こんにちは、Retty編集部の岡田です。
ライター紹介
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岡田隆太郎
- カメラマン→雑誌の編集→PRを経てRettyグルメニュース編集部へ転身。 好きな食べ物はナスの揚げ浸し。基本毎日飲んでます。
皆さんは「レディ・キラー」という言葉をご存知でしょうか?1980年代、"味わいはスッキリしていて飲みやすいけど、実はアルコール度数の高いカクテル"が多く存在していました。
バーなどで、男性が女性を口説く際に利用されていたことから「レディ・キラー」という俗称がついたんだそう。お酒に酔わせて女性を口説こうとするなんて、不届き者すぎますね!全世界の女性の味方である僕としては許すまじき行為です。(誰やねん)
そんな少々ネガティブイメージの強かった「レディ・キラー」を、当時のノスタルジックさを残しながらも、今っぽい一杯に出来ないかと試行錯誤を重ね、アップデートしてくれたお店があると噂で聞きました。
完成した2種類のサワーは期間限定とのことなので、レディの味方を自負している身としては、確かめに行かない訳にはいきません。早速、お店に取材してきました。
今回、お邪魔したのは御徒町駅から徒歩5分ほどの場所にある『RUTTEN_』。創業80年を誇る老舗の荒岡眼鏡さんが、御徒町にオープンさせたコーヒーとお酒を楽しむお店なんだそう。
- RUTTEN_
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東京都 台東区 上野
カフェ
"合間を楽しむ"がコンセプトだという同店は、ほっこりした気分になれる店内が印象的。適度な照明と、個性的なデザインの様々なアート。一人で来ても楽しめる工夫が細部に散りばめられていました。
「こんにちは〜」と言いながら現れたのは、癒し系の見た目がなんとも愛らしいオーナーの荒岡さん。眼鏡屋さんだけあってオシャレなメガネを着用されていますね。ナルホド、このオーナーさんにしてこの店内。合点がいく気がしました。
ーーー今日はよろしくお願いします。まずお店について少し教えていただきたいです。
元々、弊社は老舗の眼鏡屋さんなんですね。本社は台東区にあるんですが、職場は港区で、何か台東区に恩返しがしたいねってところから始まりました。
ーーー恩返しですか。ちょっと意外な動機ですね。
そうですかね(笑)。最初は眼鏡屋さんを始めるって話もあったんですが、メガネって間口が狭いじゃないですか。それなら老若男女が楽しめるカフェにしようかなって。
ーーー確かに。眼鏡屋さんってそんなに頻繁には行かないですもんね。全然関係ないんですけど『RUTTEN_』という店名の最後にあるアンダーバーって何か意味があるんですか?
これは"余韻"という意味を込めました。このお店のコンセプトが"合間を楽しむ"というとても抽象的なものなんですね。我々が提供するのは空間だけで、あとはお客さんとか、周りの人たちと一緒に作り上げていきたいと思っていて。
ーーーあ〜なんとなくその気持ちわかります。お客さんと一緒に作り上げていくお店っていいですよね。客層はどんな感じなんですか?
結構幅広いですね。地方から来てくださる方もかなりたくさんいて。前回もイベントをやらせてもらったんですけど、その時も青森や大阪からいらした方がいてビックリしました。しかもオリジナルグッズのグラスまで買っていってくれたんです。
わざわざ東京に来て、立ち寄る店のリストに入っていることが嬉しいですよね。この辺りは定番の観光スポットってわけではないですし。SNSを見て来てくださる方が多いので、本当にその影響力には驚かされます。
ーーーすごい反響があったんですね。前回に引き続き、ということだと思うんですが、今回はなぜ「レディ・キラー」に着目しようと考えたんですか?
そうですね。元々このお店は"コーヒーとお酒を楽しむお店"として始まったんですが、ある日エスプレッソを使った飲み物の試作品を作っていたんです。そこで出来たお酒が"80年代っぽい"ってなったんです。
ーーー80年代っぽい、ですか?
そうです!80年代にはトム・クルーズ主演の『カクテル』という映画が流行していたりして、その時代のことを調べていった時に「レディ・キラー」という存在に出会ったんです。
ーーーなるほど。では「レディ・キラー」との出会いは偶然の産物だったんですね。
そうですね。そういうゆるい部分もウチのコンセプトっぽくていいかな、って。そういえばドリンクメニューを考案しているのは新貝というスタッフなので、紹介しますね!
どうも。新貝です。
ーーーよろしくお願いします。僕も写真が苦手なので気持ちわかります(笑)。
ありがとうございます(笑)。
ーーーこちらにあるドリンク類が今回のキャンペーンの対象商品ってことだと思うんですが「レディ・キラー」以外はレギュラーのメニューってことですか?
おっしゃる通りです。僕は結構いろんな場所に旅をしに行くんですが、その土地で出会ったおいしいフルーツなどを買って帰ってくるんです。それを使いながらドリンクを試作することが多くて。
ーーー旅先での偶然の出会いにインスピレーションを受けるということですね。
はい、そうです。逆にそういうことを続けていると、農家の方から"こんなフルーツがあるよ"と教えてもらうこともしばしばあるんです。いただいたヒントを基に、いろいろと組み合わせて試しながら新メニュー作りにも活かしています。
ーーーやはり偶然の出会いや共創の精神が、このお店にとってとても大切な要素なんですね。話は変わりますが、パナシェってどういうお酒なんですか?初めて聞きました。
パナシェはレモネード×ビールのお酒ですね。ここにある中で4種類はレモネードシロップを使っています。元々、あまり僕がレモンサワーとか飲まないんですが、"自分でもこれなら飲むな"ってドリンク作りを心がけています。
ーーー絶対おいしいやつですねソレ!全部飲んでみたいけど、今回はせっかくなんで「レディ・キラー」の2種類を飲んでみてもいいですか?
こちらはルッテンブレンドという店頭で出しているコーヒーエスプレッソを抽出し、そこにウイスキーを合わせてシェケラートにしています。
ーーーめちゃくちゃおいしい。コーヒー自体は僕、少し苦手なんですが、ほんのり甘くてカルーアミルクっぽいイメージでガブガブ飲めますね。
こちらは今が旬のりんごシロップを使ったもので、そのシロップはハーブと一緒に漬け込んでいるので、かなり香り高くなっています。
ーーーん!単なるりんごって感じじゃなくて、結構シナモン感がありますね。飲みやすくておいしい〜!
店内には台東区の情報も散りばめられているんです。僕が写真好きっていうのもあるんですけど、これは秋葉原にある東京CAMERAさんのカードで。
これはJVCという御徒町にある日本国際ボランティアセンターの紹介をしているボードになっています。
このお店をやっていく上での根幹に"台東区への恩返し"を軸としているので、この辺りの地域の情報を少しでも発信したいんですよね。
ーーー「レディ・キラー」というワードを嗅ぎつけてきた僕としては、こんなほっこりするエピソードになるとは予想もしていなかったのですが、すごく真摯に取り組まれてるんですね。
基本はふざけてますけどね(笑)。この"昭和通り編"や"蔵前橋通り編"っていうネーミングもふざけてるけど、でもこの辺りの地域のことを知ってもらうキッカケにもなればな、という気持ちはありますし。
ーーーふざけながら地域貢献とか最高じゃないですか!いい話が聞けました。ありがとうございました。
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まさか、こんな感じのインタビューになるとは全く想像していなかったんですが、彼らからトータルで感じたことは、いい意味でのゆるさでした。
ここ、台東区は決して派手さがあるわけではないけれども、古き良き街並みが今も残る素敵なスポットです。
そんな中で、古き良き80年代のカルチャーに彼らが感化されたのは、もしかしたら偶然じゃなかったのかもしれないですね。
「レディキラーと呼ばないで」というインパクトのある言葉は、古いイメージは捨てて自分の目で物事を見極めてほしいという『RUTTEN_』からのメッセージのように感じました。
飲みやすくておいしいドリンクで、ほろ酔い気分が楽しみたい人は是非訪れてみてくださいね。
開催期間:2018年11月30日(金)~12月28日(金)
開催場所:RUTTEN_(東京都台東区上野5-5-10 1F)
TEL:03-6284-2675
※会期中の定休日:12月1日(土)、2日(日)、9日(日)、15日(土)、16日(日)、23日(日)
※イベント開催期間中は、コースターを3枚集めるとオリジナル缶バッジ、8枚集めるとRUTTEN_特製のグラスがプレゼントされます。
さらに、本イベントのメインビジュアルを使用したスウェット、コーチジャケット、ジェットキャップ、ボールペン、缶バッジなど、オリジナルグッズも発売予定なので要チェックですね。