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ラーメンの味、器で変わるって知ってた? シャンプーハットてつじが作る「究極のラーメン鉢」構想

現在、クラウドファンディングでこんなプロジェクトが佳境を迎えようとしています。

「究極のラーメン鉢」を作りたい。
 

>>「究極のラーメン鉢」を作りたい。by シャンプーハット・てつじ
 

プロジェクトのオーナーは、お笑い芸人「シャンプーハット」のてつじさん。

星の数ほどのラーメンを食べ歩いて30年。これまで培った豊富な知識でつけ麺店「宮田麺児」をプロデュースするなど、業界きってのラーメン好きで知られています。

そんなてつじさんが次に目指すのが「究極のラーメン鉢を作ること」。

究極のラーメンではなく、ラーメン”鉢”を作るというこのプロジェクトは、一体どんなプロジェクトなのでしょうか、お話を伺いました。

紹介する人

てつじ(シャンプーハット)
てつじ(シャンプーハット)
大阪府出身。1994年結成「シャンプーハット」のツッコミ担当。相方・こいでとともに関西で多数のレギュラー番組を担当。年間100本を超えるグルメレポートを行うほか、つけ麺店「宮田麺児」のプロデュース、グルメ本「関西グルメ王の人生が変わる店」(KADOKAWA)の出版など、「関西グルメ王」の異名も持つ食通。

ラーメンも器で味が変わる?

ーーなぜラーメンそのものではなく、器を作ろうと思ったんですか。

てつじ:2年前に利酒師の資格を取ったんですけど、日本酒って酒器でめちゃめちゃ味が変わるんですよ。そっからラーメンを食べに行くと、鉢にしか目が行かなくなって。

ーー日本酒の酒器がきっかけだったんですね。

てつじ:昔から、そこまで高級じゃないお酒も、錫(すず)の酒器に入れるとまろかやになって美味しくなるって言いますよね。

今、日本酒は美味しくて当たり前というすごい時代になっていて、お酒に合わせてワイングラスやシャンパングラスで出すお店も珍しくない。

日本酒に限らず、ビールも紙コップやなしに、フチの薄いグラスで飲むと美味しいでしょ?

ーーたしかにお酒を出すお店は、グラスにもこだわってますね。

てつじ:そうなんです。酒器で味が変わるってみんな気づいてるし、僕もわかってたのに、ラーメン鉢のことはうっかりしてたんですよ。

こだわり抜いて作ったラーメンなのに、全然いいラーメン鉢で食べてないやんって。

料理を仕上げるのはシェフではなく、食べ手

てつじ:日本酒と一緒で、飲食店も「美味しい」「まずい」の時代は終わったと思ってます。美味しいのは前提で、美味しいに何をプラスアルファするかの時代が来てるなと。

例えば、大阪にコバチカリーというお店があるんです。

Yoshitaka Shimizuさんの投稿より

Yoshitaka Shimizuさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE27/ARE89/SUB8907/100001220653/36934448/

てつじ:ここは元々アパレルのお店なんですが、店主の趣味がカレー作りで、アマチュアのカレー大会で日本一になったんですね。それがきっかけで、アパレルをやりつつ、隣でカレー屋さんを始めたお店なんです。

もともとがカレー屋じゃないんで、料理以外にもアパレルの視点でこだわるんです。ユニフォームにこだわって、空間にこだわって、最終的に行き着いたのは「スプーン」だったらしいんすわ。

ーースプーンですか?

てつじ:食事の最後の仕上げって料理人じゃなしに、口に入れる僕らなんですよ。その最後の仕上げを間違うと、せっかく美味しいものを作っても、美味しく感じられへんっていう。

で、カレーもスプーンにこだわろうってことで、コバチカリーさんは「究極のスプーン」を探したんです。

そんで、行き着いた答えが、デンマークの王室御用達のスプーン

てつじ:フレンチのスープ用のスプーン(ブランド名は「Kay Bojesen カイ・ボイスン」)なんですよ。これがカレーの最高のひと口を作ってくれるっていうね。

「口に運ぶスプーンでもって、カレーは完成する」って聞いて、ほんまにそうやなと。それで、せっかくラーメン好きやし、究極のラーメン鉢を作ってみようと思ったんですよ。

「究極のラーメン鉢」構想

ーーどんなラーメン鉢をイメージされているんですか?

てつじ:お店をやられてる方って、基本的にパンフレットからラーメン鉢を選んでるんですね。

形やサイズの好みはあると思うんですけど、イチから作ろうとすると、器って「型」を作るのがめちゃめちゃ高いんです。

だから僕は、まず型を作ります。その型をいろんなラーメン屋さんに使ってもらって、お店のロゴとかは好き勝手に入れてくださいっていうのが、僕の「究極のラーメン鉢」構想です。

ーー具体的にどんな型を作る予定ですか?

てつじ:有田焼で型を作ろうかなと。究極のラーメン鉢の型は、いろんな焼きものをデザインされているデザイナーの村上周(あまね)さんに作ってもらおうと思っています。

ーー有田焼にも意味があるんですか?

てつじ:大阪で有名な「カドヤ食堂」っていうラーメン屋の大将から聞いたんですけど、有田焼って水を入れると、水がまろやかになるらしいんですよ。

てつじ:で、カドヤ食堂がラーメンの器に有田焼を使ってると聞いて、自分でも行ってみました。話を聞くと、どうやら大将の師匠である佐野実さんが、器による味の変化に気づいたらしいんですよ。

僕も実際に普通のラーメン鉢と、有田焼のラーメン鉢に水を入れて飲んでみたんです。そしたら、ほんまに有田焼のほうがまろやかなんですよ!

今のラーメン鉢は「全汁」が難しい

ーー他に、こだわりはありますか?

てつじ:今のラーメン業界には、暗黙の1000円以下ルール(ラーメンの価格を1000円以下に設定する)があるんですよ。

僕は「宮田麺児」というつけ麺屋もプロデュースしていて、そこでも1000円以下で提供してるんですが、こだわりを突き詰めていくと限界がくるんです。もっとこの食材使いたい、あの食材使いたいって。

そこでふと思ったんですよ。今のラーメン鉢ってめっちゃデカいなって。

てつじ:僕、基本的にラーメンのスープは「全汁(スープを全て飲むこと)」したいんです。でも、器が大きくて全部飲むのがしんどい。

それやったら、そもそもの量を少なくして、絶対全汁できる器のサイズにしようって。

麺は100〜120g、スープは300〜350mlくらいで、合計500ml以下にする。少なく感じるかもしれへんけど、もうラーメンだけでお腹をいっぱいにする時代でもないかなと。

さらに、「このラーメン鉢、小さいな」と思わせへんように、外側をしっかり大きく、内側を分厚くデザインする。そうすれば、スープの量は少なく済むので。

食べる側だけやなしに、ラーメン屋にとっても究極のラーメン鉢にしようと思ってるんですよ。

ーーラーメン鉢を小さくできたら、材料のコストも減らせて、結果的に作りたいラーメンも作れて、全汁してもらえる。

てつじ:そうなんです!とにかく「全汁」が理想なんです。

あとは、究極のラーメン鉢を個人個人にも持ってほしい。もし許されるならお客さんがお店にラーメン鉢を持ち込む時代がきてもいいと思うんです。

ーーマイ鉢ですね!

てつじ:居酒屋にマイ猪口を置いたり、喫茶店にコーヒーカップを置いてもらってる人もいますし。

なんてことないラーメンでも究極のラーメン鉢に入れて美味しくなったら、それに越したことないじゃないですか。究極のラーメン鉢でチキンラーメン作ったら、めっちゃ美味なると思います。

ーーそのチキンラーメン、食べたくなってきました(笑)。

ラーメンの次の進化は、ラーメン鉢から生まれる

1月6日に本プロジェクトは、目標金額を見事達成しました!

てつじ:このプロジェクトを通じて、ラーメンは醤油とか味噌とかって時代やなしに、何の器で食べるかって時代になってほしいんです。

僕が死んだ後に、

「日本のラーメン屋さんって、ラーメン鉢みんな一緒やな」

「知らんの?昔、シャンプーハットのてつじっていう芸人が究極のラーメン鉢を作って、日本全国のラーメン鉢がこれになったんやで」

っていうのが僕の夢ですね(笑)。ラーメンの次の進化は、本気でラーメン鉢から生まれるって思てるんですよ。

 

※※※「究極のラーメン鉢」プロジェクトは、1月22日までは実施中です!※※※

>>「究極のラーメン鉢」を作りたい。by シャンプーハット・てつじ
 

ライター紹介

蛯原天
蛯原天
タレント・フリーアナウンサー / 八丈島うまれ、伊豆大島出身。グラビアやバラエティで活動の傍ら、2010年よりインターネットライブメディアの世界へ。出演だけでなく企業のライブ配信の企画構成から技術、広告、執筆まで一手に請け負うマルチプレイヤー。好きな食べ物は赤身肉とチョコレート。
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