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アントニオ猪木さんは「創造と破壊」の人--プロレスラー鈴木秀樹の「僕の体はエクレアでできてます」

プロレスラーの鈴木秀樹(@hidekisuzuki55 )です。

毎回ある「お題」にもとづいて、美味しいエクレアをご紹介する連載『僕の体はエクレアでできてます』第13回目のテーマは「プロレスとアート」

粋なデザインのエクレアはこっくり濃厚

今回はパリに本店を構えるスイーツブランド「FAUCHON(フォション)」のエクレアをいただきます。日本橋高島屋S.C.本館のフォション洋菓子コーナーで購入してきました。

ひとつめは、葛飾北斎の浮世絵を転写したチョコが上に乗った「エクレール ラ・ヴァーグ」(540円・税込)。こちらは定番商品ですよね。結構前に差し入れでいただいた覚えがあります。

中に入っているカスタードクリームは普通に美味しいんですが、けっこうな濃厚さ。水分が少なめでこっくりしたクリームだと感じます。フランス産バターが使われているそうです。

ふたつめは「エクレール ポティロン」(540円・税込)。かぼちゃのスライスをイメージしたという表面のチョコは、まさにかぼちゃカラー。

中身はかぼちゃクリームというより、かぼちゃをペースト状にしてそのまんま入れた、みたいな「野菜感」の強さがハンパないです。

砂糖のような人工的な甘さよりも、野菜本来の甘さが際立っています。いや〜美味しいです、これ。かぼちゃは特に好きというわけではないんですが、かぼちゃ味のスイーツって、なんでこんなに美味しいんでしょう?

こっくりした感じながら“くどさ”はなくて、男性に渡しても喜んでもらえるような気がします。スイートポテトみたいな、素材本来の美味しさを活かしたスイーツですよ。

ちなみに、FAUCHONのエクレアも差し入れでいただくと、秒速でなくなるエクレアのひとつです。

よく女性ファンがFAUCHONや知る人ぞ知るブランドのエクレアをふたつみっつ、小さい箱で差し入れてくれるんですね。

それを分けてもらおうと、僕のところに来るレスラーも多いんですよ。「高級なエクレアだ!」とわかって、狙ってるんですよ(笑)。まったく油断も隙もあったもんじゃないです。

プロレス日記「アーティスティックなプロレスラーといえば?」

さて、今回はアーティスティックな表面のエクレアにちなんで、「プロレスとアート」を語ってくれ、というお題をいただいています。

連載を構成する池田園子さんから、「アーティスティックなプロレスラーと聞いて思い浮かべるのは?」と聞かれて、逆に聞き返すと「中邑真輔選手」(アメリカのプロレス団体、WWE所属)と返ってきました。

最近のファンは、新日本プロレス入団当時〜初期の中邑さんを知らないんじゃないでしょうか。格闘技色が濃かった中邑さんは、デビュー時から積み上げてきたものを壊して、自分らしいスタイルを模索して、今の中邑さんになった。

「次はどんなことを見せてくれるんだろう?」と見る側を期待させてくれる、アーティスティックなプロレスラーの代表格みたいな人ですよね。

猪木さんもそのタイプで、自分で積み上げてきたものを自分で壊す人。「創造と破壊」が同居している人だと思います。

積み上げてきれいなものを作っても、壊して残骸だけが残っても、どちらもアートにしてしまうのが猪木さんの才能なんだと思います。あの人はなんていうか、別格ですよね。

中邑さんとの対極にいるのが棚橋弘至さんじゃないかな。棚橋さんは、新日本プロレスが大変だった時代から、自分がやろうと決めたことをずっと積み上げている人。「愛してまーす!」もそのひとつ。

好きなことだけやっても意味がない。求められることをする

続けるのもひとつの勇気だし、個性ですよね。積み上げてきたものを捨てるか、そのまま続けるか――それを正解・不正解と分類する意味はなくて、自分がどちらのスタイルを選ぶか、なんですよね。

棚橋さんと中邑さん――そういう異なる価値観を持つレスラーたちがトップ選手として、リング上で価値観の面でもぶつかり合うのは、見ていて面白かったですよね。ふたりが向かい合うだけでも芸術的に見える、というか。

僕自身はというと、自分がいいと思ってやってきたことでも、「違うな」と感じたら思い切って捨てます。猪木さんでいう「破壊」ですよね。昔はプロレス技を今よりもいろいろやってたんです。でも、僕がいいと思ってやっていても、お客さんが評価してくれるとは限らない。

どうしても使いたい技ですら、やめたものは多いです。いろいろやめて最後に残ったのは、師匠のビル・ロビンソンが使っていた技と彼が教えてくれた技だけです。

フリーになって半年くらい経って、僕はロビンソンの物真似をし続けることが、一番合っているし、求められてるんだなとわかったんです。僕がロビンソンから教わっていたのをお客さんも知っているので、見ても違和感がないですからね。

人が見て楽しんでくれることと自分ができることをすり合わせるのが大事ですよね。好きなことだけじゃなくて、必要なことをしないといけない。それに気づくまでずいぶん時間がかかりましたけど。

リング上で展開される芸術的な闘いを、皆さんもぜひ楽しんでいただけたらと思います。

【今回食べたエクレア】

エクレール ラ・ヴァーグ(540円・税込)
エクレール ポティロン(540円・税込)※2019年1月15日までの限定発売となります。

■鈴木秀樹選手の試合情報
【試合】ニコプロpresentsハードヒット「KEJIME」
【日時】2018年12月29日(土)試合開始:12:30
【会場】東京・新木場1stRING(東京都江東区新木場1丁目6-24)
【URL】http://hardhitpro.com/867
その他、直近の試合スケジュールは鈴木選手のTwitter からご確認ください!

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