連載:ラーメンミュージシャン井手隊長の「このラーメンもう食ったか!」

2018年ベストラーメンTOP10!全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャンが厳選

全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。

ライター紹介

井手隊長
井手隊長
全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン&ラーメンライター。 自身のインターネット番組、ブログ、Twitter、Facebookなどでも定期的にラーメン情報を発信。 その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。

今回は、2018年に私が食べたラーメンの中で、特に思い出に残った10店をご紹介したいと思います。

ベスト10を決めるにあたって何度か訪れているリピート店は除外し、あくまで私が今年初めて訪れたお店に限定して、何とか10店に絞らせていただきました。

本当に美味しいお店が多くてかなり難しかったですが、今のトレンドも見えるいいベスト10になったかと思います。

ぜひ食べ歩きの参考にしていただければ嬉しいです。

第10位『中華蕎麦 時雨』(関内)

「中華蕎麦 時雨」は、開店から一年半と新しいお店ですが、TRYの受賞やつけ博などでも大活躍。店主はなんと昔、名店「多賀野(荏原中延)」で働いていて、その後は数々のお店を渡り歩いた方。

写真は「中華蕎麦」。スープはホロホロ鳥・比内地鶏のスープに、10数種類の魚介や乾物のダシを合わせたもの。

鶏と醤油の旨味と香りがスーッと沁み渡ってきますが、そこに加えて魚介や昆布など、和の旨味がじんわり広がっていきます。麺は「春よ恋」などの小麦粉をブレンドして作った自家製麺。

お店の雰囲気にピッタリの、和をテーマにまとめた大変上品な一杯。九条ネギの香りと清涼感も素晴らしいです。

第9位『MENSHO SAN FRANCISCO』(新宿)

新宿ミロードのレストラン街が7月にリニューアル。

その7階に、MENSHOの海外店舗が日本に逆輸入オープン。サンフランシスコ店はミシュランのビブグルマンを2年連続で受賞している超人気店。

写真は「鶏白湯らぁめん」。サンフランシスコではお客さんの7割が注文するというメニュー。

油をできるだけ排除し、鶏白湯+豆乳クリームで仕上げています。鶏の旨味が溢れるスープに、豆乳がクリーミーさを加え、ゆずの酸味とフワーッと広がる香りがかなり印象的。

麺は、小麦粉「ゆめちから」にキヌアを配合した自家製の加水手もみ麺。今まで食べたことのないラーメンで、「鶏白湯」という名前で片付けてはもったいないぐらいの逸品です。

第8位:『うまいヨゆうちゃんラーメン』(大和)

ド濃厚の豚骨ラーメンを出す名店。

写真は「チャーシューメン麺固め+ライス」。ライスは大盛無料。スープは豚骨と水のみで、羽釜で豚骨をガンガン炊いています。見た目だけで既に食欲をそそる濃度。

チャーシューは大ぶりなものが5枚も乗り、ライスも盛り盛りで凄いボリュームです。横浜家系ラーメン「壱六家」出身の店主なので、麺や具のチョイスは何となく家系を踏襲しつつ、スープの濃厚さは独自の道。

気持ちいいぐらいの濃度で太麺にもよく絡み、悶絶の美味しさです。

第7位:『中華そば 大賀110』(座間)

神奈川県は座間にある、白河ラーメンと担々麺の二枚看板のお店。公開していませんが店主は有名店の出身です。

写真は「ワンタン麺」。具はチャーシュー3種、ワンタン、穂先メンマ、味玉、ネギ、海苔。麺は白河風に、毎日手打ちで打つ太め縮れ麺。

鶏・豚の清湯スープに、少し酸味のある醤油ダレを合わせて、鶏油もプラスしています。本格的な白河ラーメンですが、最近の鶏清湯のトレンドもしっかり押さえた素晴らしい作りで、まさにネオクラシカルな一杯。

チャーシューはモモ、ロース、鶏の3種類で、少しスモーキーでオススメです。

第6位:『Kanekitchen Noodles』(東長崎)

東長崎で一昨年開店した人気店。今年のミシュランガイド東京のビブグルマンにも見事選出。

写真は「特製醤油らぁめん」。具は豚チャーシューが2枚、鶏チャーシュー2枚、味玉、三つ葉、メンマ、ネギ。

麺は細め角切りストレートで、全粒粉入り。スープは鶏清湯に鶏油を加えた流行系ではありますが、細部の仕上がりが特筆すべきレベル。名古屋コーチンなど丸鶏スープの旨味に鶏油の香り、醤油のまろやかさが見事に調和しています。

そしてチャーシューは今年No. 1レベル!ぶ厚くフカフカな鶏チャーシューに、しっとりと旨い大ぶりの豚チャーシュー。これは凄いです。

第5位:『手打式 超多加水麺 ののくら』(亀有)

昨年亀有にオープンした話題の新店。店主は「九段 斑鳩」出身。

写真は「特製中華そば(醤油)」。具は低温調理チャーシュー、スモークチャーシュー、鶏チャーシュー、味玉、皮ワンタン、メンマ、白髪ネギ、ネギ、海苔、三つ葉と大変豪華!

麺は自家製で加水率53〜57%という超多加水の極太麺。手打ちならではの縮れ
がしっかり付いていて、モチモチプリプリの食感は昇天レベル。

老鶏の丸鶏と鶏ガラに鶏肉を入れて炊いたスープに、煮干し、うるめ節、鰹節、昆布などの魚介スープをブレンド。醤油ダレは生揚げ醤油を使用。この2つがぶつかり合って実に奥深い旨味を引き出しています。

麺は極太ながら絡みも十分で、小麦の味もしっかり感じます。開店2年目ながらミシュランガイド東京のビブグルマンにも選ばれ、いま最も勢いのあるニューウェーブのひとつです。

第4位:『中華蕎麦 にし乃』(本郷三丁目)

上北沢の「らぁめん 小池」の2号店で、今年2月にオープンながら「小池」とともにミシュランガイド東京のビブグルマンを獲得。

写真は「山椒そば」。スープは煮干し主体の清湯系で、香味油に山椒をビシッと効かせ、上にも山椒がパラっとかかります。

煮干しと山椒の旨味と香りが交互に繰り出され、かための麺を啜ると、山椒の爽やかな香りが鼻に抜けてきます。山椒で「シビレ」ではなく「香り」を演出しており、ラーメンとしては非常に新しい方向性を感じました。

ちなみに「にし乃」の由来は、店主の水原さんがアイドルオタクで、乃木坂46の西野七瀬ちゃんが大好きだからだそう。「にしの」と「乃木坂」の「乃」をくっつけて「にし乃」になったという非常にユニークな店名です。

第3位:『中華そば 銀座 八五』(東銀座)

今年12月にオープンしたばかりの「勝本」の3号店。

店主の松村さんは、元・京都全日空ホテル(現ANAクラウンプラザホテル京都)の総料理長で、フレンチの世界からラーメン職人に転身された方。

写真は「特製中華そば」。カウンター6席ですがおもてなしが素晴らしく、心地よい空間です。

鴨と名古屋コーチンを中心としたスープに、生ハムのダシを合わせています。タレを一切使わず、調味料は寸胴に少しの塩を入れているのみ。ダシ感でグイグイ引っ張るスープの複雑な旨味と深みは、あっぱれとしか言いようがない美味しさです。

麺は浅草開化楼がこのスープのためだけに作った中細ストレート麺。2019年を牽引するお店になること間違いなしだと思います。

第2位『SOBAHOUSE 金色不如帰 新宿御苑本店』(新宿御苑前)

名店「金色不如帰」が今年5月、幡ヶ谷から新宿御苑前に移転。移転だけでも今年のトップニュースに入ると思いましたが、念願のミシュランガイド東京の一つ星も獲得。今年最も注目の集まったお店と言っても過言ではないでしょう。

幡ヶ谷にはもちろん食べに行っていますが、移転してラーメンの作りも変わったので新店として2位にランクイン。

写真は「煮豚塩そば」。具はSPFナチュラルポークの肩ロースチャーシューが4枚、イベリコ豚のレアルベジョータバラ肉チャーシュー、国産黒豚パンチェッタビーコンビッツ、ネギ、香草。

味変ソースが3種、ポルチーニデュクセル、インカベリーソース、白トリュフオイルがかけてあります。スープは桑名産のはまぐり、宇和島産の真鯛、そして乾物のトリプルスープ。贅沢すぎて飛び上がる美味しさです。

そして、一番の大きな変更点は麺が自家製麺になったこと。中細ストレートで、かなりしなやかになり、喉越しもよく、スープとの相性もバツグンです。

たくさんある素材の複雑な旨味が5段階で感じられるように構成され、食べるたびに新たな美味しさが浮かび上がる…まさに唯一無二の一杯です。

第1位:『ラーメン かしわぎ』(東中野)

昨年オープンしたばかりの新店ですが、脳天を撃ち抜かれたかのような美味しさで今年ナンバーワンとなりました!

写真は「醤油ラーメン」。具はチャーシュー2種、穂先メンマ、カイワレ、ネギ。麺は細めストレートで、京都の「麺屋棣鄂」製。

スープはなんと豚清湯。鶏清湯全盛の今、豚で攻める店主のこだわりが丼からビシビシ伝わってきます。スープは見た目以上にワイルドで、豚と醤油ダレはなんとも攻撃的な味わいで、一瞬にして虜になりました。

値段も680円と良心的。美味しさやこだわりだけではなく、満足度も含めて1位に挙げたい名店です。

***

いかがでしたか?来年もたくさんのラーメン店を巡っていきたいと思います。

※なお、こちらのベスト10は私がパーソナリティを務めるインターネット番組「ラーメンミュージシャン井手隊長の今3時?そうねだいたいね」でも紹介していますので、ぜひYoutubeでもチェックしてみてくださいね!

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