じ味が提供できるってすごいことですよね。
そんな話で盛り上がっているうちに、料理が運ばれてきました。
お得なランチは1,500円以下でパンのおかわり自由
今回、A、B、C3つのセットを注文したので、3人分のパンが運ばれてきました。こちらは食べ終わったら好きなだけ追加注文できる仕組みです。(但し、クロワッサンだけは1人1/2個まで)
この日のカイザーミートプレートはハンバーグ。日によって肉料理の内容は変わるそうですが、これにミニサラダとドリンク、パンがついて1,500円です。
サラダプレートといっても、グリーンサラダやキャロットラペ以外に、さんまのマリネやハムとブロッコリーのパンプディングなど盛りだくさんのプレート。こちらはドリンクとパンがついて1,200円です。
この日はパンとの相性抜群の秋鮭と白菜のクリームスープ。こちらはドリンクとパンがついて1,200円です。
ドリンクにはプチ焼き菓子が付いてきた!嬉しい〜。
何から食べようかワクワク!まずはメゾンカイザーの看板商品、クロワッサンからいただきましょう!
見てください、このほれぼれするようなクロワッサンの断面。サクサクの層が美しい。口の中に入れると、バターの香りと甘み、サクサクとした歯ごたえはまさに至福。
実はこのクロワッサンの美味しさの秘密は使用しているバターと層の数にあるんですよ!
層の数??
海外のバターはどうしても空輸の間に酸化してしまうため、クロワッサンに使うバターを国内で生産しています。そのバターの美味しさを最大限味わえるように、通常27層重ねる店が多い中、敢えて16層と重ねる層の数を減らして製造しているんです。
層の数でそんなに味が変わるものなんですね。確かにバターの味わいがしっかり感じられますね。奥が深い!
続いて、期間限定の『かぼちゃのエクメック』。かぼちゃを練りこんだパン生地にローストしたカシューナッツをたっぷりと。生地はかぼちゃとはちみつの甘みが優しい味わいです。
こちらは柚子胡椒のチャバタ。実はこのパンは販売されてはおらず、カフェメニューだけで味わえるのだそう。(日替わりのため、取り扱いのない場合もあります)柚子胡椒とパンの組み合わせが意外な気がしていましたが、食べてみると思った以上に好相性!
あっという間にパンをたいらげ、おかわりをいただくことに。
おかわりをお願いすると、席までこのようにパンを持ってきてくれます。この中から好きなものを好きなだけお願いすることができます。
日替わりで12〜13種類のパンが用意されているそうですが、この日はエクメックレモンティー(紅茶、レモンピール、ホワイトチョコを練り込んだパン)、2種類のオリーブのチャバタ、さらに食べやすくなった全粒粉のレーズンとくるみパンなどどれにしようか目移りしてしまいます。
悩む必要なんてありません。今日はおかわり自由。全種類をいただいてみました。
メゾンカイザーのパンは300円前後のものが多い中、このおかわり自由はどう考えてもお得すぎる。しかも90分制。しっかり食べておしゃべりも十分楽しめてしまいます。
ハード系のパンは風味豊かで噛めば噛むほど美味しい。雑味がなく、素材の味わいが楽しめます。
パンの美味しさを堪能しつつ、再び福地さんとパン談義に。
パンばっかりひたすら召し上がるのかなって勝手に想像していたんですが、おかずや野菜などバランスよく召し上がるんですね。
そうですね。パンを主食におかずを食べています。自宅の冷凍庫には色々な種類のパンが大小様々な大きさに切った状態で冷凍されているんです。気分に合わせてそこからパンを選んで。ちょうど今日のこのパンおかわり自由のバスケットの中みたいな感じ。
楽しそうですね。そうなると、普段は洋食が多いのですか?
それが、パンは意外に和食にも合うんですよ。発酵繋がりで味噌やしょうゆの味付けもよく合います。パンに肉味噌をのせたり、クリームチーズとわさびを塗ったり色々楽しんでます。
発酵繋がりかー。面白い!今度試してみよう。考えてみればシンプルなハードパンは粉と水が主原料だし、白米のようにどんな味付けにも合いそうですよね。
買ったクロワッサンを、家でも美味しく食べるワザ教えます
ところで、せっかく購入して帰ったおいしいパン。上手に温め直せず焦がしてしまったりすると、台無しになってしまいますよね。おうちで美味しく温め直す良い方法あったら教えてください。
特に上手にリベイク(焼き直し)するのがむずかしいのがクロワッサンだと思います。高さがあるし、バターが多いので焦げてしまうんですよね。
上手にリベイクするポイントは
・200度で2分予熱をする
・上下をアルミホイルで覆う
この2点です!
しっかり覚えました。今日クロワッサン買って帰って明日リベイクに挑戦します!本日は美味しく楽しい時間をありがとうございました。
ぜひ試してみてください。こちらこそありがとうございました。
クロワッサンを上手にリベイクできたか?結果はいかに!?
翌日、自宅で福地さんに教えてもらったリベイクに挑戦しました。
まずはオーブントースターを焼き始める2分ほど前に予熱。我が家のトースターはW(ワット)表示なので、750Wに予熱しました。
上下をアルミホイルでサンドして焼き時間は2〜3分。
じゃじゃじゃ〜ん。どうですか!サックサクによみがえりました!自宅でもお店の焼きたてさながらの味を楽しめるなんて、なんとも嬉しい限り。
福地さん、メゾンカイザーのみなさんありがとうございました!
- メゾンカイザーカフェ 丸の内店
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東京都 千代田区 丸の内
カフェ
*お詫びと訂正:初出時、時間無制限と記述しておりましたが90分制の誤りでした。ここにお詫びし訂正させていただきます。
ライター紹介
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尾花友理
- 給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談など経験したのち、料理研究家のアシスタントとしてレシピ開発、料理講師、テレビや書籍の撮影アシスタントなどとして活動。その後、レシピサイト運営会社において管理栄養士として調理や食の安全に関す業務などに従事後、独立