世界各国にファンをもつ、AOP認定のフランス産発酵バター「エシレ」。2009年に世界初のエシレバター専門店「エシレ・メゾン デュ ブール」が東京・丸の内ブリックスクエアに誕生して話題となりました。
*AOP(Appellation d’Origine Protégée:原産地名称保護)とは・・・EUがその土地の伝統的な農産品の保護を目的として製造地や原料、製造工程などの規定を満たした商品にのみ付与する原産地保護の認証。
そんな「エシレ」が2018年10月24日(水)に新業態をオープン!それが伊勢丹新宿店本館地下1階に常設店としてオープンした、焼き菓子を楽しめる「エシレ・パティスリー オ ブール(ÉCHIRÉ PÂTISSERIE AU BEURRE)」です。
お店のこだわりや、ここでしか味わうことができない新商品の魅力を徹底解剖&現在の混雑状況や来店のおすすめ時間帯などもご紹介します!
そもそもエシレバターとは?
そもそもエシレのバターとは、優れた乳製品の産地として知られるフランス中西部・エシレ村で生産されるクリーミーな口あたりと、芳醇な香りが特長の発酵バターのこと。
エシレ村のあるヌーヴェル・アキテーヌ地域圏は石灰分の多い土壌と温暖な気候に恵まれており、そこで育った牧草で育つ牛たちの乳は乳脂肪が多く、バター作りには最適だと言われています。
そんなエシレ村の中でもエシレ バターになるのは、工房から半径30km以内の酪農家の牛乳だけ。発酵バターはクリームを乳酸発酵させてからつくるバターなのですが、この時に使用する乳酸菌も代々伝わるもののみ。
木製チャーン(攪拌機)を使用するなど、1894年の創業以来代々受け継がれている昔ながらの製法で職人達がバターを製造しています。これによりクリーミーでまろやかな味わいで、ヨーグルトのような爽やかな酸味と香り高いバターに仕上がります。
これらのこだわりからエシレのバターは、1900年のパリ万博で1等賞を受賞するなど、多くの万国博覧会で賞を受賞。各国王室や三ツ星レストランでもその品質の高さが認められ、使用されています。
伊勢丹新宿店でしか味わえない!こだわりの焼菓子は全6種類
そんなエシレは現在、丸の内に「エシレ・メゾン デュ ブール」が、大阪に「エシレ・マルシェ オ ブール」がありますが、その人気から両店とも売り切れが多く、なかなか購入できないという声や日持ちが短い商品が多いため、ギフトとして使いにくいという声があったそう。
そこで「エシレ バターの美味しさをより多くの人に伝えたい」という思いからエシレ バターの美味しさへのこだわりはそのままに、より多くの人の声に応えるラインナップを揃えた常設店として「エシレ・パティスリー オ ブール」がこの度誕生しました。
「エシレ・パティスリー オ ブール」ではエシレ バターのフルラインナップ、そしてそのバターをふんだんに使ったここでしか買えないオリジナルの“こだわりの焼き菓子”6種を販売。
焼き菓子は「エシレ バターの美味しさを最大限に表現するフランス菓子」というコンセプトで商品化されています。
ちなみに2018年5月に伊勢丹新宿店で期間限定でご紹介した際には、たくさんのお客さまが訪れ、大変ご好評でした。
パイ生地が香ばしい2種の「エシレ フィユタージュ」に注目
注目は、フィユタージュ・アンヴェルセという製法でサクサク、ハラハラとした食感に焼き上げた「エシレ フィユタージュ サンボリック」と「エシレ フィユタージュ バトン」という2種の「フィユタージュ」。
フィユタージュ・アンヴェルセは大変手間のかかる製法で、フランス語で逆折りパイの意味。通常の折りパイ生地は小麦粉でバターを包み込みますが、アンヴェルセ製法はバターで小麦粉を包むというもの。
手間と時間がかかる製法ですが、エシレ バターの美味しさをたっぷり楽しむにはアンヴェルセ製法が最適と考えたそう。
通常の折りパイと比べるとバターの配合量が多く、何層にも重なったパイ生地が織りなすざっくりとした食感、香ばしくジューシーなバターの風味が特徴になっています。
ザクザク食感とジューシーな味わいが魅力の「エシレ フィユタージュ サンボリック」
フランス語でシンボルという意味を持つサンボリックが掲げられた「エシレ フィユタージュ サンボリック」は特にイチオシの商品。
エシレ バターをたっぷりと練りこんだバター生地でフランス産小麦粉を包み込み、幾層にも重ねて包み込んだフィユタージュです。エシレ フィユタージュシリーズの象徴的存在ということで、表面には「E」のマークが刻まれています。
表面のキャラメリゼが香ばしく、ザクザク食感のフィユタージュ生地は芳しいバターの香りが印象的。噛むごとに広がるエシレ バターの濃厚でシューシーな味わいがたまりません。
エダムチーズを挟んだワインとも相性抜群な「エシレ フィユタージュ バトン」
もうひとつのフィユタージュ「エシレ フィユタージュ バトン」は、エシレ バターをたっぷりと練りこんだフィユタージュにエダムチーズを挟んでしっかりと焼きこんだ一品。
スティックタイプで食べやすいフォルム、ジューシーでザクザクとしたフィユタージュ生地、コクがありマイルドでバターのような旨みを感じるエダムチーズが見事にマリアージュ。
塩気のある味わいでコショウのスパイシーさが味に輪郭をもたらし、ワインなどお酒と一緒にいただくのにぴったりでした。
とろけるバタークリームに感動!濃厚フレッシュバターの「サブレサンド」
個人的に感動したのが、しっとりした食感のサブレに濃厚なフレッシュクリームをサンドした「サブレサンド」。バタークリームは、卵黄を使った濃厚でコクのある味わいで、メレンゲをあわせて口当たりを軽く仕上げています。
クリームの半分以上にエシレ バターを使用しているというバタークリームは溶けやすいため、冷蔵庫から取り出したらすぐに食べるのがベストだと言います。種類はブール(バター)、ラムレザン、ピスターシュの3種類です。
ブールはエシレ バターの味わいがシンプルに味わえる一品。ホイップクリームのような口どけのバタークリームがスッととろけ、しっとりしたサブレにジュワっと沁みこみ、じんわりと甘く豊かなバターの味わいが口に広がっていきます。ミルク感のあるエシレ バターの旨みを存分に味わいたいならぜひブールを!
ラム酒の味がしっかりと利いた大人な味わいのラムレザンは、バターも少しブールより硬め。舌の上で滑らかにとろけ、ラムの香るバタークリームとレーズンの甘みが至福の味わいです。
フワッとピスタチオの香りが鼻から抜けるピスターシュは、滑らかでまろやか、クリーミーなバタークリームが心地よいまとまり。
「サブレサンド」はどれもバターをたっぷり使用しており、濃厚でコクがありながらも、重たすぎない絶妙なバランスで仕上げられているのが素晴らしいなと思いました。
プチギフトにぴったりな「ガレット ブルトンヌ」「サブレ ナンテ」
この他、プチギフトにもぴったりのパッケージに詰められた小さなサイズの焼菓子も登場。
こちらの「ガレット ブルトンヌ」は、フランス・ブルターニュ地方が発祥の焼き菓子。ラム酒を使用し、エシレ バターの風味とほのかな塩気がくせになるちょっぴり大人な味わい。
厚焼きのサブレはホロホロ、サクサクな食感で、後からじんわりとエシレ バターの芳醇な旨みが広がっていきます。
「サブレ ナンテ」は、フランス・ナント地方の伝統菓子。サクッと歯を入れた瞬間にエシレ バターの甘く豊かな香りが口の中に広がり、鼻から甘く芳しいバターの香りが抜けます。
サクサクした食感が楽しく、噛むごとに香ばしいバターの風味が引き立ち、幸せいっぱいの気分に。
バニラ好きにオススメなのが「サブレ ヴァニーユ」。エシレ バターとバニラが香る、比較的薄焼きでカリカリと軽い食感のサブレで、匂い立つバニラの香りが贅沢です。
「バトン フロマージュ」は甘いものが苦手な人にもオススメ。フロマージュの濃厚さが、エシレ バターのクリーミーさを引き立てる絶妙な味わい。
こちらはオランダ産のエダムチーズパウダーのコクのある味わいに、アーモンドのナッツ感とカリッとした食感、コショウがアクセントになった一品。チーズ好きやワイン好きにはたまりません。
行列や待ち時間、来店にオススメの時間は?
エシレといえばその人気から行列必須、売り切れ続出のお店としても知られています。新業態の「エシレ・パティスリー オ ブール」は、現在どのような状況なのでしょうか?
伊勢丹新宿店に、オススメの来店時間や待ち時間について確認させていただいたところ、「この時間が狙い目、と言い切ることが難しい状況です。平日の開店〜13時くらいまでは比較的待ち時間が短く、お求めいただける可能性が高いです。夕方〜夜はお並びが少ないこともありますが、数種類完売してしまっていることが想定されます」ということでした。
取材した日はオープンして2日後の10月26日早朝でしたが、店舗オープン前からお待ちになっているお客さんもいらっしゃいました。
特にイチオシの「エシレ フィユタージュ」「サブレサンド」は早めになくなることもあるようなので、気になる方は平日開店後〜13時くらいに伺うのがいいかもしれません。
「ÉCHIRÉ PÂTISSERIE AU BEURRE(エシレ・パティスリー オ ブール)」
住所:東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店本館地下1階 カフェ エ シュクレ
営業時間:10:30~20:00(不定休)
電話番号:03-3352-1111(大代表)